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彩る夜に結ぶ  作者: 浅葱 咲愛
一章 知らない世界
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十八話 雨の日 1

  

 「・・・おはよう」


 目を覚ますと結がそこにいてなぜか心配そうな顔で私を見ていた。


 「どうしたの?」


 なんかぼぅっとする。


 「おはよう。大丈夫か?」


 「?」


 「もう昼だけど」


 「あぁー」


 また遅くまで寝ていたらしい。迷惑かけちゃう。早く起きないと。


 「あれっ?」


 おきあがったけれどクラっとしてそのまま布団に倒れてしまった。なんかきつい。


 「なんか暑い」


 「顔赤くなってる。・・・おでこさわっていい?」


 「うん」


 結の手が冷たくて気持ちいい。


 「やっぱり熱がある。今日は寝てて」


 「でも・・・・」


 「病人はおとなしく寝とく。いい?」


 やっぱりお兄ちゃんみたいだな。


 「はーい」


 昨日あんなに雨に濡れたからだろうか? いいかげんそれくらいで熱を出さないようになってほしい。もう中学生なのに。


 「彩夜。熱出すのはめずらしい?」


 「・・ときどきあるの。多くもないけど・・・兄ちゃんより多いかな」


 兄ちゃんが熱を出すのはもう二年くらい見ていない。なのに私は数ヶ月に一度、年に3・4回はこうなる。


 「小さい頃から?」


 「・・・そういう覚えはないんだよね。前は友達と水遊びしてずぶ濡れになっても怒られなかったし・・・」


 あれ? いつから水遊びで怒られるようになったんだっけ?


 「そうなんだ。ご飯はどうする? 食べる?」


 「お腹すいた」

 

 「なら熱もすぐ下がるかな」


 「だといいけど」


 兄ちゃんも混ざって水遊びしていたのは幼稚園生の頃。雨に濡れて帰ったら怒られたのは小学生になってからだった気がする。


 「彩夜、少し外に行ってくるからおとなしく待ってて」


 「すぐ帰ってくる?」


 「うん。ちょっと材料採ってくるだけだから」

 

 「わかった。いってらっしゃい」


 一人になった途端さみしくなった。


 結のいないこの家はとても広く見える。布団を2枚しか敷けない小さな家なのに。


 早く帰ってきて欲しい。


 けれど、こういう時間はとても長く感じるもので気分的にはもう何十分も経っている。本当はまだ1・2分くらいしか経っていないのだろう。


 だんだん怖くなってきた。


 室内がとても広く見えて、とても広い空間にたった一人でポツンといるような感覚になる。


 熱いのに寒くて、怖くて布団の中に潜り込んだ。


 怖いから結が帰ってくるまで眠ってしまおう。




      • • •




 しとしとと雨が降っている中、

 洞窟のようなところで金色の髪の幼い少女が眠っている。その顔は赤く苦しそうに歪んでいる。


 そこへ青い髪の幼い少年が走ってきた。


 「○○・・・・」


 少年は少女の顔を覗き込んだ後、静かに少女の額の濡れた布を取り替えた。

 すると少女が目を覚まして・・・


 「・・・・△△」


 「○○!」


 少年はほっとしたような顔を浮かべ、少女は少し微笑んだ後また顔を歪めぽろぽろと涙をこぼし始めた。


 「△△、痛い」


 「・・・薬もらってくる」


 「待って」


 「何? ○○」


 「行かないで・・・ここにいて」


 「・・・・・わかった」




    ・  ・



 

 ザーザーと雨が降っている。


洞窟には少年と少女がいて少女の顔色が良くなっていた。


 「○○・・・もうすぐお別れなんだって」


 「じゃあ、お兄ちゃんに会える?」


 「・・・うん」


 「△△、どうしたの?」


 嬉しそうな少女とは反対に少年は暗い顔をしていた。


 「帰りたくない」


 「どうして?・・・家族待ってないの?」


 「・・・家に帰っても誰もいない。・・・一人で暮らしているから」


 「・・・・お友達は?」


 「いるわけないじゃん。・・・こんな髪で真っ赤な目なのに」


 少年は泣きそうな顔をしている。


 「こんな見た目嫌だ」


 「・・・べつに変じゃないと思うよ」


 「みんなとちがうよ」


 「・・・海の向こうには肌が黒い人とか金髪の人、目だっていろんな色の人がいるんだって。だから変じゃないってお兄ちゃんが言ってた」


 「そうなの?」


 「うん。○○たちみたいな人も世界のどこかには何人もいるよ」


 「でも・・・」


 「それでも嫌なのは一緒だけど・・・そう思ったら少しはいいかなって思わない?」


 「そうかも」


 「△△の目、とってもきれいだよ」


 「みんな血の色みたいだって・・」


 「全然違うよ。きれいな赤だもん。・・・んー、どれに似てるかな?」


 「〇〇だって・・・・お月様みたいな色の髪と夜のお空みたいな目・・・かわいいよ」


 「ありがとう」


 「ねえ、〇〇なら・・・・・ずっと・・・」


 「〇〇たちもう会えないの?」


 「わからない」


 「・・・なら、うちに一緒に・・・」


 「ダメだよ」


 「でも・・・△△と会えないのは嫌だ」


 「△△だって・・・」


 「・・・・・」


 「・・・一人は寂しい。・・・・みんな・・・逃げていくんだ」


 「大人になったら・・・自由にできるかな?」


 「多分」


 「なら、大人になったらずっと一緒にいよう。そしたら寂しくないよ」


 「・・・うん」


 「・・・・ずっと一緒だったら話すことなくなっちゃう」


 「んー、そうだね」


 「だから、・・・会わない間話すこといっぱい貯めとこう!」


 「?」


 「〇〇は今6歳だから・・・10年よりいっぱいかな?・・・・たくさん貯まるよ」


 「10年後?」


 「どうなってるかな? 大人かな?」


 「わかった。いっぱい貯めとく」


 「そしてどっちがいっぱい貯めたか勝負しよう」


 「全部覚えとくの?」


 「それはわからないけど・・・とにかくいっぱい話せるようにするの!」


 「・・・また会えるかわからないよ」


 「そしたら・・・探してみる」


 「△△のこと覚えておいてくれる?」


 「うん。・・・多分・・・あっ! △△、これ持ってて」


 「何これ? 綺麗な石」


 「見た目変わってるかもしれないから・・・そしたら覚えててもわからないもん」


 「・・・なら・・・〇〇にはこれあげる」


 「ありがとう」


 「△△も〇〇のこと忘れないから、これはその約束の印・・・・絶対また会おうね」



 





 

読んでいただきありがとうございます

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

後半はなんだったのでしょうか? 多分わかっている方の方が多いと思いますが、わからないことにしておきます。もうすぐ彩夜芽たちの一つ目の過去に迫ります。

次話も読んでいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ○○と△△の話メインですか?良いと思います。 [気になる点] 6歳なら少女というより幼女じゃないですか? [一言] 過去? 彩夜芽ちゃん病弱?
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