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リファックタリング  作者: 青倉真輝矢
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第5話 エクレル村

 城を出た俺たちは、まず始まりの村へ向かうことになった。

 もし、同じゲームをしてこの異世界に来た場合始まりの村へ向かうという可能性があったからだ。

 この村には特に何もないが、辺境の地であるため、他の能力者を保護できる村になるのではないかと考えた。

 この村までは1週間ほどかかるらしい。

 途中エクレア…じゃなかったエクレル村に立ち寄った。


「この辺のモンスターは城下町周辺に比べて経験値が低いね」

「まぁ、始まりの村からすると城下町の方が遠いからな」


 この村ではここまでに獲得したスキルポイントの振り分けや、モンスターについて整理するために立ち寄っている。


 ちなみに今のレベルは俺Lv.18、ゴレゴンLv.20、カーリィLv.17、セリシアLv.18だ。

 スキルポイントも6獲得した。

 二刀流に振るのもいいが、テレポートという町を一瞬で移動できるスキルが10で解放できるので貯めている最中だ。

 最初に得たスキルポイントを振ればよかったと後悔している。


「お前らなんかスキル獲得したか?」


 味方のスキルを確認したかったのも村に立ち寄った理由の一つだ。


「俺は斧スキル『グレートアックス』くらいだな。パラメータ上昇にスキルポイントを振ってるからスキル獲得が二の次になってるよ」


 と、笑いながらゴレゴンが話しているが、今のゴレゴンのHPと守備のパラメータではハンターの攻撃でもダメージが少なか感じるほど上がっている気がする。


「私は回復スキルの『ヒルン』と『守備促進』よ。これでゴレゴンの守りは堅いわよ」


 ゲームだと回復スキル一つあれば当分はなんとかできるので安心だ。

 ゴレゴンに守備促進を使わなくても硬いから当分はいらない気が…


「私は闇系魔法スキル『メギ』と『攻撃促進』」


 セリシアとカーリィは二人で相談して攻撃と守備を上げるスキルを別々に会得したらしい。

 とりあえずはまともに戦えるようになってきた。

 確認や整理としてはこんなところか。


「キャアアアアアァァァァ!」


 いきなり外で悲鳴が上がった。

 もしかして能力者か?

 そう考えながら外に出るとこの辺のモンスターより強いであろうマントヒが暴れていた。


「ちょうどいい、あのモンスターで戦い方を練習しようぜ」

「不謹慎ね。村で被害が出てるみたいなのに」

「だが、練習するって案には賛成だ!」

「ゴレゴンがそう言うなら私も…」

「さっさとやるよ」


 と、ここでマントヒが俺たちを敵と認識したのか戦闘態勢に入った。

 俺たちも戦闘態勢に入る。


「守備促進!」

「攻撃促進!」


 カーリィとセリシアがそれぞれゴレゴンと俺にパラメータ上昇してくれる。


「攻撃くるぞ!ゴレゴン!」

「言われなくても!」


 マントヒの攻撃を盾で簡単にガードしている。

 めちゃくちゃ余裕そうだ。

 その隙に俺はマントヒの背後に回り込む。


「もらった!ファイアソード!」

「グアアアァァァァ‼︎‼︎‼︎‼︎」


 割と余裕で倒せたな…

 だが経験値は美味しかった。


「イールドナイスだ!」

「ゴレゴン、お前もな」


 俺たちはハイタッチする。


「私たちのスキル必要だった?かなり余裕だったみたいだけど」

「イールドに関しては手を抜いてたからね」

「え?そ、そんなことは…」


 なんてこと言うんだ!

 手を抜いても倒せたからいいじゃないか!


「あの…」


 どうやらこの村の村長と思わしき人が話しかけてきたようだ。


「この度は我々の村を救っていただきありがとうございました」

「いえいえ、私たちにとっては楽な相手でしたのでお気になさらず」

「滅相もございません!いづれにせよ村を救ってくれたのは事実、ぜひお礼をお受け取りください」


 割と多い金と食べ物を村長はくれた。

 断る理由がないので受け取っておく。


 その夜、村ではお礼として祭りが開かれ、俺たちは無料でご飯が食べることができた。

 とても美味しかった。


「なんか勇者にでもなった気分だな」

「ほんとイールドはゲーマーよね。まぁ、今回は分からなくもないけど」

「カーリィがイールドと同じ思考になるとか…」

「う、うるさい!そういうセリシアだって心の中では思ってるくせに!」

「よせ、カーリィ。イールドはともかく、セリシアに口で勝てるわけない」

「勝てるもん。ゴレゴンが助けてくれるもん」


 なんでここでイチャついてんだよこのリア充が、と心の中で言っておいた。


「おいまて。俺はともかく、ってどういうことだよ、ゴレゴン」

「いやそのままの意味だけど」


 こんな感じの会話が無駄に延々と続き、いつのまにか祭りは終わっていた。


 その次の日には村を出ることにした。

 別に居心地が悪かったわけではない。

 元々今日出発する予定だったのだ。


 まだ、始まりの村へは距離があるが、この調子なら能力者が出てきても対処できそうだ。

 …という油断をこのときしていたのだった。

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