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54話~2度目の契約~

「それじゃあ契約をしよう。エフィー、やり方は前にした時と同じで良いんだよね?」


「うむ、あれは全ての精霊に共通するやり方じゃ」



 エフィーからのお墨付きも得たことなので、俺は綺麗にした針を使い指から血を出す。



「えぇ!? そ、空君一体何してるんですか!?」



 琴香さんが何故か動揺している。……そう言えば、琴香さんは契約するところ一度も見てなかったな。俺だけ既に2回もあったから忘れてた。



「大丈夫です。契約するのに必要なことなので。……では、俺の指を舐めてください」



 俺はそう言って血の出た指を差し出す。



「えっ? ……え? 舐める、ですか……?」


「はい。契約に必要なことなんです」


「あ……それなら……(パクッ)」



 琴香さんも戸惑っていたが、契約に必要なことだと認識すると、少しだけ心の準備をしだした。そして……俺の指が、琴香さんの口の中に包まれた。



「ん……んっ……ちゅ……」



 琴香さんが恥ずかしそうに、それでも生々しく指を舐めたり吸ったりしている。普段は見ることのない妖艶さ。中学生と言われても通じるだろう見た目から、ものすごい背徳感が俺を襲う。



「琴香、さん……も、もう、結構……です。多分、完了しましたと、思うので……」


「あ、ふぁい……」



 俺は動揺を抑えきれず、震えた声音で琴香さんに告げる。琴香さんも恥ずかしかったのか、それを聞くとすぐに口を離した。


 少しだけ指と琴香さんの口を、唾液の糸が引いていたが、琴香さんが慌てて処理をした。……意図したわけでは無いが、あんな光景になるとは考えてなかったわ。


 て言うか指よりも血を舐めてください、って言った方が良かったな。もう、今となっては何もかも遅すぎる判断だが……。



「ふむ、これで主人も琴香と同様に、回復魔法が使えるようになったはずじゃ! 試しに自分の怪我でも治してみるが良い」



 エフィーが先程琴香さんの舐めた指に視線を向けてそう言う。



「えっと……琴香さん、いつもどんな風に回復してるの?」



 残念だけど、俺は身体能力しか無かったから魔法とか出し方が分かんないんだよなぁ。



「そう、ですね……こう、集中して魔力を集めてですね、そのまま治れ〜って思いながら、魔力を放出するんですよ」



 琴香さんが動きだけを実践しながら教えてくれた。とりあえず真似してみる。


 怪我をしてない方の腕に魔力を集める。……暖かい。これが魔力、なんだろうか。このホワホワした感じの物を手のひらへと集中させる。


 すると、手のひらからほんのり薄い緑色を混ざらせたような白色の光が現れて、キラキラと輝きながら光出す。


 その光を血の出た指に向けると、キラキラと光る魔力が指の傷部分に引っ張られ、そこを埋めるようにまとわりついていく。


 少しすると、指を切った傷は痕が残ることもなく綺麗に消えていた。



「なるほど、傷を治す速さは私と同じ程度ぐらいですね……あれ、つまり私の存在価値が今、失われたことを意味するんじゃ……?」



 同じ回復系探索者の琴香さんも血が騒ぐのだろう。冷静に分析をして自分を見つめ直し、勝手に落ち込んでいた。



「いやいや、俺が手の空いていない時の方が多いと思うよ。あと、琴香さんの回復も能力が上昇していると思うし、そんな事ないよ!」



 俺は琴香さんを慰めようとそんな励ましの言葉を投げかける。



「……そう思うことにします」



 あちゃ〜、落ち込んじゃったよ。でも精霊になったんだから本当なんだけどな……やっぱ、実戦じゃないと証明しにくいのが回復系の運命(さだめ)なんだな……。


 そんなこんながあったが、その後しばらくしてから琴香さんは家へと帰っていった。送ろうか? と尋ねたが、エフィーと一緒にいてあげてほしいと言われたので渋々引き下がった。

キャラの身体的特徴を描いてなかったので、今ここで少し書きます。


エフィー……妖精姿は両手のひらに収まるサイズ。薄く透明な羽が生えてる。衣装はその姿の時だけ少し露出が激しくなる。詳しく言うとへそ出し肩出しぐらい。


琴香…… オレンジっぽい茶髪のツーサイドアップの髪型。身長は155cmぐらい。主人公より一応年上なので大人ぶるが、その姿がなんとも微笑ましい。

着痩せするタイプだが脱ぐとすごいと本人は自称(本当に思ったよりもすごいが)。俗に言うロリ巨乳。

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