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彩る夜に結ぶ  作者: 浅葱 咲愛
一章 知らない世界
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十六話 町5


 「結・・なんか暗くなってきたね」


 「雨降り出す前に着くかな?」


 木の間から見える空はどんよりと曇っている。朝は光が差し込みきらきらしていた森が今は薄暗い。


 「あとどれくらいで家に着くの?」


 「半分くらいだから・・・一時間?」


 結は朝から言っていたけど本当に雨が降り出しそうだ。


 「ねぇ、あの町までどうやったら一時間で着くの?」


 時計がないから正確にはわからないけれど二時間はかかった。慣れている人だって一時間半はかかり

そうなのに結は一時間で着くと言っていた。


 「走って行けば一時間もかからない」


 「えっ? この距離を?」


 「そうだけど?」


 「ずっと?」


 「うん。歩いていく暇ないから」


 家から町までの距離を走ったら長距離走になるだろう。あれ? そう言うのってマラソンって言うっ

け?


それともどっちも一緒?


 いや、そんなことより一体どれだけ体力あるんだろう?


 「・・・すごいね。なんか色々」


 「そうかな?」


 これもこっちの常識なのかな?


 「!」


 バッと後ろに何かの気配を感じ振り返る。


 「彩夜、どうした?」


 「いや・・・」


 後ろには見ても何もいなかった。何かの気配はあったのに。


 「・・・なんでもない。大丈夫」


 そうだ。大丈夫。何もいないはず。動物なんていないはず。


 ガサッ、ガサガサッ


 「ひぃっ!!」


 ガサガサ音がするし横の茂みが揺れている。


 何も出てこないで! そうだ。きっと風で揺れてるんだ。そう。きっと風のせい。


 「彩夜」


 「わっ!」


 つい結の声にまで驚いてしまった。

 「音が怖い?」


 「うん・・・それになんか見られてる気するし・・」


 「うん。見てる見てる」


 「! もうやだ」


 やっぱり何かいるの? するとなぜか結は手を茂みの中に突っ込んだ。

 「えっ!・・・」


 「あー、いたいた」



 「?・・・何が?」


 「これ」


 茂みから結は手を抜いた。 ?


 その手にはなんか 細長い 白っぽい? 紐かな? なんか動いてる? あれ この模様は・・・


 「きゃー!」


 思わず逃げて近くの木の裏に隠れた。


 これで安全。 ん? 頭の上の葉でなんかガサガサ・・見上げると、白い紐がぶら下がり・・その紐の先には2つ光るものが・・・


 「ぎゃー!!」


 走って逃げる。そして結の背にピタッとくっついた。


 「あの・・・彩夜?」


 「・・・なに?」


 「そんなに蛇が怖い?」


 何度もコクコクと頷く。


 「おれも今手に持ってるんだけど」


 「それは大丈夫」


 私が怖がっているのはその見られる感覚と突然現れるところ。そしてこっちに向かってくることだ。

 

その蛇は結が持っているからこっちにくる事はないし私から見えているから怖くない。


 もちろん苦手だけど。


 「蛇なんて山の中・・いや、山じゃなくてもどこでもいるけど」

 そんなの知っている。現代でだって家や学校の庭にいた。けれど苦手だから仕方ない。


 「なんで蛇掴めるの? 毒蛇もいるじゃん」


 「これは大丈夫なほう。毒蛇と安全な蛇は頭の形が違うんだ」


 確かにそんな話どこかで聞いたことがある気がする。


 「早くその蛇ポイってして!」


 「はいはい。ほら、早く帰らないと。雨に濡れたくないだろ」


 「うん」


 「その・・・だから・・離れてほしい」


 すっかり結にくっついたままだったことを忘れていた。


 「ごめんね。・・・つい」


 「・・・あんまりくっ付いたらダメだからな。おれはともかく他のやつには・・・いや、おれにだっ

てよくないけど・・・・・言ってもできないだろうし・・・」


 途中から独り言のようになってぶつぶつ言っている。


 全体的に言っていることはくっ付いたらダメってことかな?


 「それくらいわかってるよ」


 「わかってないからするんだろ」


 「ほら・・・・危ない! とか思うと安全なところに逃げようとするでしょ。あれと一緒なの。勝手

にそうなっちゃうの」


 「・・・出来るだけくっつかないように! 特に他のやつには絶対ダメだ!」


 「大丈夫だよ。私大体の人苦手だから」


 元々人見知りが激しい。初めて会って自分から話しかけるなんてほとんどない。向こうから話しかけ

られない限り仲良くならない。近づかない。私の苦手はそういう意味だ。


 「あれっ?」


 「?」


 なぜか手が濡れている。さらに上から水が落ちてきた。


 「あ・・」


 見上げるとポツポツと雨が・・・・・・


 「あー、降ってきたね」


 小降りどころではない。本格的に降っている。


 「まだ半分・・一時間はかかるか」


 今から急いで帰ったってどうせ濡れる。諦めて普通に歩いて帰った。

 

読んでいただきありがとうございます。

予告はしていましたが題名を変えました。

彩夜は蛇が苦手なようです。

誤字脱字ありましたら知らせていただけると幸いです。

次話も読んでいただけると嬉しいです。

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