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ファンタジーに未来兵器を  作者: インゼリ
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第十八話

いよいよダンジョン突入です(´・∀・`)

ダンジョンに向かうことになった高志達。

王都グリゴールから徒歩で1日くらいの距離のところにあるらしく、朝一で出発した。


高志は、出発時に馬を買っていこうとしたが、馬の値段を聞いて断念した。


「まぁ、馬があれば早いだろうけど、ダンジョンに潜ってる間に馬泥棒に合わないとも限らないから、近場だし歩いていこう。」


と、シェリアに言われて、歩いていくことになった。

(・・・まぁ、この世界じゃ、馬は車みたいなもんだろうし、高いのは仕方ないか。レンタカーならぬレンタホースとかないのかな。ああ、でも、あっても持ち逃げされそうで商売にならないか。)

仕方なく、歩いてダンジョンに向かっていた。



日も落ち始め、あたりが夕焼けに染まる頃、シェリアが一声かけた。

「このままいけば夜には着くと思うけど、途中で野宿したほうがいいかもね。疲れた状態でダンジョンに入るのは危険だから。あの辺りに丁度良い場所があるから、そこで野宿するといいだろう。」

反対する者もなく、途中で野宿することになった。

そこは、何度も野宿した形跡があり、森の中で一部開けたような状態の場所で、近くには川もあり、絶好のキャンプ地のようだった。

恐らく、タクラマ洞窟に向かう冒険者の定番の地となっているのだろう。


早速、4人は野宿の準備を始めた。

高志とミンクは(まき)代わりにするための、枯れ木の枝を拾いに行き、サリーとシェリアは夕飯の準備と寝床の準備を担当した。


高志が枯れ木を拾っていると、何やらガサガサと動く気配があった。

(・・・なんだろう。魔物かな?)

取りあえず、生体レーダーを使い、周囲を検索すると、大きな生き物が近くにいることがわかった。


「ミンクさん、近くに何かいるみたいです。一旦、戻りましょう。」


「わかったのだ。」


そういって、二人がキャンプ地に戻ろうとしたところ、茂みの中から突然襲いかかるものがいた。

それは黒い大きな熊だった。

立ち上がると2メール以上はあろうかという体格だった。

高志は素早く応戦しようとしたが、それよりも早く、ミンクはその熊と対峙した。

熊が吼えながらミンクをなぎ払おうとする、しかし、ミンクはそれを避けて、熊の懐に飛び込み拳の一撃を加える。

どうみても、その体格差から効果はなさそうに思えたが、熊はその一撃で悶絶した。

そして、ミンクは止めを刺すべく更に蹴りの一撃を熊の頭に加えた。


(・・・まさか、あの体格で熊を素手で倒すとか。ありえん・・・。)


「折角だから熊鍋にでもするのだ。」

ミンクは笑顔でそう言うのだった。


結局、その熊の死体はミンクが引きずりながらキャンプ地に運んだ。

戻ったときにサリーは驚いていたが、シェリアは別段驚いた様子はなかった。


「まさか、素手で熊を倒せる人がいるなんて・・・、」


「簡単なのだ。えいってやって、おりゃーってやれば誰でもできるのだ。」

と、ミンクはパンチとキックを披露する。


「まぁ、ミンちゃんは熊並みに力があるからね。昔はよく、ミンクマーって呼ばれてたよ。」


「そんなこと言うのはシェリちゃだけなのだ!」

効果音を付けるなら、プンプン!と付けるのが相応しい仕草で怒るミンク。


「そうだっけ?」

シェリアは不思議そうに首を傾げる。


どうでもいい補足だが、これを機会に高志は心のなかで『みんくまー』と呼ぶことになる。

そんなやり取りがあったが、その後は何事もなく無事に次の日になった。

ちなみに寝ている間はシェリアが風の精霊と、水の精霊を召喚し、見張りをさせていたので、寝不足になることはなかった。


次の日、朝食を済ませた4人は早速、ダンジョンに向かうことにした。

ダンジョンの入り口は、キャンプ地から、歩いて1時間程の場所にあった。


「まぁ、なんというか、いかにも洞窟って感じですね。」

高志がそう言うのも無理はない。山の麓にある大きな洞窟で、入り口の周りには大きな岩がゴロゴロしており、入り口自体は、高さも横幅も5メートル以上はあるだろうといった感じだった。


「このタクラマ洞窟には、他にも入り口はあるが、ここから入るのが主流だ。ここが一番入りやすいってのもあるけど、ここからなら、最深部、といっても私が知っている限りでは、だが、そこまでずっと広い道になっているから、多人数でも行きやすいってのが理由かな。逆に一人のときは、それが短所になるが。」


「なるほど。まぁ、取りあえず行ってみましょうか。」

一様にみな頷いた。

そして、シェリアは光の精霊を召喚し、それを灯りとした。


「光の精霊かぁ、便利ですね。松明とかいらないし。今度、契約できるか試してみようかな。」

(・・・懐中電灯とか、赤外線スコープも必要ないしな。)


「光の精霊は割と契約しやすい部類だから、出来るかもしれないね。まぁ、こうして使う以外にはあまり使い道はないが。」


そんな話をしながら進んでいくと、途中で分かれ道があった。

今までと同じ広さが広がる道と、かなり狭い道があり、狭い方は横に二人並んで歩くのもきつそうだ。


「これは、広い道をそのまま行けばいいのかな?」


「最深部を目指すならそうだろうね。前にきたのはもう大分昔のことだから、今の最深部がどうなっているのかは分からないけどね。」


「取りあえず、いけるところまで行くのだ。」

ミンクは気楽そうだ。それに対してサリーは終始不安な表情であたりを見回している。


「出来れば、広いほうがいいような気がしますね。狭いと逃げるときが大変そうですし。常に広い道だけ通っていけば、逃げるときも迷わなくて済むと思います。」

サリーは逃げることを前提として考えているようだ。


「大物がでるなら、広い道だから、広い方が良いに決まってるのだ。」

ミンクもサリーに賛同した。理由の方向性は正反対だが。


「じゃあ、このまま広い道を通っていきましょう。」


4人は再び歩き出した。

広い方の道は、段々と下り坂になっていた。

その後も分かれ道は幾度か見つかったが、常に広い道を通ることにした。


しばらくいくと、シェリアが声を出した。

「シッ、近くに何かいるみたい。」


「どーせなら食べれるやつが出て欲しいのだ。」

ミンクはあくまでも気楽そうだった。


「じゃあ、オレが先にいってみてきます。ミンクさんは念のため二人の護衛をお願いします。」

高志はそう言うと、一人で先に進んだ。


「あ、ズルいのだ!」

と、ミンクはいったが時既に遅し。高志が一人で先に進んでしまった。


「むぅ、やっぱりよく見えないけど、何かいるっぽいなぁ。」

そう言うと、高志は小型の照明弾を召喚し、前方へ向けて発射した。


すると照明弾は洞窟の壁に当たったが、辺りを強烈に照らし出す。

そこには、慌てて目を覆い隠す生き物達が10匹近くいた。


「そいつらは、コボルトだ。夜目が利くダンジョンの魔物だ。怯んでいる今のうちに片をつけよう。」

シェリアが叫ぶ。


「任せるのだ!」

ミンクも大きな剣を鞘から抜き、走りながらコボルトに向かう。

高志も剣を抜き、コボルトに向かっていった。

幸い、コボルト達は先ほどの照明弾のすぐ近くに居た為、目をやられたらしく、ほとんど戦闘態勢になっていない。

若干心が痛んだが、やるしかないので躊躇なく斬りかかる。

最初の一匹目はその一撃で致命傷を負わせた。止めをさそうとすると、別のもう一匹が照明弾の影響から立ち直り襲い掛かってくる。

高志はそれを無視して、最初の一匹に止めをさした。代わりにコボルトからの攻撃は喰らってしまうが、そこはエネルギーフィールドによって防がれた。

丁度そのとき、ミンクが辿り着いて、別のコボルト達と交戦状態になった。


高志がシェリアとサリーのいるほうをみると、シェリアは支援魔法か何をミンクに付加しており、サリーは何か呪文をとなえていた。

一応、コボルトと、サリー達がいる場所の間にミンクが立ちふさがるような形でいるため、直接サリー達が攻撃を受けることはなさそうにみえた。

流石にそのあたりはミンクも慣れているのだろう。

また、ミンクの戦闘力は圧倒的で、数で勝っているはずのコボルトが怯んでいるのが分かるほどだった。


それに対して高志は2匹目のコボルトに苦戦していた。

元々、足場が悪いことと、コボルトが盾を巧みにつかっていたこともあり、なかなか攻撃を当てられない。

高志が攻撃を喰らうことはあっても、エネルギーフィールドがあるので、ダメージは受けないが明らかに押されている。


(・・・ぐ、剣の腕はド素人だからなぁ。エネルギーフィールドがあるから捨て身で攻撃出来るけど、ことごとく盾で防がれちゃうな。今度は剣技の練習をしておこう。)


なかなか攻撃が当てられないで苦戦していると、突如目の前のコボルトが燃えた。

どうやら、サリーが火の魔法で援護射撃をしてくれたようだ。

高志はその機会を逃さず、コボルトに斬りかかり、止めを刺した。

その後、ミンクに加勢し、残りのコボルト達を一掃した。



「ふぅ、なんとかなりましたね。しかし、なんと言うか一気に血生臭くなりましたね。」

高志がそう言った通り、辺りは血の匂いが充満していた。


「まぁ、そのうち綺麗サッパリなくなるよ。先に進もう。」

と、シェリアはあっけらからんと言い放つ。


「このまま放置したら、腐ったりして大変じゃないですか?」

サリーは顔を(しか)めながら言った。


「ダンジョンワームが綺麗に掃除しといてくれるのだ。」

ミンクもさして気にしていないように言う。


「ダンジョンワーム?」

高志とサリーは首を傾げる。


「ダンジョンワームを知らないのか。まぁ、ダンジョンが初めてなら仕方ないか。ダンジョンの主ともいえる存在だよ。土ごと死体とかを食べて、養分を吸い取って土や装備品は糞として出していくんだ。」


「へぁ、便利な魔物ですね。」

高志とサリーは感心する。


「ダンジョンワームには手を出すな。これが冒険者の鉄則なのだ。ダンジョンワームが通ったあとに道ができたりもするのだ。」


「そもそもダンジョンワームを攻撃すると、暴れて洞窟が崩れかねないからね。基本的に生きてるものに対しては襲ってきたりしないし、見かけても放置するのが鉄則だ。」

と、シェリアが補足する。


「なるほど、じゃあ、ダンジョンワームがいれば、ダンジョンは常に広がっているいくんですね。」


「まぁ、そうなるね。運がよければ道が出来た先に魔昌石の鉱脈や、宝石類の鉱脈があるかもしれない。そういう意味でも、ダンジョンワームは生かしておいた方がいいんだよ。」


「そもそもダンジョンワームなんて、おいしくなさそうなのだ。」


最後のミンクの補足はイマイチ分からないが、取りあえず納得した高志とサリーだった。



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