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謀反

ペンタグラフ管制室――

洋上に浮かぶアーガスノルン第5研究開発部専用艦ペンタグラフの大規模管制室では、オペレーターたちが慌ただしくモニターを確認し、キーボードを叩き、システム画面に張り付いていた。空気には緊張と興奮が入り混じり、誰もが一瞬たりとも手を止められない状態だった。


そのとき、重厚な足音と共にマックス・ヴィルヘルムが現れる。

「諸君!仕事の時間だ。今回は、全世界のマナシステムを停止する」


その言葉に管制室がどよめく。

マックスは愉快そうに続ける。

「これは、もう明らかに会社に対する背任行為だ! 本社ノルンシステムにハッキングすれば、今度こそ、この船艦の位置は特定され、本社による粛正対象になるだろう! 地球の周回軌道上にある戦略衛星レーザー兵器アマテラスにより、我々は跡形もなく消えてなくなるだろう!」


だが次の瞬間、声のトーンを変え、真面目な口調になる。

「だからこそ、ここで降りたい者は無理には止めん。自分で決めてくれ」


数秒の沈黙のあと、オペレーターたちは口々に叫んだ。

「そんな面白そうな事やるのに、ここで降りるわけないじゃないですか!」

「上層部のふんぞり返ってる連中に目にもの見せてやる!」


マックスは満足そうに微笑むと、管制室に響く声で宣言した。

「では仕事に取り掛かろう! 使う回線は、以前使ったバックドアはもう無理だから、別の回線を使おう。皆、頼むぞ!」


オペレーターたちは一斉に作業を開始する。


「アクセスキー入手完了しました」

「システムダウン確認」

「承認コード入力」

「システム再起動確認。偽造コマンド実行」

「プロセス進捗率90%、95%、99%、100%完了しました」


マックスは小さく呟く。

「あとは頼んだよ、実験体の諸君」


だが、裏ではノルンシステムの自動防衛機能が作動していた。


――ノルンシステムへの攻撃を確認。パターン解析を開始

――解析完了。マナ波形の照合、完了。ID識別、完了

――対象、アーガスノルン社第5研究開発部専用艦ペンタグラフ(以下、第5研)

――マナ波形の拡散挙動から位置を逆算、進捗率95%、100%完了しました

――これまでのシステムに対する敵対的アクセスをログから抽出、27件確認


同時に、自動議会システムが稼働する。


――案件名:第5研のアーガスノルン社に対する敵対的行動に対する処遇について

――レベル8幹部の220全思考ユニットを用いた推論演算、完了。投票開始、全会一致で対象機関の全権限永久凍結、全施設機能停止、全職員解任、および反乱因子一掃を決定


同時に、戦略衛星レーザー兵器アマテラスが起動される。

管制室のモニターに、宇宙空間の衛星内での動作が表示される。


――戦略衛星レーザー兵器アマテラス、起動開始。エネルギー充填開始、衝撃吸収用魔導障壁バリア展開。充填率26%。エネルギー完了まであと4分50秒


重低音が衛星内に響き、円筒状の衛星の内壁に設置されたエネルギー充填ユニットが次々と作動していく。

壁の奥へ1つ1つ挿入されるユニットが、目に見えぬ速さで完了するたび、緊張感が増していった。


――エネルギー充填率100%、臨界状態達成。ターゲットEN235にロックオン、カウントダウン開始、10秒前……3、2、1、発射


瞬間、地上に向けて眩い光の柱が落下する。

地上では爆発が広がり、周囲の空間を震わせた。


本社管制室のオペレーターたちは、息を詰めてモニターを見つめる。

「……あいつらも、終わりだな」

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