表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

書けない夜

今回は家での場面です。

外で会う時間と、書いている時間が少しだけ繋がります。

夜、机に向かう。


 ペンを持つが、進まない。


 ホームでの会話を思い出す。


 たいしたことは話していない。

 覚えている必要もないはずなのに、細部だけが残る。


 寒いと言った声。

 二駅分の沈黙。


「……なんなんだろ」


 特別仲がいいわけじゃない。

 約束もない。

 連絡先も知らない。


 なのに、物語を書くときだけ、なぜか浮かぶ。


 ノートを開く。


 主人公が駅に立っている場面を書く。


 誰かを待っているわけでもないのに、帰らない。


 その理由を書こうとして、止まる。


 分からない。


 自分でも分からない感情を、登場人物に与えられない。


 ページの最後に、空白が残る。


 最後の一文を書く場所。


 書けないまま閉じた。


 窓の外を電車が通り過ぎる音がする。


 明日も、たぶん会う。


 だから今日は書かなくていいと思った。


 ――まだ続く関係だと、思っていたから。


書けない理由が、まだ本人にも分かっていない段階です。

物語は進んでいないのに、何かだけが残っていく回でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ