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氷河期をどう生き延びたのか

作者: 小雨川蛙
掲載日:2026/02/24

 歴史を読み解くと決して理解出来ない期間というものが存在するものだ。


「博士。この時代、生き物はどうやって生きていたのでしょうか?」

「それが分からぬのだ」


 この時代で最も知識の深い博士も乾いた笑い声をあげた。


「とんでもない氷河期が訪れて食べるものが何もない時代だったはずです」

「その通りだ。少なくとも分かっている情報をまとめた限りでは全ての命が餓死するほどの環境だったはずなのだ」

「しかし、生き物は死に絶えたりせずに生き延びました」

「あぁ。その通りだ」

「一体、何があったのでしょうか?」

「さあな。だが、有力な説が一つある」

「有力な説?」


 博士は頷いて咳ばらいをした。


「突如、空からたくさんの食材が降ってきたという説だ」

「……真面目に聞いて損をしました」


 博士は笑う。


「そうでもしなければ説明がつかないだろう?」

「つまり、一生分からないということですね」

「その通りだ」



 *



 遥か未来。

 大型のタイムマシンに乗った人々がとある時代へ移動していた。


「お母さん。私達の向かう先は本当に戦争がないの?」

「ええ。本当に何にもないの。もちろん、戦争もね」


 人々は戦火から逃れてきたのだ。

 最早、自分たちの時代には安全な場所はないと知り、別の時代へと逃げることになったのだ。


「ただ、とても寒い場所だからタイムマシンから決して降りちゃいけないの」

「そっか。退屈だね」

「そうね。けれど、少なくとも命の危機はないわ」




 タイムマシンの誤作動により人々が全滅するまであと2時間半――。

 氷河期を懸命に生きる生き物たちが予期せぬ『肉』を手に入れるまであと2時間29分12秒――。

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