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15 コロンバからカンタスへ(後)

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなり挑戦しています。

すみません、仕様が変わってよくわからなくなってます!

少しずつ慣れていきますのでよろしくお願いします。



 次の日の朝、朝食を取り宿を出発。


 天気も良くどんどん山の方へ近づいていくようなきれいな景色の道を歩く。


「カンタスではどうするんだ? 約1週間だろ? 別荘でも借りるのか?」

 フェイトが泊まる場所の心配をしている。


「……離宮があるでしょう。アルテミス様がお待ちですよ」とガイル。


「……恐ろしいな」


 そんなに怖い人なのか? 

 第1皇女アルテミス様って?


「フェイト、アルテミス様ってどんな人?」

 恐る恐る聞いてみる。


「あー、皇太子の姉ちゃんだ。歳は20。黒い髪に青い目。

 魔法も腕っぷしも強い。正義感が強くて……、そのぶんちょっとめんどくさい」

「正義感が強いのか。じゃあ、ドーワルトのことはよく思っていないんだろうな……」


「ルティのことは大丈夫だと思うよ。逆なんだよな……」

「ん、逆?」


「うん、たぶんルティのこと気に入りすぎて離さなくなるんじゃないかという不安が……。

 もう野宿ないんだよな。

 ルティを抱きしめて一緒に寝れる機会がもうないのか……。

 アルテミスまでルティを離さなないようになったら、俺はいったいどうしたらいいんだ!!」


 フェイトはひとりでぶつぶつ言っている。


 うん、まあ心配しても仕方がない!

 ダンス教えてくれるって言ってたし、魔法が得意なら魔法も教えてもらえるかもしれない。

 いい方向に考えとこう! うん!


 昼前には湖が見えてきた。

 日の光にきらきら湖面が輝いている。


「わー、きれいな所だね!!」

 私は歓声を上げた。


 その時、湖の方から馬が2頭、こちらに駆けてくるのが見えた。


「ん? げっ! アルテミス!!」とフェイトが言った。


 あっという間に馬は目の前まで来て「そなたがルクレティアか?」と凛とした女性の声がした。


 見上げると長く黒い髪を高くひとつ結びにした青い瞳の姿勢の良い女性がこちらを見下ろしている。


「はい、ルクレティアです。ルティとお呼びください」


「私はアルテミスだ。……良いな、悪くない。先に離宮に連れて行くぞ、乗れ!」

 

 アルテミス様が私に手を差し出す。


 びっくりしたけれどアルテミス様がとても素敵だったので、思い切って差し出された手につかまると馬の上に引っ張り上げられ前に乗せられる。


「かわいいな、うん。では離宮にて待つ!」

 

 アルテミス様はそうガイル達に言って馬を走らせる。


 あわてて振り返るとフェイトとレイがびっくりしてこちらを見送ってて、それを見てガイルが笑っていた。


「フェイトが気になるか?」

 アルテミス様が微笑みながら言った。

「はい」

 私は素直に答えた。


「たまには心配させてやれ! いい薬になる」


 私が珍しそうに馬の上からの景色を見回していると「馬に乗るのは初めてか?」と聞かれた。


「はい、馬車には乗りましたが、馬に乗るのは初めてです!」

「怖くはないか?」

「大丈夫です!」

「ならば、今度、馬の乗り方も教えてやろう」


 アルテミス様が優しく言った。


「ここでは私を姉と思ってくれ。私もルティを妹と思うから」

「ありがとうございます、アルテミス様」

「お姉様だ、そう呼べ」

「はい、アルテミスお姉様。よろしくお願いします」


「うん、いいな。聞いていた通り。ルティはかわいい」


 一体、誰からどんな話を聞いていたのでしょうか?


 そのまま、湖そばの大きな瀟洒な建物の方へ馬は走っていき、開けられた門の中に入ると止まった。


「ムーランのカンタス離宮だ。ここで期日まで過ごす」

 

 アルテミスお姉様が先に下りると、馬上の私の腰に手を当てるように支えて抱き下ろしてくれる。

 

 そのまま背中を手で支えらえるように一緒に歩き、きれいな庭を進んで、離宮の中に入っていく。


 玄関から離宮の中に入ると数人の使用人が「「おかえりなさいませ!」」と出迎えてくれてびっくりする。


「ルティだ。これからよろしく頼む」

 アルテミスお姉様が紹介してくれた(紹介してくれたんだよね?)ので私も自分で言った。


「ルクレティアと申します。ルティと呼んで下さい。しばらくお世話になります。よろしくお願いします」


「しばらく? ずっとだろ?」


 あれ、アルテミスお姉様のこの感じ……。

 フェイトと、よく似てる……気がする?


 私が怪訝な顔をしてたからか、アルテミスお姉様は笑って言った。


「男どもは到着までもう少し時間がかかるだろうから、先に風呂に入って旅の疲れを取りなさい」


 離宮には備え付けの大きなお風呂があり、天然のお湯の湧き水、湯?(温泉と言うそうだ)を引き入れているそうだ。

 

 宿屋の小さなお風呂とは違って広ーい!

 

 やはりここでも簡易ベッドみたいなところに寝かされて使用人さん達に洗われた……。


 前に宿屋でおかみさんに洗ってもらっていて本当に良かった。

 ここで砂がじゃりじゃり出てきたら恥ずかし過ぎるところだった……。


 ぴかぴかに洗われて、よい香りのクリームを全身に塗られてすっごくいい匂いになった。

  

 きれいな下着を着せてもらい、次の部屋に連れていかれるとアルテミスお姉様が待っていて、何着か服を着替えさせられる。


「これは?」

「夜会のための服も作らないとな。ルティに似合う色と形を知りたいので、次はこれ着てくれ」

「はい……」

 

 6着ぐらい着た(というか着せられた)だろうか、ようやくお姉様が頷き何やらそばにいた女性に指示を出している。


 脱いでいいのかな?


「それ、よく似合っている。今日はそれを着ていろ」

「えっ……、これ動きにくいんですけど」

「でも似合うぞ。今までほとんど男のような恰好をしていたのだろう?

 今日くらい装っている姿を見せてもいいのでは?

 明日からは私のような動きやすい服を用意しておく。どうだ?」

「わかりました……」


 着ていたのは、前に着たムーランの女性服のデザインを取り入れながら、ガルライアのアンジェリカが来ていたスカート部分が少し膨らんでいるみたいな感じのきれいな青い服だった。

 やはり裾が長い……。


 そして靴はアルタイルの物だという変わった靴を履かされる。

 うーん? なんだこの靴。踵が長く伸びていて細い。不安定じゃない?


「ダンスの時はその靴だから、慣れるようにできるだけ履いて過ごしなさい」


 ひー!! なんという苦行!!


 その時、使用人がお姉様に何やら耳打ちした。


「やっと到着したようだ。行こうルティ」

 お姉様が左腕を差し出しそこにつかまれというような仕草をする。

 右手でつかまってゆっくり歩く。


「うまいうまい、こんな感じで夜会では男性が女性をエスコートする」

 

 お姉様に励まされ歩いて行くと、やっと玄関に着いた。


 フェイト達が使用人達と話しているのが見えた。


「フェイト!」と思わず呼びかけてしまう。


 こちらを見たフェイト達がびっくりする。そりゃそうだよな。


「ルティか?」


 そう聞きたくなるのもわかる。


「……ルティだよ」と恨みがましい声で答える。


 大変だったんだからな!


 フェイトが駆け寄って来て、お姉様に「どけ!」と言って、私の手を強引に取った。


「わっ!」

 バランスを崩しそうになるが、フェイトが支えてくれた。


「この服も靴も、大変なんだけど……」

 フェイトに泣き言を言うが聞いちゃいないようで抱きしめられた。


「こら、あんたはまだ汚れてるんだから離れなさい!」とお姉様が怒っている。


 なに、この状況?

 

読んで下さりありがとうございます。

次も頑張ります!

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