快適な休日
魔王様の設定を 赤髪キャラから黒髪キャラに変更いたしました。_(._.)_
俺は、今にも漏らしそうになっていた極限の状況で・・・・魔王様とのファーストコンタクトに、
「トイレに行ってもいいですか? 」なんていう不敬極まりない発言をしてしまったのだ。
だが、魔王様はお優しく、寛大で、常に美しく在られる御方だった。
魔王様は小柄ながらも、艶やかな黒色の髪や瞳が彼女に妖艶さを漂わせていた。
彼女と謁見した時は、長い髪を下ろしていたが、普段からそうなのかは分からない。
俺が死を覚悟して言うと、彼女はニコッと微笑むと、俺をトイレにぶち込んでくれた。
「そんなにトイレに行きたいのであれば、ずっとそこで暮らせばよいだろう。さらには、朝昼晩三食と昼寝権付きと大サービスだ! 文句あるまいな? 」
すると、魔王様の傍付きの銀髪の少女が
「それじゃあ、何のために彼を連れてきたのか分からんだろ? 」
すると、魔王様はムスッとして、
「・・・コイツもちょっとは反省すべきだろ? なに、一週間だけじゃ。それなら問題なかろう? 」
魔王様も隣の女の子の前では少しは年相応に見える。
まあ、歳は分かったものではないが・・・・
「・・・・・まあ、それでいいなら私は気にせんよ」
傍付きの少女は魔王様とは違い、口調からしても快活な様子が窺う事が出来る。
「では、お主はこれより一週間の間、ここで過ごしてもらう」
「ええ~・・・・・・嘘でしょ」
魔王様はニッコリと微笑むと、気にも留めずに立ち去って行った。
銀髪の少女はニタニタ笑いながら一声かけてくれた。
「じゃあな!! え~と・・・・シンジだっけか。私はマリウス、よろしくな! 」
そうして、銀髪の少女・・・いや、マリウスは魔王様に続き出て行った。
これから、俺は日記を付ける事にした。
ー投獄生活1日目ー
俺は、投獄されてすぐにトイレに籠もった。・・・・4,5時間程・・・・・
すると、看守のおじさんが、臭いからとトイレを、自動消臭機能付きのウォシュレットトイレに取り換えてくれた。
看守さん・・・・ありがとう・・・・・・
ー投獄生活2日目ー
もう、かなり腹痛も治まってきた気がする。
今日は1時間しかトイレに籠もっていないしな・・・・・・はは・・・
看守のおじさんはトニー=ラルースという名前だそうだ。
彼は暇な俺の数少ない話し相手だ。
彼はよく奥さんの話をしてくる。
俺が日本から来たという事を彼は知っていたので、彼にこの世界の事を聞き、情報収集をしていた。
ー投獄生活3日目ー
今日は・・・・一日中・・・ダラダラしてました・・・・・
なんかあ・・・もう・・この生活も慣れたきちゃったなあ・・・
ー投獄生活4日目ー
・・・・一日中・・・・・昼寝をしていました・・・
ー投獄生活5日目ー
・・・・・・・・暇だ・・・・・
ー投獄生活6日目ー
もう・・・・・おっちゃんの嫁さんの話は・・・聞き飽きた・・・・・早く俺を解放してくれ・・・・
気が狂いそうだ・・・・
ー投獄生活7日目ー
もう嫌だ・・・・今日でこれも終わるのだ・・・・
昼過ぎくらいにマリウスが来てくれた。その時は、まるで天使が現れたかのように、世界が・・・・・・
輝いて見えた・・・・・
そのまま・・・・・一緒に昼寝をしていました・・・・・・・・
やっと、解放された!!!だが、今日はもう遅かったので、部屋を与えられて、寝る事にした。
久しぶりの・・・・・藁ではない、きちんとしたベッドだ!!
「「「・・・・・・」」」
「ねえ!! せめて、何か反応してくださいよ!! 流石に、目の前で朗読されるとは思っていなかったから、ツッコミどころが無いのは分かるけど!! 」
「ま、まあ、少しは反省できたじゃろ。シンジも特に文句はあるまい? 」
流石の魔王様でも、少し狼狽えている。
「・・・・・」
「まあ、シンジ・・・まずはお主が、この世界に連れてこられた理由なんかを、話さねばな・・・・」
((逃げた・・・・絶対に、今・・・逃げた・・・・・))
二人の悪魔達も何とも言えない微妙な顔でこちらを見ている。
魔王の言い逃れは臣下ですらカバーできない程に露骨だったようだ。
そうして・・・・魔王様より説明を受けると、俺の休日は終わった・・・・
どうも、看守のトニーだ。聞いてくれよ!今、うちの嫁さんが妊娠しててよ・・・もうすぐ、生まれそうなんだよ!!・・・いやあ、遂にお父さんかあ・・・・・