十四話 町3
「おじさん、今年は安くなりそう?」
次は何の話だろう?
「今のところは安くなりそうだけど・・夏に台風でやられる可能性もあるからな」
台風?
「彩夜、物価かな・・えっと、米とかの値段の話だよ。台風で米がだめになると高くなるから」
お金のことってことかな? こう言う話は難しい。よくわからない。
「変わってるな。金髪」
金髪? 私のこと?
「そうですか?」
「世間知らずみたいだし、その見た目」
何かおかしいかな? 朝から結に確認してもらった。それに友梨さんに教えてもらったように着たよ。
「まず、色が白い。毎日外に出てたらそうはならない。あと手。普通はどっかに傷のあとくらいある。仕事をしている手じゃない」
「確かに」
そうなの?
「姫たちの手みたいだ」
「姫?」
「姫はそんなに外に出ないから色が白いし、部屋にいるだけだから怪我もしない」
そうなんだ。これは常識なのかな。
「もうその話はいいから、早くお金ちょうだい」
「はいはい」
おじさんは重そうな小さな袋をポイっと結に投げた。
なんかいっぱい入っていそう。まさか全部お金?
「わぁー、すごい」
袋の中はすごい。じゃらじゃらだ。
「これだけあれば大丈夫かな」
何がだろう?
「おじさん。塩ある?」
「一袋でいいか?」
「うん。これに入れて」
持ってきていた容器に塩を入れてもらう。そういう仕組みらしい。
「少しおまけしとくよ」
「ありがとう」
「・・・おじさんはいい人ですよね?」
怖いのは見た目だけの人な気がする。
「俺は悪い人だ」
おじさんはふわっと笑った。
悪い人はこんな風じゃないし、こんな風に悪い人だって言わない。
「私はいい人だと思いますよ」
「俺は罪人だ」
「?」
どういうこと? ざいにん?
「彩夜、他に回るところもある。行こう」
「うん」
さっきのように髪が見えてしまわないように髪を綺麗に結び直す。
「結、これでいいかな?」
「うん。見えそうになったら言うから」
「ありがとう」
軽くなったかごを背負う。
「じゃあ、また」
「あぁ」
私も一応頭をペコっと下げてから店を後にした。
「結、おじさん何者?」
「さぁ、何でも知ってるし・・・噂も色々と聞くけど・・・何者なんだろう?」
• • •
「はぁー、青髪また大きくなってたな」
昔はあんなに小さかったのに。子供は少し見ないとすごく成長していて驚かされる。
今日なんて金髪の娘を連れていた。
少しからかってみたが、あの否定の仕方だと本当にそういう関係ではないんだろう。
でも今まであいつが一緒に来ていた桜とか友梨とか言うやつとは接し方が違う気がする。
これはもしや・・・本人が自分の気持ちに気づいていないだけでは?
そうなったら面白い。
金髪の娘にその気があるかはわからないけれど青髪を信頼しているようには見えたから可能性はあるだろう。
それに2人はとてもお似合いだった。
「さっきの子にいつもおまけしてますよね。何か理由でもあるんですか?」
話しかけてくるのは色々と首を突っ込んでくるめんどくさい部下だ。
「あいつが幼い頃から知ってるからな」
「でもその小さい頃からおまけしてるじゃないですか」
確かにそうだけど・・
「そう言う意味じゃないんだよ」
「ならどういう意味ですか?」
「さぁ」
こいつは意味なんか知らなくていい
「教えてくださいよ」
めんどくさい
「あいつは将来偉くなるかもしれないからよくしてた方がいいんだよ」
「さすが。わかるんですね」
あいつの歳を思い出す。確か今年で14歳だったはずだ。あと1、2年で成人。
「おい」
「はい。何ですか?」
「また仕事を頼む」
その仕事は裏の仕事
「わかりました。任せてください」
• • •
「彩夜、こっち」
連れて行かれた通りはさっきよりも人が多い。
うわっ、ぶつかりそう。
「結、どこまで行くの?」
「もう少し。そこの店」
何だろう?
「何屋さん?」
なんか生地がいっぱいある。生地屋さん? 服屋さん?
「彩夜、どれが良い? この中から選んで」
「私が好きなの選んでいいの?」
「うん」
目の前に布の山があるからこの中からって言うことだろう。
どうしよう。色が色々あるし、がらも色々ある。
「えっと・・・これかな?・・・・これもいいなー。・・どうかな・・あっ、これも可愛い」
「これは?」
「良い。・・・どうしよう」
あれこれ悩んだ結果・・・
「これ」
シンプルだけれど可愛さもある物を選んだ。
「きっと似合うよ。・・じゃあこれを」
結は店の人に声をかけその布を買っていた。
「?」
「さすがにずっと桜と友梨の服を借りるわけにはいかないだろ」
これで服を作るということらしい。
「でも」
これだけ色々してもらっているのに買ってもらうのは・・・ずっと借りっぱなしなのもどうしようか
と思っていたけれど。
「ここのは安いし、彩夜の稼ぎだから」
「そうなの?」
「彩夜が見つけた薬草分で十分買える。だから気にしなくていいよ」
なら・・
「うん。・・・ありがとう」
「あっ、これも」
「2つか・・・一つおまけするよ」
「ならこれを」
結はお金をお店の人に渡して、結果3つになった布をもらった。
「結、これは?」
聞いたのは2つ目の布のこと。
「もう小さくなってきたんだ。これ」
今きている服を結は見せる。
「自分で縫うの?」
「もちろん。彩夜はできる?」
「うん」
できるけど・・・できるかな? ミシンなんてないだろうし手縫で着物一つなんて・・
「なら帰ったらしようか」
「あとは帰るだけ?」
「あと2件。桜にお使い頼まれたんだ」
何だろう。
「早く終わらせよう」
読んでいただきありがとうございます。
先日、ポイントが少し増えていました。
感想をくださる方、ポイントを入れてくださる方、ありがとうございます。
感想を頂いたときも思いましたが、感想やポイントで読んでくださる方がいるんだ と気づいてとてもやる気が出ます。
次話も読んでいただけると嬉しいです。




