僕とアヤメさんの出会い(9話)
☆破滅しかない乙女ゲームのモブの令嬢に転生してしまった件☆
(乙女ゲーム転生物)
(カエデもアヤメもアケビもアカンサスも8歳の子供です)
☆百合注意☆
~アカンサス・デイビーズの目線~
~9話~
僕は、魔族の魔王として生まれて人間達から恐れられる存在でした。
人間達と仲良くしたい気持ちは、ありました。
でもそれは、無理だと理解していました。
でもどうしても諦めきれませんでした。
僕は、友達のゴールドウルフのコデマリと一緒に街に遊びに出掛けました。
そして街に行くから僕が魔族とばれないように頭からフードを被りました。
でも街でコデマリとはぐれてしまいました。
僕は、コデマリが人間達に虐められたり大変な目に合っていないか不安で慌ててコデマリを探して街の中を走り回りました。
「コデマリ、何処ですか?
出てきて来てください」
僕は、コデマリに何か合ったらどうしようって思いを泣きそうになりながらコデマリを探して街の中を走り回りました。
「コデマリってこの子ですか?
飼い主ならばこんな街中で1人にしたら駄目ですよ」
女の子は、コデマリを抱き抱えたまま僕に近づいてきてコデマリを僕に見せました。
「コデマリっ!?
良かったです、探したのですよ。
何処も怪我をしていませんか?
コデマリを保護してくれてありがとうございました」
僕は、コデマリが見つかったのが安心したようにニッコリと微笑みました。
そして女の子に頭を下げてコデマリを助けた事の感謝を表しました。
ふと、女の子を見るとこの世の者と思えるほど可愛らしかったです。
僕は、女の子を見ると胸がドキドキしました。
「いえ、たまたまコデマリちゃんを見つける事ができただけです。
それにこんな可愛らしいコデマリちゃんと遊べたのは嬉しかったです。
ですからこちらが感謝してもしきれません、ありがとうございます」
女の子は、コデマリと出会えたのが嬉しくてニッコリと笑いました。
「……くすくすくす、あなたは、面白い方ですね。
あっ、自己紹介が遅れました。
僕の名前は、アカンサス・デイビーズと言います。
宜しかったらあなたの名前を教えてもらえませんか?」
僕は、女の子の言動が魔物に向ける言葉でなくてそれが可笑しくて口元を押さえてクスクスって笑いました。
そして自分の胸に右手で触り優しく微笑んで自己紹介をしました。
「アカンサス君ですね。
良い名前ですね。
私の名前は、アヤメ・エバンズって申します。
よろしくお願いいたします、アカンサス君」
アヤメは、優雅にスカートの端を軽く掴んで軽く頭を下げて自己紹介をしました。
そのアヤメさんの仕草が何処かのお姫様や女神様のように美しく思えって顔を赤らめてしばらくうっとりと見つめてしました。
「っ!?
こ、こちらこそよろしくお願いしますね、アヤメさん」
僕は、アヤメさんに見とれていたのを誤魔化すようにほんのり顔を赤らめてやんわりと微笑みました。
「ところで動物が好きなのですか?」
僕は、コデマリに甘えていたのを見て動物が好きなのだと思い少しだけ首を傾げました。
「はい、蛇も猫も犬も虎も動物だったら何でも好きですよ」
アヤメさんは、両手を大きく広げてニッコリと笑い動物が好きな事を知らせました。
「そうですか……
それならば他の動物にも会わせてあげます。
着いてきてください」
僕は、アヤメさんだったら他の魔物に会わせて大丈夫だと思い少しだけ考え込んで他の動物に会わせてあげるから着いてきてほしい事をお願いしました。
「他の動物にも会わせてくれるのですか!?
ありがとうございます!
それでは、案内をよろしくお願いいたします」
アヤメさんは、他の動物と会わせてくれるって言葉を聞いて嬉しそうに目をキラキラと輝かせて頭を下げて他の動物に会わせてほしい事をお願いしました。
僕は、城から着いてきた他の魔物達がいる街外れの森の近くに案内しました。
「皆さん、出てきてくれて構いませんよ」
僕は、森の奥に隠れている魔物の皆に呼び掛けました。
すると森の奥から動物と虫の魔物達が出てきました。
「うわーー!?
動物や虫が沢山出てきました!?
ここは、天国ですか!?」
アヤメは、沢山の動物と虫の魔物達を見て目をキラキラ輝かせました。
「皆さん、アヤメさんは、良い人ですから危害を加えたら駄目ですよ。
アヤメさんと遊んであげてください」
僕は、動物と虫の魔物達にアヤメさんと遊ぶのをお願いしました。
動物と虫の魔物達は、アヤメさんに近づいていきました。
「おーーよしよしよし」
アヤメさんは、集まってきた動物と虫の魔物達を抱き締めたり撫でて甘えました。
「本当に動物や虫が好きなのですね……」
僕は、アヤメさんが動物と虫の魔物達に甘えたのを見てまるで聖女か女神か天使みたいだと思い優しく微笑みました。
突然突風が巻き起こると僕の被っていたフードがとれると頭に魔族の角が現れました。
「あっ!?
そ、その、こ、これは!?」
僕は、アヤメさんに魔族だとばれて怖がられたり嫌われるのでないかって思い慌てておどおどとしました。
「わーー、綺麗な角ですね……
触って見ても良いですか……?」
アヤメさんは、僕の角を目をキラキラ輝かせてうっとりと見つめました。
「えっ……?
僕が怖くないのですか……?」
アヤメさんが魔族だと解った僕を怖がるどころか角を誉めたのを見て戸惑いながらアヤメさんを見つめました。
「えっ……?
何で私がアカンサス君を怖がらないといけないのですか?」
アヤメさんは、本当に僕の言っている意味が解らずにキョトンと首を傾げました。
「だ、だって僕が魔族だから……」
僕は、僕が魔族だと解ったら嫌われるかもって思い不安そうにおどおどとしながら自分が魔族な事を知らせました。
「アカンサス君が魔族だからどうしたのですか?
もしかして私を殺して食べることですか?」
アヤメそんは、キョトンと首を傾げて僕が魔族だとアヤメさんを食べるのか質問しました。
「そ、そんな事をしません!?」
僕は、人に危害を加えた事がなくて慌てて両手を振りアヤメさんに危害を加えなられない事を知らせました。
「それならば問題がありません。
アカンサス君が魔族でも何であっても関係ありません。
私にとってアカンサス君は、大切な友達に変わりありませんよ」
アヤメさんは、僕を安心させるように優しく微笑みました。
「っ!?
そんな事を言われたのは、始めてです……」
アヤメさんが僕を嫌わなくて良かったって安心してしかもアヤメさんがお母さんみたいだと思い自然と涙を流れました。
「アカンサス君は、自分が魔族の事で辛い思いをしたのですね……
大丈夫ですよ、私は、アカンサス君が魔族でもアカンサス君の味方な事には、変わりませんよ……」
アヤメさんは、僕を抱き締めて優しく背中を撫でました。
まるでお母さんに抱き締められているように安心して溜まっている辛い気持ちや我慢していた全てが気持ちが溢れてきました。
「うぅ……うわーーん、うわーーん……」
僕は、幼い赤ちゃんのように涙を流して泣きました。
しばらくすると涙を流していた涙が止まるとアヤメさんを離しました。
「お見苦しいところをお見せしました……」
僕は、今さら泣いたのが恥ずかしくなり照れ笑いを浮かべました。
「いえ、アカンサス君の役に立って良かったです。
これぐらいで良かったらいくらでもしますよ。
今だったら特別に何でもしてあげますよ。
私にしてほしい事が合ったら教えてくださいね」
アヤメさんは、優しく微笑みながら僕のお願い事を聞くのを約束してくれました。
「そ、その……本当に何でもお願いを聞いてくれるのですか……?」
僕は、人間のアヤメさんにお願いをするのは、あつかましいと思い控え目にアヤメさんを見つめておどおどとしました。
「はい、何でも言うことを聞きますよ」
アヤメさんは、私を安心させるように慈愛を込めて優しく微笑みました。
「そ、それでは、僕と婚約してください。
よろしくお願いいたします」
僕は、勇気を振り絞って頭を深々と下げてアヤメさんにプロポーズをしました。
「私と婚約ですか……?
でも私には、婚約者が2人もいるのですよ。
それでも良いのですか?」
アヤメさんは、少しだけ考え込んで婚約者が2人いるのに僕と婚約しても良いのか質問しました。
「はい、構いません。
アヤメさんの優しさを知ったらもうアヤメさん無しでは、生きて行けません。
だからどうか僕と婚約をしてください。
よろしくお願いいたします」
僕は、どうしてもアヤメさんの事を諦められなくてこの先もアヤメさんと一緒にいたくてもう一度頭を下げてアヤメさんと婚約したい事をお願いしました。
「……解りました、それでは、アカンサス君と婚約をさせてください。
よろしくお願いいたします、アカンサス君」
アヤメさんは、頭を下げて僕との婚約の事をお願いしました。
「は、はい、よろしくお願いします、アヤメさん」
僕も頭を下げてアヤメさんとの婚約をお願いしました。
ふと、辺りが暗くなり始めているのに気がつきました。
「暗くなり始めましたし街まで送りますね」
僕は、恥ずかしそうに顔を赤らめてアヤメさんを抱き締めて魔法の瞬間移動で僕とアヤメさんは、街に戻りました。
「わーー、これって瞬間移動ですか!?
始めて体験しました!?」
アヤメさんは、私の瞬間移動を体験して目をキラキラ輝かせました。
「それでは、気をつけて帰ってください、さようなら、アヤメさん」
僕は、恥ずかしそうに顔を赤らめてアヤメさんの頬っぺたにキスをして照れ笑いを浮かべました。
「くすっ、さようなら、アカンサス君」
アヤメさんは、少しだけクスって笑い僕の頬っぺたにキスをして満面な笑みを浮かべて去って行きました。
僕は、アヤメさんが去って行くのを見送るとコデマリと一緒に魔王城に戻りました。
「魔王様、何処に行かれていたのですか!?
勝手にお城を抜け出されたら困ります!?
下等な人間達に見つかったらどうするつもりだったのですか!?」
ベロニカは、僕に気がついて慌てて僕に近づいて来ました。
「心配かけてすいません。
そうです。
僕は、婚約しました」
僕は、頭を下げて心配をかけたことを謝りました。
そしてニッコリと笑い婚約した事を知らせました。
「なんとあの、魔王様が婚約されるとは、めでたいです!?
何処の魔族の女性ですか?」
ベロニカは、僕が婚約した解り嬉しそうに僕に近づきました。
「相手は、魔族の女性でないです。
人間の女の子です」
僕は、清々しいほどの笑顔でニッコリと笑いました。
「人間の女の子!?
亜人やエルフならばまだ解ります。
何故あの下等な人間ですか!?
人間が俺達魔族にしてきた事を忘れたのですか!?」
ベロニカは、僕の婚約した相手が人間だと解ると興奮したように顔を真っ赤にして僕に近づきました。
「でもアヤメさんは、僕達魔族と人間の関係に新しい良い風を流してくれるはずです。
ここは、僕を信じて見てくれませんか?」
僕は、真剣な表情でベロニカを見つめました。
「相手の人間の女の子は、アヤメって言うのですね……
解りました、ここは、アヤメって人間の女の子を信じましょう。
でも魔王様や我々魔族にとって害しかないと思ったらその時は、解っていますよね?」
ベロニカの考えを変える事がないって思いでじっと僕の目を見つめました。
「はい、それで構いませんよ」
僕は、アヤメさんが僕達に危害を加える訳がない事と裏切る事がない事を信じていましたからベロニカを真剣な表情でじっと見つめました。
「魔王様には、敵いませんね……
ここまで魔王様を信じている人間の女の子ってアヤメってどれだけの人物が気になりますね」
ベロニカは、仕方がなさそうにため息を吐いてそして直ぐに仕方がなさそうに苦笑いを浮かべました。
「はい、きっとベロニカもアヤメさんを気に入ると思いますよ」
僕は、アヤメさんだったらベロニカの考えを変えてくれると思い嬉しそうにニッコリと笑いました。
僕は、アヤメさんの為にどんな事ができるのか考えました。
そしてアヤメさんの事を信じてどんな事が合ってもアヤメさんだけは、護るって心に誓いました。
ーTo Be Continuedー