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事件

次の日の朝。ピリッとした痛みがほっぺを撫でた。『…ん…いたぁ』といやぁーな目覚めだった。『お、起きた?休みなんかずっと寝てる雷疾が自分で起きるなんて…毎日彩凛ちゃんにビンタしといてもらおうかしら!』と笑みを浮かべるかあさんに『怖い冗談やめてよ…』と引きつった笑みを返す。『あ、そういえば、今日でもう退院だから、明日からは学校行くのよ?』もちろん行きたくないのだが、『はーいよ』と適当に流しておく。そして退院して家に帰る午後5時。退院の日だってのに俺の友達は誰も来てくれなかった。俺はとても凹んだが、そこで何かあっんじゃないかと考えるべきだったんだ。そんなこと知る由もなく、『はぁ、。』とさすがに来て欲しかったぜ。。と思っていた。うちに帰ると、全く同じタイミングで電話がかかって来た。俺のスマホに関することだったらしい。俺が事故った時にケースはもちろんのこと、液晶やら充電機能もイかれてしまって、中のSIMカードだけ生きていてそれを新品に写してくれたのだ。めちゃくちゃ優しいなその店!『あんたのケータイ貰ってくるから、家で待っててよー』『りょーかいしましたー』その日はゲームをしまくってすぐに寝た。9時くらいに。そして柄にもないほど早く寝た俺は届けて貰ったプリントの中に紛れた超重要事項を見逃していたのだった。

『んーっはぁぁー。がっこうかぁ。』と憂鬱を塊にして吐き出す。『雷疾ー!パン焼けたよー!』相変わらず声デケェェー。目覚まし時計か!『分かったすぐ行くよー!』寝ぼけながらとんとんっと階段を降り、リビングの部屋を開けると、『あ、そういえば!柊君プリント届けてくれてたのに見てないでしょ!』そんなのあったことすら知らんかったなぁー怒られるな。などと考えながらパラパラとプリントの束を見ていると、一枚の紙に書いてある落書きが目についた。そこには『彩凛がいなくなったこれみたらすぐこい』と。それを見た俺は文字通り速攻だった。気が動転していたが、できるだけ早くプリントに書いてあった準備をしてかあさんに『昼めし、いらないや。』と呟くように家を出る前に呟くように言って玄関を飛び出そうとしたが、おそらくその言葉を先に見ていたのだろう母は、『彩凛ちゃんのぶんも持って来なさい!何があるかわからないからこそ力つけとくの。』と驚くほど優しい笑みで俺を見ていた。いつもならうるせえ精神論だなとテキトーに出て行くのだが、感動して待った俺と彩凛の為だと思う俺のせいで目に涙が溜まった。『…サンキュ。かあさん。行ってきます。』無言で頷く母がとても心強かった。


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