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魔王軍、財政難と闘う  作者: 工場長代理
魔界転生編
14/19

快適な休日

魔王様の設定を 赤髪キャラから黒髪キャラに変更いたしました。_(._.)_

 俺は、今にも漏らしそうになっていた極限の状況で・・・・魔王様とのファーストコンタクトに、


「トイレに行ってもいいですか? 」なんていう不敬極まりない発言をしてしまったのだ。


 だが、魔王様はお優しく、寛大で、常に美しく在られる御方だった。

 魔王様は小柄ながらも、艶やかな黒色の髪や瞳が彼女に妖艶(ようえん)さを漂わせていた。

 彼女と謁見した時は、長い髪を下ろしていたが、普段からそうなのかは分からない。


 俺が死を覚悟して言うと、彼女はニコッと微笑むと、俺をトイレにぶち込んでくれた。


「そんなにトイレに行きたいのであれば、ずっとそこで暮らせばよいだろう。さらには、朝昼晩三食と昼寝権付きと大サービスだ! 文句あるまいな? 」


 すると、魔王様の(そば)付きの銀髪の少女が


「それじゃあ、何のために彼を連れてきたのか分からんだろ? 」


 すると、魔王様はムスッとして、


「・・・コイツもちょっとは反省すべきだろ? なに、一週間だけじゃ。それなら問題なかろう? 」


 魔王様も隣の女の子の前では少しは年相応に見える。

 まあ、歳は分かったものではないが・・・・


「・・・・・まあ、それでいいなら私は気にせんよ」


 傍付きの少女は魔王様とは違い、口調からしても快活な様子が(うかが)う事が出来る。


「では、お主はこれより一週間の間、ここで過ごしてもらう」


「ええ~・・・・・・嘘でしょ」


 魔王様はニッコリと微笑むと、気にも留めずに立ち去って行った。


 銀髪の少女はニタニタ笑いながら一声かけてくれた。


「じゃあな!! え~と・・・・シンジだっけか。私はマリウス、よろしくな! 」


 そうして、銀髪の少女・・・いや、マリウスは魔王様に続き出て行った。


 これから、俺は日記を付ける事にした。




ー投獄生活1日目ー


 俺は、投獄されてすぐにトイレに()もった。・・・・4,5時間程・・・・・


 すると、看守のおじさんが、臭いからとトイレを、自動消臭機能付きのウォシュレットトイレに取り換えてくれた。


 看守さん・・・・ありがとう・・・・・・


ー投獄生活2日目ー


 もう、かなり腹痛も治まってきた気がする。

 今日は1時間しかトイレに籠もっていないしな・・・・・・はは・・・


 看守のおじさんはトニー=ラルースという名前だそうだ。

 彼は暇な俺の数少ない話し相手だ。


 彼はよく奥さんの話をしてくる。

 俺が日本から来たという事を彼は知っていたので、彼にこの世界の事を聞き、情報収集をしていた。



ー投獄生活3日目ー


 今日は・・・・一日中・・・ダラダラしてました・・・・・


 なんかあ・・・もう・・この生活も慣れたきちゃったなあ・・・


ー投獄生活4日目ー


 ・・・・一日中・・・・・昼寝をしていました・・・


ー投獄生活5日目ー


 ・・・・・・・・暇だ・・・・・


ー投獄生活6日目ー


 もう・・・・・おっちゃんの嫁さんの話は・・・聞き飽きた・・・・・早く俺を解放してくれ・・・・

 気が狂いそうだ・・・・


ー投獄生活7日目ー


 もう嫌だ・・・・今日でこれも終わるのだ・・・・


 昼過ぎくらいにマリウスが来てくれた。その時は、まるで天使が現れたかのように、世界が・・・・・・

輝いて見えた・・・・・


 そのまま・・・・・一緒に昼寝をしていました・・・・・・・・


 やっと、解放された!!!だが、今日はもう遅かったので、部屋を与えられて、寝る事にした。

 

 久しぶりの・・・・・(わら)ではない、きちんとしたベッドだ!!



「「「・・・・・・」」」


「ねえ!! せめて、何か反応してくださいよ!! 流石に、目の前で朗読されるとは思っていなかったから、ツッコミどころが無いのは分かるけど!! 」 


「ま、まあ、少しは反省できたじゃろ。シンジも特に文句はあるまい? 」


 流石の魔王様でも、少し狼狽(うろた)えている。


「・・・・・」


「まあ、シンジ・・・まずはお主が、この世界に連れてこられた理由なんかを、話さねばな・・・・」


((逃げた・・・・絶対に、今・・・逃げた・・・・・))


 二人の悪魔達も何とも言えない微妙な顔でこちらを見ている。

 魔王の言い逃れは臣下ですらカバーできない程に露骨だったようだ。



 そうして・・・・魔王様より説明を受けると、俺の休日は終わった・・・・



 










どうも、看守のトニーだ。聞いてくれよ!今、うちの嫁さんが妊娠しててよ・・・もうすぐ、生まれそうなんだよ!!・・・いやあ、遂にお父さんかあ・・・・・

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