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文々。通信  作者: 妖じい
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紅魔館の門番語る ブラックガーデン

第二千十六季 皐月の十六

 同月の21日に紅魔館へ取材で訪れた際、悪魔という肩書きを背負った奴隷が休む間もなく働かされていた光景を目撃した出来事は記憶に新しい。そんな館の前を通っただけでも睨みをきかせてくるかのような悪魔のブラック企業へ再びわたしは訪ねた。今回は何の妖怪なのかいまいち分からない紅美鈴さんのある業務内容の密着取材を行う。アポをとってはいないがどうせ退屈していることだろう。館を守らなければならない門番は立ったまま寝ているのだから。門前で立たされていた美鈴さんを申し訳程度で起こし、取材の許可をもらった。

 定番である門番の仕事を取材しても面白味に欠けるので、今回は美鈴さんが任せられているもう一つのお仕事『庭のお花畑の管理』を取材することにした。あまり知られていないかもしれないが、美鈴さんは門番の他に花畑の管理も任せられているのだ。紅魔館の敷地は広いため花の数も膨大だ。花の1つ1つが特性も手入れの仕方も違うため、その花にあった水の量に加え、天候なども気にかけていると美鈴さんは説明。今では庭園に咲く花の名前と特徴も全て言えると豪語する始末。四季のフラワーマスターである"あの方"と意外に気が合うかもしれない。庭園に咲いている花は紅魔館の主であるレミリアさんが外出した際に、気に入った花を見つけてメイドに引っこ抜かせて庭園の花畑に植えさせたりしているそうだ。他には人間の里へ出かけて行ったメイドに対して、道ばたで拾ったお気に入りの花と同じ花がお店にあれば大量に購入するよう命令を出していたり、美鈴さんが門番の仕事をしている際には周りに綺麗なお花・変わったお花が咲いていないかしっかり見ておくよう申しつけられているとも語った。

 ただイタズラに表に立たされているだけの仕事をしているわけでは無いということが分かって頂けただろうか。ブラック紅魔館の主である吸血鬼は他人の苦労という名の生き血を吸って自分だけおいしい想いをするシステムなのだ。ちなみに美鈴さんがお花畑の管理をしている間、誰が門番の代わりをしているのか尋ねるも「…………まぁ…平和ですからねぇ……」と、はぐらかして答えた。立たされているという表現は存外に誤りともいえないだろう。

紅魔館を通りかかったらまた門番が寝ていたので菊の花で囲ってやりました☆

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