第45話:愛の特権と七人の共同生活(エピローグ)
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1. 司令塔の戦果報告とミストの終焉
最終決戦から一夜が明け、セーフハウス「メゾン・ド・バレット」の地下司令室には、静かで厳粛な空気が流れていた。庭園の激戦の痕跡は、M.A.の特殊チームによって完璧に消し去られ、何事もなかったかのように秋の柔らかな日差しが差し込んでいる。
ルナは銀色のモノクルを光らせ、メインモニターに映し出されたエレノア・グローバー総帥に、冷静沈着な声で戦果を報告した。
「総帥。志藤悠真様の抑止力は、愛の臨界点をもって最終進化を遂げました」
ルナは、メイの完全復帰と、七人のメイドの感情の進化をエレノアに伝える。
「巨大魔人、そして竜人はテイムされ、ジーナ、ゾルゲ、ドクター・ヴァイスの主要幹部は全て拘束。ミスト日本支部の武力中核は、マヤの裏切りと内戦により完全に壊滅しました」
シックなスーツ姿のエレノアは、優雅に微笑んだ。その瞳の奥には、安堵と満足の色が浮かんでいる。
「ご苦労様、ルナ。あなたの孤独な使命と理性の愛が、M.A.に勝利をもたらした。これで、ミストの政治的・武力的脅威は完全に終焉を迎えたわ」
エレノアは、冷徹な戦略家としての最終指示を下す。
「ゾルゲとドクター・ヴァイスの技術は、M.A.本部へと回収。彼らは技術開発部門に幽閉され、特殊技術をM.A.に提供させます。この世の全ての力は、悠真様という抑止力を護るために利用される」
ルナは、敵の技術すらも利用するというエレノアの非情な決断を受け入れた。
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2. 理性の進化:任務から愛への変貌
リビングには、理知的なメイドであるララとアベルが、悠真の淹れたコーヒーを静かに啜っていた。彼らの体躯を護る特殊合金は、戦闘の激しさを物語るように、微かな傷が残っている。
ソフィアが、グラマラスな体躯を揺らし、リビングの隅から二人のやり取りをほほえましく見守っている。
「アベル隊員。治癒の効率性を考慮すれば、コーヒーは非効率な摂取物です」
ララは、無表情ながらも理知的な言葉で、アベルを諭した。
「ララ隊員。承知しています。しかし、志藤様が淹れたこのコーヒーは、任務の疲労を回復させる精神的安定のデータとして優位です」
アベルは、銀色の短髪を微かに揺らし、以前の理知的な忠誠心とは違う、人間的な温かさを滲ませた。
「ま、まぁ、それは……わかるんですけどね」
ララは、アベルの返答に小声でそう呟いた。
「ん? 何か言ったか?」
アベルが、理性的な疑問をもって問い返す。
「な、何でもないです。デ、データの更新に集中します」
ララは、顔をわずかに紅潮させ、理性の仮面を慌てて被り直した。そして、そそくさとキッチンに戻っていった。
彼らは、悠真の優しさに触れ、感情が進化したメイドたちだった。ゾルゲの言葉を打ち破り、もはや任務ではなく「愛」が行動原理となったことを自覚したのだ。
「志藤様の優しさは、非効率を上回る。わたくしの理知的な愛も、任務を超えて、あなたへの独占欲を共有します」
ララは、コーヒーカップを両手で包み込み、静かに、愛を表明した。
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3. 小悪魔の告白と監視カメラの影
シェンは、エレノア総帥の指令により、技術者としてM.A.本部の監視下に置かれていた。彼女のハッキング能力は、M.A.の技術へと変換される。
悠真は、自室でテイムした竜人の制御を静かに行っていた。竜人は、悠真の支配力に服従し、小型のトカゲのような姿で悠真の肩に留まっている。
その時、自室の監視カメラが微かに光った。
シェンは、M.A.本部の監視システムを利用し、悠真の自室へとハッキングを仕掛けていた。
「お兄ちゃん……」
監視カメラ越しに、シェンの涙に濡れた、天真爛漫な小悪魔の笑顔が映し出された。
「シェンは、負けちゃいました。愛のデータも、技術の優位性も、全て……」
シェンは、涙を拭い、悠真に最後の、そして最も純粋な、愛の告白を試みる。
「でも、お兄ちゃんへの愛は本物よ。シェンの独占欲も、みんなに負けてない」
シェンは、監視カメラ越しに、悠真に囁いた。
「いつか、また、お兄ちゃんのそばに行きたい。その時まで、シェンは技術者として、お兄ちゃんを護るための最高のデータを作り続けます」
悠真は、監視カメラに向かって、静かに、優しく頷いた。
シェンの孤独な愛は、監視カメラ越しの告白という形で、悠真に届いたのだ。
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4. アリスの涙と真の愛の告白
メゾン・ド・バレットの庭。秋の柔らかな日差しが差し込む中、志藤悠真は、アリスと二人きりで座っていた。
アリスは、双剣での特訓と愛の暴走を経て、真の愛に目覚めた。しかし、彼女の瞳には、悲しみと不安が宿っている。
「悠真くん……。私は、ずっと『公認の恋人役』という嘘の肩書きに甘えていた」
アリスは、堰を切ったように涙を流した。
「私の情熱的な愛は、任務でも、フェロモンの影響でもなかった。でも、私は恋人役という嘘の肩書きを振りかざすことでしか、悠真くんの隣にいることができなかった」
「ごめん、アリス。俺が、お前にちゃんと『好きだ』って気持ちを言わなかったから……お前に嘘をつかせていた」
悠真は、真剣な眼差しで、アリスの両手をそっと握った。
「任務なんかじゃなくて……。私は、悠真くんの本物の恋人になりたかった」
アリスは、震える声で本音を吐露する。
「好きだ、アリス。好きだ! 愛してる!」
悠真の情熱的な愛の言葉が、アリスの心の駆動系に直接響く。
「悠真くん……大好き! 私も、ずっと、ずっと、悠真くんのことが大好き!!」
アリスは、涙を拭うことなく、歓喜の絶叫と共に、悠真の唇に情熱的なキスを落とした。
「もう役なんかじゃない。俺の、本物の恋人になってくれ」
悠真の愛の告白に、アリスの歓喜は最高潮に達する。
アリスは、涙を流しながら、歓喜の笑顔を浮かべた。
「悠真くん……! 私、悠真くんの本物の恋人になる!」
アリスは、真の恋人へと昇格し、ルナたち他のメイドたちに勝利を宣言する。
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5. 司令塔の孤独な愛と知的パートナー
ルナは、司令室でアリスの告白のデータを解析していた。アリスの心拍数は、過去最高を記録している。
(アリス……。あなたの愛は、理性の限界を突き破ったわ)
ルナは、司令塔としての孤独な愛を貫き、悠真の抑止力を護り続けることを誓う。彼女の愛は、任務と一体となり、孤独な使命として昇華される。
「志藤様。司令塔として、あなたの孤独な使命を護り続ける。それが、私に与えられた、唯一の特権です」
クロエは、悠真の優しさが最強のデータだと結論付け、知的パートナーとしての地位を確立する。
「志藤様。あなたの優しさは、予測不能な最強のデータです。私は、あなたの知的パートナーとして、愛のデータを解析し続けます」
ソフィアは、心のバリアが解け、以前のような母性の愛を取り戻す。
「あらあら〜。悠真様、良かったわね。このソフィアの母性の愛は、あなたの心のバリアを永遠に護りますよ」
メイドたちの愛の独占欲は、新たな日常を創造し、悠真は真のヒーローとして成長する。
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6. 永遠の共同生活と七人の独占バトル
最終決戦から数週間後。悠真の支配力(テイム能力)は、平和的に制御され、メイドたち7人による秘密の共同生活が再開される。
悠真は、護衛対象から、メイドたちを護る覚悟を持つヒーローへと成長を遂げていた。
彼は、竜人をテイムし、竜人はセーフハウスの庭で静かに眠るという、新たな日常が創造された。
「竜人が庭で寝てるなんて、非日常すぎるな……」
悠真は、庭で竜人を撫でながら、平和を実感していた。
真の恋人となったアリスは、「恋人の特権」をフル活用し、悠真とのデートやスキンシップを独占しようとする。
「悠真くん! 公認の恋人である私が、朝のキスを独占する特権を行使するよ!」
ルナは、司令塔としての孤独な愛を貫き、悠真の抑止力を護り続けることを誓う。
「悠真さん。私は、これからもバレット隊の司令塔として、あなたの孤独な使命を護り続ける。それが、私に与えられた、唯一の特権です」
クロエは、悠真の優しさが最強のデータだと結論付け、知的パートナーとしての地位を確立する。
「志藤様。あなたの優しさは、予測不能な最強のデータです。私は、あなたの知的パートナーとして、愛のデータを解析し続けます」
ソフィアは、母性の愛を取り戻し、悠真を包み込む。
「あらあら〜。悠真様、母性の愛のバリアは、あなたを永遠に護りますよ」
メイは、療養を終え、影の友達を介した支援で悠真を護るという「影の愛」を確立し、ツンデレな独占を続ける。
「悠真せんぱい。影から護るのが、メイの愛の独占です」
ララとアベルは、論理的な愛を追求し、悠真への奉仕に積極的に参加する。
悠真は、真の恋人であるアリスの情熱と、他のメイドたちの様々な形の愛に包まれ、世界の抑止力としての孤独な使命を、愛の独占バトルという平和な日常の中で遂行していくのだった。
(完)
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