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序文
天に神の城在り。
大地に人の世在り。
地底に焔の地在り。
闇の底に黄泉の国在り。
黄泉の女王、光を求めて焔の地を征し、人の世を欲さんとす。
されど、世に英雄在り。
英雄は黄泉の兵を、焔の巨人を討ち倒し、魔の者どもを滅し人々を護り、世に太平をもたらさん。
しかし。
戦に死し、老いに追われたる英雄は、黄泉の走佝とならん。
黄泉の女王の尖兵となりし英雄達は、焔の巨人を伴い、魔の者を従え、世に破壊をもたらさんとす。
神々はこれを憂い、人の世に星の御力を纏いし十二の巫女と、その王を遣わさん。
二羽の白梟を従え、二頭の白狼を侍らせ、二匹の白蛇を操りし隻眼の王。
黒槍を携え、飛翔せし剣を振るい、王は巫女達と共に巨人達を討ち果たし、英雄達の魂を解き放ち、黄泉の門を封じん。
そして、人の世にふたたび平穏が戻らん。
なれども。
黄泉の女王、未だ人の世を諦めんとす。
黄泉の遣いが溢れ、人の世に破壊と絶望が満ちる時。
王と巫女、ふたたび顕れん。