表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/104

5-3 魔素溜まり

 今回、ちょっと短いです。

 魔素溜まりの始末はギルドに任せることにした。

 魔素溜まりの性質や存在理由については、わかっていないらしい。

 実際、俺の目で見ても闇のような黒い魔素の塊にしか見えないし、中に何があるのか感じることもできない。

 何より、魔素を操れる俺が、表面を離れた後の魔素にしか干渉できないってのがおかしい。

 試しに魔石を糸で縛って近づけてみると、表面に触れた途端に魔力を吸い出されて黒くなってしまった。

 魔石そのものは、魔素溜まりの内側には入っていかないようだ。

 魔力を持たない石ころなんかを投げてみても弾かれる。跳ね返るのではなく、柔らかい壁にぶつけたような感じだ。


 少し離れて、土の矢を作って飛ばしてみた。

 触れた瞬間、土に戻って落ちていく。

 どうやら、魔力を吸収されてしまうらしい。

 なら、火の玉ならどうだ?

 わかりやすく、爆裂する火の玉をぶつけてみたが、シュ…と消えてしまった。魔力が分解されて魔素に戻ってしまっているらしいな。


 さて。この情報は、ギルドに流すべきだろうか。

 言ってしまえば、俺の推測でしかないからな。

 先入観を持たせずに、ギルドの方で色々試してもらった方が、後々役に立つ情報をもらえそうだよな。

 「レイル、ここに魔素溜まりを見付けたってことは報告しないとな」


 「ギルドの方でちゃんと辿り着けるように、場所を伝えてやんなよ」


 言外に「場所だけ教えよう」と伝えると、レイルも同意してきた。

 もちろんギルドは信用しているが、職員全部を信用しているってわけじゃないからな。

 勝手に実験したことをわざわざ教えて、揚げ足を取られてやる必要はない。

 「しかし、(そいつ)のお陰で、偶然とはいえ魔素溜まりが見付かったのは助かったな」


 「ふふん。みゃあのすごさがわかったかい?

  連れてきてよかったじゃないか」


 しまった。レイルが勝ち誇ってやがる。

 どのみち、この前のことを持ち出されりゃ、猫は黙認せざるを得ないんだが、まぐれでもなんでも、こうやって手柄を立てられちまうと文句は言えない。

 冒険者は、成果が一番重要だ。たとえ猫でも、そこを主張されちまえば否定はできないよな。


 「ああ、すごいすごい。ついでに、その魔素溜まりを何とかしてくれたら、もっとすごいんだがなぁ」


 「妬かない妬かない。大丈夫、僕の相棒は君だけだよ、フォルス」


 「そりゃどうも。

  んじゃ、魔素溜まりの件はギルドに投げるってことで、帰るか」


 「ん」


 とにかく、帰って報告だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] みゃあ、すごいね。 三毛猫ホームズのようだ笑!! [気になる点] >闇のような黒い魔素の塊 魔素のブラックホールだね。 そういうのは、やっぱりギルドだよ。 専門家に見てもらうべき!…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ