1/350スケール鉄の戦艦 命蓮寺展示
第二千十六季 皐月の十七
同月の29日。命蓮寺で暮らす聖輦船の船長、村紗水蜜さんが1/350スケールの戦艦という鉄の船を造り上げ、細部にわたって精巧に作り上げられたクオリティーがヒト・妖怪問わず話題となっている。ムラサさん曰く、「この聖☆駿河翔(せい☆するがのしょう)はただのちっこい戦艦じゃないわよ。砲台んとこのここ(←複数ある砲台のうち、1つの土台をパカッと開いた)を開くだろ?このスペースに木炭を入れて火を点けんだよ。そしたら砲台の先っぽからこの鉛玉を入れるだろ?そんでここの小さいレバーを船尾側へ向けて倒したら砲丸が撃てんだよ。しかも水面にもちゃんと浮かべんだぞ。おまけに聖輦船とおんなじ自動操縦!!スゴくない!?」と自画自賛。聖☆駿河翔を見物した方たちは、「おおきっかったぁ~」「噂で聞いてたよりもスゴい細かく作り込まれてて驚きました~」「まさか優秀なエンジニアがこんなとこにいたとはね。我々河童も負けてられないよ!!」と、いずれもムラサさんを賞賛した。
この聖☆駿河翔は全て鉄で作られており、主に白色と緑色と赤色の3色で塗装されている。全長105cm、幅16cm、高さ31cm、重量32kg。制作期間は5ヶ月と24日だそうだ。作ろうと思った経緯として、ムラサさんは暇だからと不満を露にして言った。ムラサさんが船長として乗っていた聖輦船はすっかり命蓮寺が板についてしまい、遊覧船として機能することがほとんど無くなってしまったため、気を紛らわすつもりで造り始めたのがきっかけだと語る。聖☆駿河翔を展示している命蓮寺の住職、聖白蓮住職は「命蓮寺へわざわざ足を運んで下さる参拝者が最近増えてきましたので、聖輦船に変形させて遊覧する時間がなくなっちゃったんです。ムラサちゃんには悪いんだけど、近いうちにまた空へ飛ばしましょうって言ってるんですが約束は果たせず仕舞いなんです」と、残念そうな面もちで答えた。
聖☆駿河翔を造ったムラサさんは次回、守矢神社の現人神から教わった『ボトルシップ』といわれるものを作りたいと宣言した。どういうものなのか教わったはいいものの、想像してみてもどんな行程で出来上がるものなのかまったくイメージが湧かないが、面白そうだったので挑戦してみるとのこと。聖☆駿河翔は命蓮寺の正面出入り口にて、来月の15日まで一般公開される予定。
聖輦船が飛ぶ時には聖☆駿河翔も一緒に投げ飛ばしてみましょう♪




