29.オロル島
読んで頂きありがとうございます。
この章から読まれた方は、是非【ユキア・サガ 航海① ネフシュタンの魔片 第一巻 第1章】から読んで頂けますと、幸甚です。
アヴィス群島は、パークスの国土パトレア島より小さな島ばかりだ。
が、緑豊かで自然に恵まれている為、獣人族、木人賊、鳥人族といった亜人族が暮らしている。
ヒト族の姿は交易商人以外はほとんど見当たらない。
が、今はアシオー島にウルスス刑務所や神聖ロムルス皇国海軍兵が、滞留している。
貴重で高価な白蛍光岩を採掘していて、様々な海の幸、珍しい果物と共に主な交易品となっていた。
ノードゥス号は順調に航海を続け、出港した翌日の午後。
遂に目指すオロル島の姿が小さな点となって現れる。
船首楼甲板からオレは叫んだ。
「オロル島が見えたーっ!」
オレは、よし島をよく見ようと考え、腰の道具入れから、キラのオレへの誕生日プレゼントの望遠鏡を取り出す。
改めて望遠鏡を手にしたオレは、それの巻きつけられた紋様が、文字だと気付く。
それは、聖術を操る時に出現させたリベルで見た、神聖文字だった。
オレが、どうしてこれに神聖文字が……と推量していると、
「ユキア様ーっ!」
島が見えたという叫び声を耳にしたザザが、レイ、ロック、キラと一緒にやってきた。
チュチュは俺の左肩から飛翔し、嬉しそうに尻尾を振り、ふわふわと翼を上下させている。
「キラさんから入手した善き情報があるでござるっ!」
ザザは高らかに歓声を上げた。
「オロル島のフルッタのトルタは絶品らしいでござるっ! 今夜泊まる宿は、島一番のフルッタのトルタを食べさせてくれるでござる!」
「な、何ですとぉーっ!」オレの緋隻眼は誰が見ても、愉悦のいろが宿ったことに気付いているだろう。
とその時一行をすっぽりと大な影が覆う。
見上げると、人を乗せて空を賭ける幻獣の姿があった。
頭部から前肢と両翼は、純白の巨大な鷲の姿で、胴体から後肢と尻尾は、大欣に耀く獅子の姿をしている。
レイは驚喜を超えに乗せて「あれは獅子鷲ではあるまいか?」
「そうよ、レイ」きらはその花顔を咲かせ、誇らしげに「神が特別な祝福を与えた聖獣と呼ばれる、グリュープスね。
グリュープスは、美しい鉱石が存在する地にすむことから、幻玉の守護者ともいわれている。
あの背に乗ってるのは、私の仲間でナーヌス族のトバルよ。
彼は青銅は勿論のこと、あらゆる光瀬駅、あらゆる牧西、あらゆる材料から様々なものを造り出す。
だから彼等は相性のいい関係なの」
グリュープスはオロル島へと一直線に向かい、瞬く間に遠ざかりその姿は小さくなった。
きらは「それとグリュープスは、トバルみたいに鉱石や樹木の知識が豊富で、それらから他種多様なものを造り出すことが得意な、ナーヌス族の守護獣よ」情報を加えた。
「あー、それでかー、ナーヌス山の扉にグリュープスのが彫られていたのは」
オレは各勅あるグリュープスの彫刻を鮮明に思い出す。
「そういうことなら」ロックが自問する。「グリュープスの背に乗ることを赦されているのは、ナーヌス族なのか?」
オレはその通りと思いつつも、眼前のオロル島がフルッタのトルタに見えてしまう。
■第29章まだ続きます。
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長い物語ですが、様々な要素で楽しんで頂けるよう努力してます。
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