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英雄作成計画「毎日が神隠し」

「お父さま、お母さまおはようございます。」


「おはよう、体は大丈夫か?」

「セレンちゃん、無理しないでね。」


「はい・・・」


やはり父と母を心配させた事に心が痛くなる。

習慣ではあるけど私の家族は朝食は必ず集まって食べる。爆発事件の後なので次の日の朝は少しだけ遅くまで起こさないで頂けました。

(心配ばかりかけてごめんなさい。)

急いでダイニングに行くと家族全員揃っていて私を待っていたようだ。


「クルタ兄さま、ハスト兄さま、テルル姉さま、ラウラ姉さまおはようございます。」


「「「「セレン、おはよう」」」」


ほぼ同時に朝の挨拶を頂きました。その後が同時に質問攻め。


長男クルタ兄さま 18歳 


「怪我が無いと聞いたが本当に無いのか?犯人は今捜索中だが時期に見つかるから安心するといい。」

(ごめんなさい、犯人は私です。)


長女テルル姉さま16歳


「スクルド様の加護を得られるなんて女神様に愛されてるわね。」

(ごめんなさい、女神スクルド様は無関係です。)


次男ハスト兄さま 13歳


「爆発凄かったよ!吹っ飛ぶ所見たかったぜ!」

(ごめんなさい、今度爆発させてあげ・・・ゲフンゲフン!)


次女ラウラ姉さま 10歳

「建物揺れて怖かったよー。」

(ごめんなさい、建物揺らしたの私です。)


兄弟、姉妹の質問攻めに『記憶に御座いません』のスタイルを貫き、私が四苦八苦してると父が諫めた。


「程ほどにしなさい。朝食が冷めてしまうぞ。」


(お父さま、ありがとうございます。)


--------


朝食を食べて自分の部屋に戻る。

クルタ兄さまは父の仕事の手伝いに城に向かわれ、他の兄弟、姉妹は学校に行った。

学校は10歳から18歳まででクルタ兄さまは卒業したばかり。跡継ぎな為、父と一緒に仕事をしている。

屋敷にはお母さまと私と執事、使用人、警護の騎士が多数。実質お母さまが家の運営や他の伯爵家や侯爵、その他の名家のパイプ役をやっているからか普段から忙しそうだ。だから6歳の私は誰に言われるでもなくフリーな生活を満喫している・・・していた。


6歳児といえば普通は朝食後、一息ついて『遊びまくる』、もしくは『親に甘えまくる』お年頃なのだが、私はそのどちらでもなく・・・おそらくは手のかからないお子様と思われているはず。きっとそうだ。しかし現実は違う。緊張した面持ちである方を待ってる6歳児。どこからともなく女神スクルド様が現われ今日の特訓がスタート。女神スクルド様に手を引かれ歩き出すと、すぐさま周りの景色は自分の仮の部屋から白く果てしない空間に変わった。これが世に言う神隠しというものなのだろう。

(緊張して女神様を待つ、毎日神隠しに遭う、そんな子供がいてたまるか!)

そんな事を思いつつ・・・

(いてもいいだろう!)

そんなキレッキレの動きをする全肯定の芸人を思い出して笑い出した。

現実逃避も程ほどに。


「くふふふふふっ!」


女神スクルド様は『未来』『義務』を司る女神だそうだ。この空間は5分で1時間分進む世界だから、それは女神スクルド様の時間を進める力なのだろう。しかしもとの部屋に戻ってくると自分の中の進んだ時間は1時間分だけらしいが、特訓の成果はしっかり残るのは女神スクルド様のご加護の賜物。なので私の場合は1日35時間だけれども自分だけ他の人より11時間早く成長ないし年を取ることは無いということらしい。何か不手際があったとして他人より早く成長したとしても、女神ウルズ様より過去に逆行させることも可能だとか。

ちなみにトラピスト王国の信仰している3柱の女神は姉妹で長女で女神ウルズ様は『過去』『宿命』『死』を意味し司り、次女の女神ヴェルダンディ様は『現在』『生成する者』意味し司る。

以前、守護霊アズラエル様がこの世界に来て転生する前に言った『知り合い』が女神ウルズ様であって、共に『死』を司る女神様であったがゆえ面識があったそうだ。


--------


「スクルド様ー無理っす!!5時間全力疾走は!!むしろ死にます!!」


「大丈夫だ、セレン!!死ななければ全回復出来るから全力でやれ!!全回復は死にかけたらかけるから安心しろ!!黙ってやれ!!」


ここに鬼が居ます・・・


「神様助けてーーー!!!」


「おお!任せろ!!」


(いや、そうじゃなくて・・・)



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