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リファックタリング  作者: 青倉真輝矢
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第6話 ダンジョン

 エクレル村を出て3日が経った。

 あと2日ほどすれば始まりの村へ着くだろう。

 エクレル村からここまでで俺たちのレベルはほとんど変わらない。

 ゲームでは序盤の場所だということもありモンスターも少ない上、モンスター自身のレベルが低いので経験値も美味しくないのだ。

 基本歩きながら4人で何気ない会話やマルチ・オンラインの話をしている。

 今日は後者のマルチ・オンラインの話だ。

 このゲームの話の時は司会者がゴレゴンからセリシアに変わる、…というより、セリシアがしゃべり続けると言った方が良さそうだ。


「そういえば転生前に攻略しに行ったあのダンジョンに入れるくらい強くなりたいよね」

「あそこのダンジョンは一般ユーザーからすると高難易度なのよ?そんなダンジョンをクリアするほどレベル上げるなんて…」

「おまけに限界突破とかいったゲームの時にはなかったモノがあるからな。あのダンジョンも難易度がゲーム時より高くなってそうだな」

「大丈夫。マルチ・オンラインを知り尽くした、私、このセリシアがいるので」

「「「ドヤ顔…」」」


 普段大人しいセリシアが興奮してドヤ顔までするとは…

 憧れのゲームの世界っていうのはそんな感じなんだろうか。

 もっともここはゲームの世界ではないんだが。


「セリシア、そういえばダンジョンって世界各地にあるって設定だったよな?」

「流石イールド。よくお分かりで」

「あら、じゃあ、この辺にもあったりするのかな?」

「確か中級プレイヤーからしてちょっと難易度が高いやつが一つくらいあったかも」


 それは知らなかった情報だな。

 だが、セリシアが難易度が高いっていったダンジョンだ。

 今の俺たちでは無理だろうな。


「そっかー、レベル上げみたいな感じでこの世界のダンジョンに入ってみたかったんだけどなぁ」


 と、カーリィが呟いた瞬間だった。

 辺りに濃い霧が立ち込めてきた。


「セリシア!この霧は何だ?」

「まずい、ダンジョンだ…」

「なっ…」


 クソ、よりによって俺たちからすると高難易度ダンジョンか!

 ここで死んでしまったらループしてしまう。

 なんとしてでも生き残らなければ…


「この状況でダンジョンに入らない方法は?」

「霧、それも濃霧だとダンジョンに入るのは確定だよ…」

「入った後ダンジョンから出られる方法は?」

「ダンジョンの主、つまりボスを倒すこと…」

「そんなっ…」


 カーリィが座り込む。

 すると霧が晴れ、景色は草原から一転、洞窟になった。

 どうやらボスを死なないように倒すしかないようだ。


「そういえばなんでダンジョンに入ってしまったんだ?俺たちダンジョンに入るようなことしてないよな?」


 ゴレゴンの言う通りだ。


「マルチ・オンラインではダンジョンの場所を聞いてそれらしき場所で合言葉を言うんだったっけ?」

「そうだよ。さっきの会話で合言葉っぽいことは…」


 カーリィの顔色が変わった。

 何かあったか?

 そういえばカーリィが何か呟いてたような…


「ゴメン、私が呟いた言葉じゃないかな。合言葉かどうかは分からないけど」

「おそらくそうだろうね」


 なるほど。

 セリシアがいるだけで色々情報が入るな。

 さて…


「セリシア、このダンジョンの構造は分かるか?」

「イールド…ここ行ったことあるダンジョンだよ」

「え?」


 たしかに見覚えはありそうだけど。

 こんなダンジョンどこでもありそうでもあるんだよなぁ。


「まぁいい。セリシア、コイツのためにも説明してくれないか?」

「ゴレゴン、俺のせいにしてるけどお前も知らないんじゃないのか?」

「ゴレゴンが知らないわけないでしょ!」

「説明したいんだが…」


 口喧嘩が47秒続いたあとセリシアの説明が始まった。


 セリシアによると、このダンジョンはプレイヤーレベル30くらいあればでまともに戦えるそうだ。

 階層は全部で三階で、一、二階は通常モンスターが湧くフロア、三階がボスフロアだ。

 一般プレイヤーの間ではレベリングに最適なダンジョンだと言う評判だったらしい。

 マルチ・オンラインでは、ダンジョンのモンスターはダンジョン外のモンスターより経験値が多いのでレベリングに最適と言うのは頷ける。

 ボスは攻撃や魔法はそれほど高くなく、HPや守備が高い、いわばゴレゴンのようなモンスターである。

 武器は盾と槍。

 槍による遠距離攻撃に注意とのことだ。


 …ボス情報ありすぎでしょ。

 これだけ情報あれば一、二階でレベリングして挑めば良さそうに見えるが…


「とりあえずは一階でモンスターの攻撃パターンを学んで、二階で少しレベリング、それからボス戦でいい?」

「セリシアに任せる」

「俺もだ」

「私も」


 ということでダンジョンに挑むことになった。

 が、予想外の事態が起きる。


「経験値おいしぃぃぃぃ〜」

「イールド気持ち悪い」

「右に同じく」

「」


 セリシアには無視されたが関係ない。

 経験値がバンバン入るんだからテンション上がるだろ。

 なんでお前らはそんなに冷静なんだよ。

 …と思いつつ、数分でモンスターの攻撃パターンはだいたい把握したので二階に降りる。

 ここで半日ほどレベリングをしたのだった。

 結果、


 イールド

 プレイヤーLv.34

 獲得スキル

  二刀流スキル『ファイアソード』

  二刀流スキル『一閃斬り』

  移動スキル『テレポート』

 パラメータ

  攻撃・素早さ +20


 ゴレゴン

 プレイヤーLv.37

 獲得スキル

  斧スキル『グレートアックス』

  盾スキル『大防御』

  盾スキル『シールド付与』

 パラメータ

  HP +15

  守備 +30


 カーリィ

 プレイヤーLv.31

 獲得スキル

  回復スキル『ヒルン』

  援護スキル『守備強化』

  魔法スキル『MP自動回復(30秒間)』

 パラメータ

  MP +50

  回復 +20


 セリシア

 プレイヤーLv.32

 獲得スキル

  魔法スキル『メギ』

  魔法スキル『MP自動回復(60秒間)』

  援護スキル『攻撃強化』

  援護スキル『回復強化』

  援護スキル『素早さ強化』


 となった。


 レベリングも予想以上にできたので、ついにボスフロアである三階へ降りる。

 すると、一、二階よりは小さいフロアで、奥にボスが座っていた。


 入り口からでも確認することができた。

 ボスの名前は、『将軍:レパル・スドルガン』。

 レベルは40。

 情報通り、槍と盾を持った銀色の騎士だった。

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