双子。
2040年 9月1日 20時00分00秒
全ての物語はここから始まった。
全11ヵ国あったこの世界を、全九ヵ国に変えた兵機がいた
名を『アストラエル』
彼は元々、双子として造られた。
もう片割れの名は『アズリナエル』
この世界から最初に姿を消した大国『ラビ』
その国で2機共同時に造られた対人用の戦闘兵機だった
だが何故か、弟であるアズリナエルは人と同じ感情を持って造まれた。
それ故、対人用戦闘兵機だったが、人を殺せなかった。
「どうして何も悪くない人間を殺すの?」と……
兄のアストラエルはこう答えた
「悪くなくても、ラビ以外の国民は殺すんだよ。
それが俺たちの与えられた仕事だから。」
そう言うと、アズリナエルは俯き、物寂し気な声で言い返した。
「人間は皆同じだ、ラビの国民でもそうじゃなくても
たった数キロ、数メートル、数センチ離れてるだけで殺されるのは、可愛そうだよ…」
アストラエルはここで分かった。
この子は優しすぎる。
そしてそれは、自分を不幸なことへ導いてしまう。
「アズ、お前は人を殺さなくていい。」
こんな言葉をかけた自分に驚いた。
アストラエルは無意識だった。
「でも、それじゃ僕は壊されちゃう…
どう転んでも、僕はダメなんだよ…」
そう。
2人は自分の命をラビの国王に握られていた。
というのも、2人が造られ外に出る前、とある契約を強制的に結ばれていた。
ラビではその契約を『王の首飾り』と呼称していた。
その内容は以下の4つだった。
1.決して国王の意見に反抗してはならない。
「アズ、お前はダメなんかじゃない」
2.国王からの命令を無視・不履行してはならない。
「お前の分、俺が人間を殺すから。」
3.人を殺さなければ即刻処分される。
「でもそれじゃ、兄さんが…」
4.代替で人殺せば、行った者も処分される。
「大丈夫、バレない考えがある」
もしこれがバレても、壊されるのは俺だけでいい。
だから、何としてでもアズを、弟は俺が守る。
そして、アストラエルとアズリナエルの反抗は始まった。
戦闘兵機の記憶格納装置
ご覧いただきありがとうございます
この作品は本編『最強最弱の戦闘兵機』には書かれなかった過去
そして未来を書いた作品です
最終回は今の所無い作品として考えています
本編とこちらを読んでくださると幸いです
今後ともよろしくお願い致します