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世界樹の夢でまた会いましょう  作者: うたまる ひろ
第3章 貴族の少女と従者の男
65/99

別れと首都への旅立ち

 アレンたちが自由の身になってから二日が過ぎた。

 ククの傷は癒えているが、ボリスの言ったとおり血が足りず中々調子が戻らなかったため、屋敷に逗留させてもらっていた。

 マリーやジェーンの厚意により手厚く看護された結果、ククの体調も大分戻ってきた。落ちた体力を少しでも戻すために走り回りたいぐらいだとククがこぼして、カロルがそれを嗜めるといったやり取りが何回も繰り返された。


「よぉ、今日の調子はどうだ?」

「皆様ごきげんよう」

 ククが泊まっている客室にボリスとエマがやってきた。部屋にはアレンとカロルがおり、ベッドの端に座ったククと会話していたところだ。

「どうも。お陰様で大分回復しました。肉を食べるのは難儀しましたが」

 ククの貧血を少しでも早く治そうと、ここ二日は肉三昧の食生活を送っていた。かなりの贅沢ではあるが、エルフの身体は肉に耐性がないので、ククにとっては割と辛い食事が続いた。

 それでも肉ばかりの食事がなるべく辛くならないよう、マリーが随分気を揉んでくれた。茹でて調理したり、ミンチにして野菜と混ぜ込んでみたり、品目を増やして肉類を少しずつ摂取できるようにしてみたり。至れり尽くせりと言えた。

 それに負けず劣らずジェーンも色々とククの身の回りの世話をしてくれた。最初の日は歩行するにも身体がふらつき思うままにならなかったので、トイレ一つ行くにしてもジェーンに手を取ってもらったりした。身体を拭いてくれたり、汗で濡れた服を取り替えてくれたのもジェーンだ。

「そうかそうか、二人には頭が上がらないな」

 ボリスが口角を上げながら言うと、アレンが口を開いた。

「いや、あんた達二人にも随分助けられた。この通り警察から出られたのはノイラートさんのおかげだし、ククの傷を治してくれたのはボリス、あんただ」

「お二人のご助力は感謝に堪えません。シャロン家を代表するものとして、厚く御礼申し上げます」

「カロル様、ゴードンさん。そのことはお気になさらず。私どもが好きでやったことですから」

 アレンとカロルの感謝の言葉に、エマがにっこりと微笑んだ。


「そういや、あの夢男ってやつ、あの後見かけたか?」

 ボリスが三人に向かって質問すると、アレンが首を振った。

「いや、あれきり見かけてないな。いつのまにかどこかへ消えちまったようだ」

 夢男はあの夜、いつのまにか姿を消していた。どういう意図があって三人を助けたのかを聞き出したかったのだが、それは空振りに終わった形だ。

「夢男さんにもノイラート家の者として、感謝申し上げたかったのですが……」

 エマがそう言うのを、ボリスが何か難しい顔をして小さく唸り、「まぁそうかもだけどな……」と呟いた。エマは単純に助けになったことに謝意を述べたかったようだが、ボリスにとってはなかなか手放しで感謝できる人物ではなかったようだ。

 ボリスがアレン達三人に問いかける。

「あいつはなんなんだ?」

「それは俺たちも知りたい。何か、俺たちを助けるみたいなことを言ってるんだが……あの通り何を考えてるか、腹の底が読めない奴だ。どうにも俺たちに何かを隠しているような気がする」

「まぁ見た目からして気違いみたいな奴だからな」

 アレンが夢男に対する思いを吐き出すと、ボリスがそれに頷いた。

「ところで、カロル様方はこれからどうされるんですか?」

「ええ、今それについて話し合っていたのですが」

 エマの質問にカロルが答える。

「明日辺りにこの村を出発して首都に向かおうかと思います。元々そのつもりでこの村に寄りましたからね」

 ククの体調と相談だったが、ククがもう大丈夫だと判断したので、元々の予定通り首都へ向かうことにした。

 本当はアレンが単身首都に乗り込んだ方が良かったのだが、あのような事件があった後で二人をこの村に残しておくことは気が咎めた。ククが動けぬ現状であまり目立つ行動をしたくなかったのだ。

「エマたちはどうするんです?」

「私達は……その……」

 エマが何故か手先をもじもじとさせて、少し頬も赤らめた。

「お嬢、はっきり言わなきゃ」

「わ、分かってるわよ……」

 ボリスが先を促すように、エマの肩をぽんと軽く叩く。エマの顔が増々赤くなった。

 三人が何事だろうと見守っていると、エマが意を決したように目をぎゅっと瞑り、口を開いた。


「わ、私達も首都までで良いので、カロル様達とご一緒していいですか?」


「おぉ?」

 思わぬ申し出にアレンが思わず驚きの声を上げる。カロルもククもきょとんとした様子で互いに顔を見合わせている。

「いやな、実はな」

 とボリスが説明を始めた。

「お嬢が自分が元々どこの家の者かを調べて回ってるって話したろ? それで、俺たちもリュテまで行こうとしてたんだよ。ほら、貴族庁ってあるだろう? あそこで何か調べてもらえないかと」

 貴族庁は一言で言えばデパルトにいる全貴族を管理するための役所だ。そこでは貴族の家名・家格の一覧、家毎の土地の管轄についての特別登記簿、その家の由来の記録、家紋等、デパルト国内に居住する貴族に関するあらゆる記録を管理している。また、その他にも貴族だけに課せられた特別税の算出・徴収業務なども行っている。

 エマ達はそこへ行って自身の出自に関するなんらかの情報が得られないかと考えているらしかった。

「ということで、リュテまでは同じ道連れなわけだ」

 ボリスが一通りを説明しきって、エマの方を見た。エマが照れくさそうにううう、と唸って再度カロルに願い出た。

「そういうことでして、カロル様とご一緒できたら嬉し……あ、いえ、幸いに存じます……」

 顔を真赤にしてそのようなことを言うエマに、カロルがクスクスと笑った。

「ええ、わかりました。私としてもお二人とご一緒できるのは嬉しいです」

 カロルがそう言うとエマがぱぁっと顔を輝かせて、子供のような笑顔を浮かべた。

「無理言ってすまないね。邪魔しないようにするからさ……」

「邪魔だなんてとんでもない。短い間になりますが、楽しい旅になりそうです。……ね? アレン、クク」

 そう言って小首を傾げながらアレンとククの様子を伺うカロル。

「まぁ私は特に否やはありません」

「ん、まぁ俺も特には」

 本当はあまり人数を増やして目立ちたくは無かった。とは言え、このタイミングでは今更断ることも出来ない。多少は相談してくれても良いじゃないか……と、アレンは微かに拗ねる。

 とは言え、絶対に反対というつもりも無い。忘れがちになるが、アレンの身分はカロルの使用人であり、旅のお供なのだ。カロルが決めたことなら、それを全力で全うする所存だ。


 あー、ところで、と言ってボリスが質問した。

「あんたがた移動手段は?」

「俺たちは馬二頭だ」

「馬二頭かぁ、そっかぁ~……一頭くらい借りられないかと思ったんだが……」

 ボリスが困ったように頭を掻く。

「なんでだ? もしかして徒歩だったのか?」

「いや、徒歩じゃないんだがな。俺たちここまで来るのに郵便馬車に相乗りさせてもらったんだよ」

 郵便馬車はその名の通り、郵便物を町から町へ運ぶ馬車だ。だが、少しの金を払えばその馬車に相乗りさせてもらうことができる。三人も座れば満杯になる狭い席に、庶民の相乗り客が六、七人くらいは無理やり乗り込むので、乗り心地は最悪だが。

「首都に近いし、もちっと沢山馬車が通ると思ったんだがな。どうも別の道を行く馬車が多いらしくて、全然捕まえられねぇ。アテが外れた格好だ」

 ボリスが肩をすくめてため息をついた。

「では、私は馬に乗らず風で飛んでいくことにしましょうか?」

 ククが申し出た。

「アレンさん、カロルで一頭。エマさん、ボリスさんで一頭に分かれれば全員で移動できるかと」

「クク」

 カロルが毅然とした態度でククに問いかけた。

「あなた病み上がりなんですよ? 首都は近いとは言え、そんなに長時間飛べるのですか?」

「あ、ええ、う~ん、まぁ、大丈夫……かな?」

「本当ですか?」

「……まぁ、その、まぁまぁ疲れるとは思います……」

「じゃあダメ」

 ふんす、とカロルが鼻息荒くダメ出しをする。

「ようやく体調が戻ろうとしているところに、そんな無理はさせられません」

「う……」

 ククが母親に怒られた子供のような表情でしゅんとする。カロルが気を取り直すように二人に提案した。

「ルメール警部にお願いしてみましょうか」

「ルメール警部にですか?」

 カロルの提案にエマがその目を丸くした。

「実はルメール警部が私達を誤認逮捕してしまったお詫びにと、首都まで私達を送ってくれると仰って下さったのです。ですが、私達も自分の馬がありますし、そのお申し出は丁重にお断りさせて頂きました。しかし、警部がそれでは気がすまないからと、明日は首都までご同行してくれることになっていたのですが、そちらの方に相乗りさせてもらうことにしませんか?」

「おお! そりゃ助かる!」

 ボリスが前のめりになりながら明るい表情を浮かべる。エマも笑顔を浮かべ喜んでいる。

「ではそう致しましょう。後で警察の方にお願いしてみることにします」

 カロルも嬉しそうに二人に微笑み返す。

 移動手段の目処が立ち、これで後顧の憂いなく出発できる。

 これは喜ばしいことだ。

 そう、喜ばしいことのはず。


 しかし、アレンを苛んで止まないこの胸騒ぎはどうしたことか。


 これからの旅路に思いを馳せ楽しそうに騒ぐ皆を見て、アレンは自分だけが感じる嫌な予感に、一人いつまでも戸惑っていた。



 その日の夕食の時、マリーとジェーンに出立することを伝えた。

「そうですか、明日出発なのですね」

 食事を終えた三人の皿を取り下げながら、マリーがいつも通りの仕事人の顔でそう言った。素気ないような態度のマリーだが、その声音には幾分残念そうな色合いを含んでいた。

「シャロン様方が居なくなると、このお屋敷も寂しくなりますね」

 ジェーンが寂しそうな微笑みを浮かべる。そんな二人に、ククが感謝の言葉を述べる。

「お二方には大変お世話になりました」

「いえ、この程度のことは。私達はマクマジェル様にとんでもない濡れ衣を着せていたわけですから」

 二人の表情が明らかに曇るのを見て、ククが慌てる。

「それはお二人のせいではありませんよ。悪いのはフェルディナンただ一人ですから」

「それでも私達の良心が、私達を許さないのです。ですから、特にマクマジェル様へのご奉仕は、私達なりの贖罪の証として受け取って頂きたいのです。……マクマジェル様、まことに申し訳ありませんでした」

 そう言って二人が頭を下げるのを見て、ククがなんとも言えないと言った様子で眉を困らせる。

 アレンがそれとなく話題を変えようと口を開く。

「ところで、今後はアンドレがこの屋敷の当主になるのか?」

 その言葉を聞いて、ジェーンが「あ……」と困った顔をして、言葉を詰まらせる。マリーが代わりに答えた。

「実は、アンドレ様はこの村を後にするおつもりでいらっしゃいます」

「え、そうなのか?」

 てっきりこの屋敷と村長の役職を継ぐものと思い込んでいたが。アンドレの立場からすれば人生安泰といった感じで、不謹慎な物言いにはなるが、棚からぼた餅の幸運のはずだ。

「アンドレ様は元々この村に良い思いをなさってはいなかったのです。村の過剰とも言える保守的なところが気に入らないと度々愚痴をこぼしておいでで……。それでも旦那様の下、簡単には家を出ることは出来なかったのですが、今回のことがあったので……」

「そう……なんですか」

 カロルが曖昧な相槌を打つ。

「諸々の財産整理をしたら、テルミナへと旅立たれるそうです」

 そう言ってマリーがジェーンに先を促した。ジェーンが頷く。

「サウス・グレイシャーという地方に私の親戚が居りまして、そちらを頼ろうかと」

「ということは、ジェーンさんもアンドレさんについていくわけですね」

 ククがそう言うと、ジェーンが少し頬を染めながら頷いた。

 アレンとしては鼻持ちならない高慢ちきな男だが、このジェーンにとってはそうではないようだ。きっとアレン達には見せない顔を持っているのだろう。意外というか、なんとなく不思議な気分にさせられた。

「マリーさんはどうされるのですか?」

 カロルが問うと、マリーは珍しく困ったような表情を浮かべて俯いた。

「私は……どうしますかね。こちらの屋敷も近々売りに出されますから、私も自分の身の振り方を考えなければ……」

「これまではどうしていたのですか?」

「色んな方のお屋敷で変わらずメイドをしていました。一年や二年とかで契約して、契約期間が終了する度にお仕えする屋敷を変えて……言わば流れのメイドといったところでしょうか」

「どこかの家で、ずっと働くことは考えなかったのですか?」

 カロルが続けて質問すると、マリーがうーん、と唸りながら、どう答えたものかと考え込む。

「私、色んな人を見るのが好きなんです。働き始めの頃は、皆少し余所行きの顔をして私を迎えるのですが、その内だんだんと打ち解けてくると、今まで見せなかったような顔を見せてくれるようになる。朗らかな内面だったり、怒りっぽかったり、ケチだったり、優しかったり。そういうのに触れるたび、ああ、人間ってこんなに沢山の顔を持っているのだなって、少し不思議なような、くすぐったいような、そんな気持ちになるんです。その瞬間がたまらなく好きで……。でも長く働いていると、やはり色んな醜い面も見えてきてしまったりして、だんだんと心が重くなってしまって……。そうなる前に、別の所へと行くようにしています。私は人を好きでいたいから……」

 マリーが少し微笑んで、そう締めくくった。

 理知的で、物静かで、ともすれば少し近づきがたい印象を与えるマリーの、意外とも言える素顔だった。

 そんな生き方もあるのだな、とアレンは思った。アレンは正直これまで日雇いの仕事ばかりやってきて、シャロン家で使用人をやるまでは定職を持たなかった。だから、喉から手が出るほど欲しかった定職にありついて、アレンはとても喜んだ。

 そんなアレンからしたら、マリーの生き方はアレンにとって埒外にある考え方だった。


 自分の思うように人生を生きて良い。


 その考えに、アレンは救われたような思いがした。

 それが何故かは分からない。ただそう思った。



 翌朝、出立の時が来た。

 アレン達三人と、エマ・ボリスの二人、それとマリー、ジェーンのメイド二人に、アレン達の護衛を買って出たルメール警部が屋敷の前に勢揃いした。

 アンドレとは屋敷を出る前に顔を合わせた。

 彼はアレンの顔を見るなり、へんっ、と鼻を鳴らし、「居候が居なくなって清々するぜ」と相変わらずの憎まれ口を叩いた。腹は立つものの、以前よりはなんとなく許せる気がした。

「今まで本当にありがとうございました」

 カロルがマリーとジェーンの手を取って感謝の言葉を告げると、ジェーンは少し涙ぐんでいた。

「そうだ、マリーさん。これを……」

 と言って、カロルが便箋のような物をマリーに渡した。

「これは?」

「私の父の友人にキュビエ卿という方がいらっしゃるのですが、卿へのマリーさんの推薦状です」

 そうカロルが言うと、マリーが驚いた顔でそれを受け取り、便箋とカロルの顔を交互に見た。

「とても優秀なメイドの方なので、卿のところで働かせて頂くか、もしくはどなたかの紹介を頂けないかとの旨を記しました。全てが落ち着いて、次の働き口を探す段になったら、そちらを持って卿のところへ訪ねてみてください。卿はとてもお優しい方ですから、きっと良いようにしてくださいます」

 カロルの言葉に感極まったのか「シャロン様……!」という言葉を口にして、マリーがカロルを抱きしめた。カロルも微笑んで抱きしめ返した。

 しばらくそうしていると、マリーが少し涙ぐみながら微笑んで、「本当に、嬉しく思います。ありがとうございます」と感謝の言葉を囁いた。カロルもそれを聞いて少し泣いた。

 カロルはジェーンのことも抱きしめると、名残惜しそうにしながら二人から離れた。

「お二人共、アンドレさんも、きっとお元気で……」

「シャロン様もお元気でいらしてください」

「シャロン様の旅路に、少しでも幸多からんことを……」

 ジェーンとマリーの言葉を胸に刻みながら、カロルがルメールの用意した馬車へと乗り込んだ。

「もう出発して良いかね?」

「はい」

 目を少し赤く腫らしたカロルが涙を拭いながらそう告げると、ルメールが馬車の扉を閉めた。


 ルメールが用意した馬車は6人乗りの立派なものだった。アレン達三人にエマ、ボリスを加えた合計五人が客室に同乗している。

 馬四頭掛かりで引く代物で、アレン達の乗ってきた馬二頭もそこに加わっている。

 御者が手綱を引く他、御者台にはルメールも同乗する。今回の事件で中央に報告した内容を正しいものに訂正しなければならない。そのため首都までカロル達の護衛がてら同行するという。


「それじゃあ、出発しますよー!!」

 御者が声を張り上げると、ハッと短い掛け声をかけて馬にムチを入れた。車輪を支えるシャフトがギッ、と軋んで、馬車がゆっくりと進み始める。

 女性陣がメイド達との別れを惜しむように手を振ると、ジェーンが手を振り返して、マリーが深くお辞儀をする姿が見えた。

 アレンがふと屋敷の二階に目を向けると、アンドレが窓際に立って、こちらを見下ろしているのが見えた(まだ書斎は入室禁止だったはずだが……)。少し遠いのでどのような表情を浮かべているかまでは分からないが、きっとアレンたちが居なくなって清々するといった顔で見送っているのだろう。あれだけいがみ合って、お互い好意的な感情は未だに持てないが、相手が何を考え、どんなことをしているだろうかという事が容易に想像できるのが、少し奇妙で可笑しいことに感じた。


「ようやくリュテへ行けるな!」

 馬車が走り出して少し経ち、皆がようやく気持ちを落ち着けたところで、ボリスが一際陽気な声を上げた。

「もうおじさん待ちくたびれちゃって、こんなに老けちゃったよ」

「それは最初からでしょ、ボリス」

 ボリスの冗談をジト目で受けながすエマ。

「ひどいな、お嬢は。この中で最年長なんだから、もっと俺を労ってよ」

「最年長は私ですよ」

「そ、そうか……エルフだもんな、そうだな……」

 ボリスがはしごを外されしどろもどろになる様子を見て、カロルとエマがくすくすと笑った。

 微笑ましい光景を目の前に、アレンも相好を崩す。


 五人は一路、首都リュテへと向かっていく。


【作者Twitter】https://twitter.com/hiro_utamaru2

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