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文々。通信  作者: 妖じい
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賭博の全容明るみに 下された判決は?

第二千十六季 皐月の二十一

 同月の27日に永琳先生が行っていた賭博問題を取り上げたが、31日本日の早朝。巫女サマーフェスティバルに関わった他4名の賭博仲間が明らかにされ、そのそうそうたる顔ぶれに記者会見場となった博麗神社に衝撃が走った。八雲紫、西行寺幽々子、八坂神奈子、聖白蓮の4名並びに八意永琳を含めた計5名だ。ほか、博麗神社には地獄の最高裁判長であらされる四季映姫・ヤマザナドゥ様に博麗の巫女である博麗霊夢、報道部の天狗たちが集っていた。賭け事を行った5名はそれぞれコメントをする前にわたしたちへ向けて一礼をした。

 巫女サマーフェスティバルを行ったのは今年で5回目になるそうだ。始めたきっかけは八雲氏の何気ない一言が火種となったらしい。最初はほんの余興から始まり、八雲氏と幽々子氏の2人のみで細やに興じていた賭け事であったが、回数を重ねていくごとにエスカレート。参加する人数も掛け金も次第に増えて行き、気が付けば1度に1人最高数百万まで賭けるようになっていったそうだ。この事態に対し全ての元凶である八雲氏は「ここまで大事になるとは思ってもみなかったですわ」とコメントした。

 事態が動いたのは四季様が永琳先生に全てを白状させた同月の27日。彼岸へ戻られた四季様は裏付けをとるため幻想郷にいる賭博仲間たちの会話に聞き耳を立てておられた。俗に言う地獄耳といわれるものだ。四季様が聞き耳を立てておられるとは知らない賭博仲間のうちの2名、白玉楼にいた八雲氏と幽々子氏は井戸端会議に花を咲かせていたなか、巫女サマーフェスティバルの話題が出たために証拠を握られた。すぐさま白玉楼に来られた四季様に2人は問い詰められるも、言い逃れをすることもなくあっさり賭け事を行っていたことを認めたそうだ。神奈子様は諏訪子様と口論になった際、巫女サマーフェスティバルのことを四季様にバラすと諏訪子様の口から出たために裏が取れた。しかし守矢神社に来て賭け事の行いを問い詰める四季様に対して、神奈子様は全面否定。一向に埒があかないと判断した四季様は浄瑠璃の鏡を使い、神奈子様が過去に巫女サマーフェスティバルに関わったとされる行いを鏡に映し出した。すると自身の予想が当たるよう守矢神社の鈴緒(お賽銭箱の前に吊してあり鈴をガラガラさせる紐)を一心不乱に振り回し、大量のお賽銭を入れて神頼みをしている神奈子様の姿を確認。そのうえ四季様は物証である例の弐千円札を突きつけると神奈子様は何かを察したのか、潔く自身の物だと認め謝罪したそうだ。白蓮住職は、永琳先生を白状させたのち幻想郷から彼岸へ戻ろうとしていた四季様と小町さんに道端で出会い、博麗の巫女を対象とした賭け事をしていると自ら打ち明けたそうだ。その他にも色々説明があったが、要点をまとめると以上が巫女サマーフェスティバルの全容だった。

 ことのてんまつを知った霊夢は以下のようにコメントした。「まぁ人間も妖怪もこういう賭け事に熱くなるのは自然なことよね。その賭け事の対象が私っていうのは気に入らないけど。それでぇ~。あんた達本気で反省してるんなら"誠意"ってもんがあるわよねぇ。人間が生活して行くうえで欠かせないあるものを謝罪の証として私に"お供え"しなさいよ。一応言っておくけど食べ物でもお酒でもないわよ。最初に"か"がついて最後に"ね"が付く、それはそれはとてもありがたいものよ。何とは言わないけど」四季様に怒られた。

 しかしこの5人のうち1人でも欠ければ幻想郷のバランスが傾きかねない大物揃いだ。あまりにも厳しい判決を下せば均衡は崩れ、かと言って軽い判決を下しても幻想郷中から反感の声が上がることにもなりかねない。しかし四季様は白黒はっきりつける容赦のない御方だ。例え己が下した判決によって幻想郷がどうなろうともそれならそれまでと切り捨てるに違いない。四季様が下した判決は以下の通りだ。「判決は白!!それぞれ5名の行いは本来誉められたことではありませんが、賭け事の対象が巫女だからといって罪が重くなるという訳ではありません。加えて巫女が倒れた後は直ちにスキマ妖怪が永遠亭へ運び、きちんとした診察を受け適切な処置もされていました。巫女が倒れたのは自然に起きた自業自得、誰かが後押ししたような行いも見られないことは浄瑠璃の鏡にて確認済みです。よって判決は白!!この判決が覆ることはありません」死刑を期待していたが下された判決は意外にも緩かった。しかし四季様は容赦の無い御方だった。「しかし困ったことにあなた達は幻想郷のなかでも屈指の影響力を有する名の知れた面子です。判決は白ですがこれでは他の者に対して示しがつきません。このまま何のお咎めもなしでは反感が膨れ上がるばかりになるのは明白。よって5名にはそれぞれ罰則を与えます。西行寺幽々子・八意永琳・八坂神奈子・聖白蓮の4名は暫くの間天狗たちの監視下に置く事とし、報道部の天狗たちによって発行される新聞で社会的制裁を受けて頂きます。八雲紫は幻想郷の賢者という立場もあるため、マヨヒガの居所を天狗にも知られる訳にはいかないでしょう。よって八雲紫には特別に明日の0時より丸14日間、博麗の巫女と寝食を共にし、巫女の業務を一時的に一任する罰を与えます。博麗の巫女は八雲紫の行動を日誌に記録。1日経つごとに日誌を天狗に手渡し、日誌を天狗から受け取った私が内容を確認し天狗を通じて博麗の巫女へ渡すというサイクルを14日間くり返すこととします」霊夢は八雲氏の罰を不服とし、寝食を共にするのは嫌だし日誌を書くのは面倒くさいと四季様に訴えたが覆ることはなかった。そして四季様は意外にも幻想郷のことをきちんと考えておられた。

 騒動を起こした5名は博麗の巫女に土下座をして謝罪するよう四季様が仰った。八雲氏はすぐさま土下座をしてみせたが残る4名は少し戸惑っている様子が伺えた。四季様がこの態度に対して一喝。5名全員が博麗の巫女に土下座をし謝罪したのであった。

久しぶりにとっても素敵な絵が撮れましたよ♪あの5人の土下座は見ていて爽快でした(笑

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