鬼
『…ん……?』と目覚めた時には俺の寝ているベッドの隣にとても小さい背中した彩凛がいた。『もう、なんなのよ、こんな事になるなら昨日伝えとけば良かったな。。』ぐすん。という音が聞こえて、俺はとっっても情けなくなった。『なんか伝えたい事あっ…t』と言いかけた所に『きゃぁぁぁあ!!!』『うおぉお⁈⁈なに!なんかあったのか⁈』流石に続けたい言葉が飛んでしまった。
がららっと勢いよくドアが開いて『何かありましたか!』と看護師さんと医者が駆け込んできた。『すいません!この子が俺が起きたのに驚いて叫んじゃっただけなんで!』なんで起き抜けの俺が説明をしてるんだろうな、来てくれただけで神だから全然許せちゃうけどな!『あなたはとっても冷静なんですね、でもあなたが起きた事は十分大事ですよ?』と医者は優しい笑顔を向けてくれた。この時、俺は違和感を覚えるべきだったんだ。しかし俺は『あ、そうか…すいません。』とテレテレと頭をかいた。『もう、、!もー!ほんとに。。雷疾のばか!ばかぁぁあん』と、彩凛は俺の寝ていたベッドに泣き崩れていた。俺はほとんどなにも言えなかった。感謝と申し訳なさとで。(あと可愛さ。だってむちゃくちゃ可愛かったんだから!)泣きじゃくる彩凛の頭を優しく撫でながら『ありがとうな…』これが精一杯の俺の言える言葉だった。すると看護師さんが耳打ちで『念のため、採血だけさせて貰えますか?彼女さんはまだ撫でて置いてあげてくださいね』と言って来てくれた。ふふっと笑う看護師さん(年上優しそうなお姉さん)に心が少し揺らいだのと、彼女さんなんて!なんて!!少しニヤけてしまった。彩凛には黙っとこ。
採血を終える頃には彩凛は目のふちを赤くしながらスヤスヤと寝息を立てていた。ずっと見ていたいなぁなんてことを考えていたら、いつの間にか俺ももう一度寝てしまっていた。
『…と、いーとー?らーいーとー!起きてよー!』『んん、、?もーちょいいーだろぉ?』『ひゃ……なーにーが!もーちょいよ!!』バッチイィン!と瞬間の頬への尋常じゃない冷たさに飛び起きた。『っっだぁぁあぁああ!!』ビンタの勢いとともに墜落して、少しの間思考が止まっていた。うむ、なるほど。。
いきなりそんなビンタかます⁈『今の発言になんの間違いがあっ、、たん、ですか?』としりすぼみになり、敬語を使ってしまった。その理由はというと、、『え、あの、なんでまた涙目なんです、かぁ⁈』と今度はさっきと逆の頬をビンタ狙いで掌を振り抜いて来た。『もおぉ〜〜!!、、スゥーハァー。』あ、やっばいぞ、これ。黒い笑顔だ。『まず!雷疾?起き抜けに私の体を触ったのは覚えてる?』は?と言いそうになったが、あっぶ、殺される、と思いとどまり、『すいません。全く記憶にございません。』とできるだけ刺激しないように言った。のに!『ふーん!なるほどねぇ雷疾クン?じゃあ逆にどこ触ったと思うの??』とより眉間にしわを寄せているのに笑顔だ。前のやつ、よりやばいなぁ、、『えーーっと、見当もつかない場合は、、』と怯える俺に食い気味に『どこだと、お、も、う、の?』と俺の上に四つん這いで這い寄ってくる。こりゃ、ちょっと理性も恐怖心ももたないな、逃げてえ。『えーと、耳を引っ張った、とか?』『なんで?』『いいいつも、目覚まし時計掴んで確認するので!そのクセで痛い目に合わせてしまったのかと!』彩凛はブチ切れてて恥ずかしいうんぬんの感情がないんだろうけど、顔が近すぎる!!そして服の首元からムネチラ、、その状況に耐えかねて顔を俺が背けると『なん、、ハッ⁈』と、いろんなことに気づき俺の上から速攻でどいたらしい。ふぅ、、ひと安心。と思えるわけもなく、『乙女の胸をいきなり揉みしだくなんて!!』『え?そんなわ』と、俺から離れた彩凛の方を向くと『二度と顔みせんなぁぁぁぁ!!』バッチイィン。そして、ふんっ!っとそっぽを向いて帰ってしまった彩凛に『ごめん、なさい。』ガクッ。脳みそが揺れる感覚がしました。はい。そこからは覚えてなくて、本能的なのかなんなのかとりあえずベッドに入って大人しく寝ていた。そして起きたのは次の日の朝だった。もちろん?両方の頬は腫れ上がってましたとさ。女性って怖いね。うん。
彩凛こわ。