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彩る夜に結ぶ  作者: 浅葱 咲愛
一章 知らない世界
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十五話 町4


 「これ持って帰るの?」


 「うん」


 桜さんに頼まれたというお使いのものは重いものばかりだった。


 「桜たちじゃ持って帰れない物頼んだんだよ」


 「あー」


 私たちの荷物もあるのに・・・・


 「彩夜は・・・布と塩と・・・この辺の持てる?」


 「それも少し持つよ」


 「なら・・これをよろしく」


行きの時の荷物より軽そうだから大丈夫だろう。


 「早く帰らないと」


 なんだかんだ遅くなって多分午後1時にはなっている。


 時計がないから不便だ。結は時計がなくてもある程度の時間はわかるらしいけど私にはわからない。


 行きに通った鳥の声がたくさん聞こえる道を進んでいく。


 「彩夜、大丈夫か?」


 「疲れた」


 私も少しは成長した。心配される時はだいたい顔に出ているらしい。だから隠さず言うようにした。


 「少し休む?」


 まだ家まで1時間以上かかるだろう。


 「もう少ししてからでいい」


 もちろん帰り道も山道だ。何も動物とか出ませんように!


 「もう少し行ったところにいいとこあるからそこで休もうか」


 「うん」


 いつもなら1、2時間歩くなんてもちろん疲れはするけど平気だ。けれどここは山道だし靴も服も違う。そして荷物が重い。


 「雨降り出す前に着くかな?」


 「?」


 生い茂る木の間からチラチラ見える空は雲は少しあるものの晴れている。


 「どうしてわかるの?」


 「なんとなく」


 なんとなくって何? 


 続きを話してくれないところを見ると教えてくれる気はないらしい。まあいいか。


 「そういえば最初の店で姫とか妃の話があったけどこの辺にもいるの?」


 「山をいくつか越えたところにいるらしい」


 山をいくつかって意外と近くない?


 「そこにはお城があって王様がいるんだって」


 王様? なんか言い方が外国っぽい。


 「その人がこの国を治めてるんだ」


 国? 日本のこと? 日本を治めてるのってこの時代、天皇か幕府の方かわからないけどどっちもこ

の辺にはいないよね?


 「えっと・・・この国ってなんて言うの?」


 「あい


 結は枝で地面に字を書いて見せてくれた。


 「ふーん」


 日本じゃない。現代で言う県のことも国って言うのかな? でもそうだとして、そこを治めてる人を王様って言うのかな?


 「・・・日本は?」


 「あー。それが複雑で・・ここも一応日本なんだけど」


 一応? どういうこと?


 「ほら。日本の端っっこだし、都から遠いからとか色々な理由でほぼ独立状態なんだ。この辺の国々

は」


 この辺の国々ということはいくつか同じような国があるんだろうか? しかも一つの国としてあるっ

てこと? なんか学校で習った歴史とは違う。どうなってるの?


 「なんか・・・・難しい」


 「本当に面倒なんだよなー」


 「藍・・・植物の藍の字なんだ」


 変わってる。国の名前ってこんなものなのかな?


 「王の一族・・・王家の名字が色葉(色葉)らしくて、色のある葉。それで藍なんだ」


 「他にはどんな国があるの?」


 「えっと・・・三葉みつは家の治めるれい。あと和葉かずは家の治める・・なんだっ

たかな? あと3・4つあったはずなんだけど」


 どんなところなんだろう? 違うのかな?


 「どこの国も葉の付く人が治めてるんだね」


 「・・・・なんでだろう?」


 「さあ?」


 何か決まりでもあるんだろうか?


 「今はどこの国とも交流がないけど・・・それもいつまで続くか」


 「ないほうがいいの?」


 「戦になったら困るから」


 そうだった。ここはそういう時代だ。町にだって少ないけど刀を持っている人がいた。


 「ねえ、王族がいるなら貴族もいるの?」


 「うん。20家くらいあって中でも権力があるのが十貴族と呼ばれる人たち。この辺まとめてるのは

上から十番目にえらい貴族だったかな?」


 「順番とかあるんだね」


 身分社会はめんどくさそうだ。


 「えっと・・・1から10までの数字が家名に入っているのが十貴族。数字が小さいほど位が高い家なんだ」


 「うん。なんとなく・・多分わかった」


 身分の話は難しい。社会で少し習った気もするけど小学校程度だ。5割ほどしかわからない。


 「えっと・・・私たちは身分のピラミッドの一番下ってことだよね?」


 「ぴらみっどって?」


 「あー・・三角形?・・の底辺て事?」


 つい言ってしまった。あれ外国の物だった。忘れてたー。


 「そう。だから上の人には逆らえない。えらい人にこの髪と目を見られたら命があるかどうかもわからない」


 「なら・・桜さんすごく良い人? 恩人?」


 私にとっての結がそうであるように結にとって桜さんは・・


 「多分・・当時はただの恩人だったけどそうなのかも。今ここにいるのは桜のおかげかな?」


 「へぇー」


 「・・あっ、あれだよ。良いとこ」


 「?・・あっ、そうだったね」


 話に夢中で忘れていた。そうだった。良いところがあるからそこで休憩しようっていう話だったんだ。


 「どうかな?」


 そこは少し開けた場所で中心に大きな木がありその周りにはたくさんの花が咲いている。良い天気で

風もちょうどいいくらいに吹いていて葉を揺らしている。葉は光できらきらしていて空気が美味しい。


 まるで絵本の1ページだ。


 「こんなところあるんだね」


 「桜とか友梨も気に入ってるんだ」


 綺麗・・というか・・なんというか・・・とにかくなんかすごい!


 「一緒に来てた時はいつもここに寄り道してた」


 「わかる。なんか良いもん」


 大きな花は咲いていないけれど小さな野花がたくさん咲いている。


 「私ね、大きな花も綺麗だとは思うけどこういう小さな可愛い花のほうが好きなんだー」

 

 

 

読んでいただきありがとうございます。

なぜかいきなりポイントなどが倍くらいになっていました。ありがとうございます。嬉しいです。

だんだんこの鎌倉時代がどうなっているのかわかってきました。

突然ですが今度更新するときに題名を変えることにしました。

月と夜の部分を月と時の四重奏カルテットにしたいと思います。

理由は突然の思いつきと月と夜は題名がかぶっているものがいくつかあったからです。

月と夜で検索しても出ないと思うのでお気をつけください。

次話も読んでいただけると嬉しいです。

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