入学式っ
これは、さかのぼること1週刊前の入学式のことである。
彩乃 儚は困惑していた。
入学式に向かったは良いものの、迷子になってしまったのである。
高校を卒業し、大人の仲間入りを果たそうと背伸びしてしまったが故の結果である。
「あぁ ここどこなの? 地図見てもわかんないし、女の子もいないし」
「近くまで来れば女の子がいっぱいいてわかりやすいと思ったのにぃ」
「たまたま見つけた可愛い女の子追いかけてたら迷っちゃったよぉ」
儚は今にも泣きだしそうな顔で人のいない道をとぼとぼと歩いていた。
すると、曲がり角から先ほど追いかけていた美少女が 表れた。
その少女は、金髪サイドテールでほんわかした空気が伝わってくるような表情をしている。
服装はスーツであるが、着慣れていない感が出ていて可愛らしさが垣間見えている。
儚はすがる気持ちで少女に話しかけた。
「すいませーんっ! そこの可愛い人ーっ! 道を教えてくださーい」
儚は慌てていたせいか、素なの科はわからないが本音を漏らしてしまっていた。
儚は少女の目の前に来ると、顔をほころばせながら話しかけた。
「私は、彩乃 儚といいます。 今日村雲学園に入学するんですが、道に迷ってしまって・・・ 道をご存知ですか?」
そんな儚に少女は、とろけそうな笑顔で返した。
「私は、夏目 葵っていいます。 私も村雲学園に入学するんですよぉ 良かったら一緒に行きませんか?」
「ぜひっ お願いします。 でも、こんな可愛い子と一緒に歩けるなら迷った甲斐がありましたよ」
儚の屈託のない笑顔に葵はひきつった笑顔を返した。
その日の入学式は何事もなく終了した。
儚のクラスは総勢30名のクラスである。
入学式終了後に、クラスに集合となった。
担任となる教員はまだ来てはいないため、教室はざわざわとしている。
儚はそんな教室の中にほんわかとした笑顔で話す葵を発見した。
葵はキリリとした顔立ちの黒髪単発の美少女と楽し気に会話をしている。
黒髪少女は中肉中背で胸もさほど大きいという印象は受けない。
だが、儚のセンサーは黒髪少女に感じる違和感を告げていた。
儚は違和感を感じながらも新たな美少女の魅力に吸い寄せられるようにふらふらと近づくのであった。