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ファンタジーに未来兵器を  作者: インゼリ
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第五話

またしても短め(ノ∀`)



ひとまず、受けてる仕事は全て完遂した高志であった。

無事に村長の家に戻ってくると、イザークとサリーが出迎えてくれた。


「おかえりなさい。」

サリーが笑顔で出迎えてくれる。


「ただいまー。なんとか、片付きました。これでもう、畑も荒らされることはないと思います。」

(・・・ああ、この笑顔のために頑張った気がする。)


「おお、本当にワイバーンを退治するとは、一体何者なのですか?」

実のところ、イザークはあまりアテにしていなかったのだ。

高志の返事があるまでは、無事に帰ってこれただけでも幸運だと思っていたくらいだ。


「いやいや、たいしたことではないです。それよりも、あとでダンさんがワイバーンの肉を切り分けて持ってきてくれるはずなので、それを使って夕飯を作りたいと思いますが、台所の方をお借りしてもよろしいですか?」

(・・・ああ、そういや、昼飯食い損ねたなぁ。まぁいっか)


「おお、そうですか。しかし夕食の時間まではまだ大分時間がありますぞ?」


「ちょっと時間の掛かる料理を作るつもりなので、早めに始めたいのです。」

さっそく、ワイバーンカレーを作る気でいた。

どんな肉かは分からないが、カレーに入れてしまえば臭みも感じないだろうし、硬ければ煮込めばいいだろうという考えだった。


「おお、それは楽しみですな。では、よろしくお願いします。台所にあるものは自由に使って頂いて構いませんので。」


「ありがとうございます。では、早速取り掛からせて頂きます。」

そして台所へ向かう高志であった。





(・・・さて、まずは玉葱を炒めるか。玉葱が入ってないカレーはカレーじゃない!)

そして保存壷の中を探してみたがみつからなかった。


「うーん」

と唸っていると、サリーがやってきた。


「どうされました?」


「あ、玉葱がないかなぁと思いまして・・・。」


「日持ちするものは食糧庫の方にあります。よろしければご案内しますよ。」


「是非お願いします。」

(・・・そういや、玉葱はちゃんとしておけば数ヶ月はもつから、保存壷なんていらないか)



こうして無事に玉葱と、その他食材を手に入れた高志は、再び台所で調理していた。

あらかたの食材は切って炒めるところまで終わっている。

と、そこへ再びサリーがやってきた。


「タカシさん、ダンさんがいらして、お肉を持ってきてくれましたよ。」

大きい何かの葉で包まれた肉が登場した。

どうやらかなりの量があるようだった。


「おー、随分たくさんもって来てくれたんですね。これなら3人分どころじゃなくて、50人分くらいありそうだなぁ。」

(・・・残った分は保存壷にでもいれておくか、それとも、折角だから村の人達にお裾分けするか。)


「全部食べるのに何日掛かるかわかりませんね。うちの保存の壷では、生肉はそんなに日持ちできないでしょうし・・・。でも、私はワイバーンの肉なんて食べたところないので楽しみです。」

保存の魔法も永久に物を保存出来る訳ではない。あくまで劣化を遅らせるだけの効果だ。また、全ての魔具は、作った人の能力に左右され、値段もピンキリなのだとか。


「やっぱり、ワイバーンの肉って珍しいんですよね?それなら、今から作る料理を村の方々にもお裾分けしたいと思うのですが、いいでしょうか?」

当然、それだけ作るということは、その他の食材も消費が増える。

白米はまだ食糧空間に在庫がかなりあったので問題なさそうだったが、野菜はさすがに高志のものではないので、サリーなり、イザークに聞かないとまずいだろう。


「いい考えですね!みんなもきっと喜ぶと思います。あ、倉庫からまた野菜をもってきますね。」

と、サリーも乗り気だった。


(・・・大勢くるなら、カレーだけだと辛いのが苦手な人もいるだろうし、シチューも一緒に作って、好みで選んでもらうか。具も同じでいいし、カレールウを入れるか、ホワイトソースを入れるかの違いだけだし。出来ればホワイトソースも手作りしたいけど、大人数の分をつくるのはさすがにしんどいから出来合いのものを使ってしまおう)

と、カレーとシチューを作ることにした。


その後、イザークにも伝えたところ、二人が料理をしている間に村人達を夕食に招待しに行ってくれることになった。


さすがに50人分の料理を高志一人では大変だろうということで、サリーも手伝ってくれることになった。


一通り出来たところで、一応味見をしてみると、ワイバーンの肉というのは鶏肉に近かった。これなら村人に振舞っても大丈夫だろうと安心した。




~~~~そして夕食~~~~


村長の家には、大勢が集まれる広い部屋がある。

木製のテーブルと椅子が用意されおり、50人くらいまでであればなんとかなるだろうという規模だ。

普段は村の会議や行事を行う場合はそここに集まる風習があり、今はそこに村人が集まっていた。

この村全体で100人近い村人がいるが、今回集まったのは40人ほどであった。



そのなかで一人立ち上がり挨拶をする高志。


「えー、皆様、はじめまして。私は旅芸人をしている高志と申します。今日は、珍しい食材が手に入ったので、それをつかって私の故郷の料理を味わって頂こうと思い、集まって頂きました。」

(・・・あ、カレーもシチューも日本発祥ではないよなぁ。まぁいっか。)


「ちょっと特殊かもしれませんので、最初に説明させて頂きます。まずお皿にご飯をよそってから、そちらの鍋にあるものをご飯の上にかけください。鍋は2つありますが、こちらの鍋には辛い味付けとなっており、そちらの鍋は甘い味付けとなっていますので、お好みの方をかけてください。それでは、そちらの方から順番によそっていってください。」


そして村人達が順番にご飯と、カレーなりシチューをよそっていった。

中にはご飯に液体のようなものを掛けるのに複雑な表情をする者や、白米のご飯を不審に思う者もいた。

村人達がそうしている間、サリーともう一人の若い女の子が飲み物を配っていた。


そして全員が食べる準備ができたところで、イザークが改めて挨拶をした。


「それでは、そろそろ皆行き渡ったところで、遠い異国からの旅人に感謝を込めて、頂きましょう。」


そして食べ始める村人達。


「うまい!!!!」

「辛いけど、凄くおいしい!」

「こんなに濃厚な食べ物は初めてだ!」

「こんなにおいしいご飯は食べたことが無い!」


と、かなり好評であった。

中には、カレーとシチューの両方を食べようと半分ずつわけあってる者もいた。

カレーとシチューもそうだが、白米のご飯も好評だった。

大人の男達はすぐに平らげ、おかわりをする人が続出した。

結果、あっというまにカレーもシチューもなくなってしまった。


そのまま一部の村人達は雑談へと移行し、一部はそのまま酒場に繰り出しにいった。


(・・・よかった、なんとか受けれられたようだ。)



その後、高志も一部の村人達と雑談をし、色々と情報を集めた。

残念ながら、あまり目ぼしい情報はなかった。むしろ料理の作り方を教えてくれと言われることが多かった。シチューのレシピくらいは教えられるが、カレーのレシピは無理だった。そもそもどんな香辛料が必要で、それらがこの世界にあるのかわからない。

この世界オリジナルのカレーを作るなら相応の労力が必要になるだろう。


なんとか、夕食会(?)も終わり、後片付けをする高志とサリー。

村の井戸に来ており、鍋や食器を洗っている。

夜でもサリーが魔法で明りを出せるので、さほど不便はなかった。


「しかし、洗い物をするのに井戸までくるのは大変じゃないですか?」

(・・・水道という概念自体があるのだろうか?)


「そうですね。でも、仕方が無いです。お城とかにいけば、魔法で水を生み出しているみたいですが、そんな魔法が使えるのは極一部の魔法使いでしょうし。」


「水道とかはないのでしょうか?」


「スイドウ、ですか?」

なんのことだろう?といった顔になるサリー。


「えーっと、要は水を街中に流れるようにして、簡単に水が使えるようにするんです。まさしく、水の道ですね。」


「でも、みんなの家にまで水が流れていたら、あたりが水浸しになってしまう気がするのですが・・・。」


「それは、筒に水を通すようにすればいいんです。かなり大量の物資と労力が必要になりますが。」


「なかなか大変そうですね。でも水は高いところから、低いところにしか流れないですよね?全部の家に行き渡るようにするのは大変だと思いますけど、大丈夫なのでしょうか?」


「それは・・・そうですね・・・。私の国では水を低いところから高いところに流す仕組みがあるんですが、私一人でそれを作るのは無理ですね・・・。」

(・・・うーん、水道は是非とも欲しいところだけど、非現実的だなぁ。一応、電動のポンプが登録アイテムとしてあるけど、それを使うにしても水源近くにおいて放置するのはまずいだろう。この世界にモーターや長期間つかえる動力があるわけでもないし。いや、待てよ・・・。この世界にある動力?もしもヒーロー・テールと同じなら動力として使えるものがあるんじゃないだろうか?でも、実現するにはここじゃ無理だろうな。もっと大きい街にいかないと。)

と、そんな感じで考え込む高志だった。


「でも、高志さんの国は凄いですね。そんなことまで出来るなんて。私もいつか行ってみたいです。」

と、ちょっと寂しげな顔をするサリー。


「まぁ、大したところじゃないですけどね。それよりも、この近くで大きな街ってどこでしょうか?」


「大きな街ですか、やっぱり王都グリゴールになるかと思います。お城もありますし、色々な施設もあると聞いてます。」


「なるほど。ここからはどうやっていくんでしょうか?」


「週に一度、商いの為に商人が行き来していますので、用があるときはその商人の方と一緒にいくのが普通ですね。物によっては商人の方が買い取ってくれない場合や、売っていないものがあるので。私は行ったことはないですけれど、ダンさんは干し肉や毛皮などを売りに行ってるようです。」


「次に商人の方がくるのはいつでしょうか?」

(・・・定期便の馬車とかはないのか。まぁ、この村も小さいしなぁ。)


「たぶん、明日か、明後日にはくるかと思います。片道は馬車で2~3日ほどです。いつも一泊してから戻るので、出発するのはその翌日になると思いますよ。」


「なるほど。」

(・・・それじゃ、王都とやらにいってみるか。飛んでいくのもいいかもしれないけど、折角だから馬車でいくかなぁ)




こうして異世界生活2日目が過ぎてゆくのであった。





次回はちょっと長めになるかもしれません(´・∀・`)


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