失語症状のリハビリ・原稿用紙1枚+αで何が書けるか(三題話/51話目)
脳出血後の失語症状リハビリとして、400字詰め原稿用紙1枚(+α枚)に手書きしていたものです。
恥ずかしいミスがあってもそのままテキスト化しているので、誤字脱字やオチ不明等はご容赦を。
リハビリは現在も継続中です。
(51話)『雪を見ながら』
2020年3月5日執筆分
※三題:どんちゃん騒ぎ、神様、雪
「雪を見ながらする花見は危険が多すぎる」
僕にそんなことを言っていた友人の遺体が、山桜のそばで発見された。突然雪が突然降っていた春の日のことだった。
春であっても、雪が降る最中にどんちゃん騒ぎをしていれば、そういうこともあるかもしれない。だが、彼の遺体は土の中に埋もれていた。
元々山桜が生えている山は、人が来ない場所だった。そんな山に遺体があったことも恐ろしかったが、こんな連絡があったことも人々は驚いた。
「山桜の根元に積もった雪の下を掘ってみるがよい。亡骸が埋まっている」
そんな通話の声を頼りに調べたところ、実際に遺体が見つかり、とんでもない大騒ぎとなった。連絡があった電話番号は、彼のものだった。
「きっと、あの連絡をしたのは桜の神様だったんだよ」
そんな噂があるが、僕もそうだと思う。
だって。雪が降ったあの夜、僕があいつを埋めているのを見ていたのは、山桜だけだったから。
(終わり)