序章 出会いと目覚め
序章
普段は近所の子供が遊ぶだけの大きなグランドは、年に1度の祭りに沸いていた。
そんな祭りの一角に、笑顔溢れる場所ができていた。
そこではまだ若い女性がマッサージを行っていたのである。
助成のテクニックで笑顔になっているのか、女性のトークで笑顔になっているのかは分からないが、そこには笑顔が溢れていた。
彩乃 儚は泣き出しそうな顔でふらふらと彷徨っていた。
年に1度の祭りで嬉しくてはしゃいでいたところ。両親とはぐれてしまったのである。
そんな儚は笑顔の一角を見つけると、吸い込まれるように近づいていった。
そこでは、笑顔の女性がお客さんの方を楽しそうにマッサージしていたのである。
儚は不安なことも忘れて女性のその光景に見入っていた。
すると、マッサージが終わったのか女性から話しかけてきた。
「そこのかわいい・・・ じゃなかった お嬢ちゃんどうしたの? 迷子なの? それとも・・・」
「うん 迷子なの。 それでお姉ちゃん、それともってなぁに?」
女性はその少女の純真さに一瞬戦いたものの、晴れやかな笑顔で言い放った。
「気持ちよくなりにきたのかいっ!!」
周りの人間は女性のあまりの変貌に驚いていたものの、少女からの返答にまた驚くことになるのである。
「いいの?」
幼さとかわいらしさが同居する魅力的な笑顔で少女が返してきたので、冗談半分本気半分だった女性わわなわなと震え始めた。
(ダメだ・・・ 可愛すぎるぅ) (だが、この機会を逃せば一生後悔するっ!)
溢れる欲望を抑えつつ、女性は努めて優しそうな笑顔で答えた。
「お嬢ちゃんは可愛いからサービスでタダでマッサージしてあげるよ」
すると少女は、ぱぁと花が咲いたように笑顔になりぺこりと頭を下げた。
「ありがとうお姉ちゃん。 よろしくお願いします。」
その一動作一動作が愛くるしく、女性は感動にむせび泣きそうな心を抑えてマッサージを始めるのであった。
10分後
軽く頬を上気させてトロンとした少女の顔と、恍惚とした女性の顔がそこにはあった。
また、幼さから放たれる色香に女性ならず周りの人間さえも見とれていたのである。
「ありがとうお姉ちゃん。 すごく気持ちよかったよぉ。」
快楽と感動の入り混じった瞳で少女は女性を診ながらさらに問いかけた。
「どうしたらお姉ちゃんみたいに人を気持ちよくさせられるの?
女性は少女の期待に応えるべく告げるのであった。
それは「、可愛い女の子を愛でたいという気持ち・・・つまり、愛だよ。」
こうして、歪んだ知識を得て少女の夢と野望は育っていくのであった。