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少年たちの輝き 下

次々にクラスメイトが教室に入ってくる。その間も他愛ない会話をワイワイと続け、HRの時間、『そろそろ席つけよー』とメンドくさそうな今野(こんの)先生の声が響く。生徒たちは会話を切り上げて続々と席に着き、柊も彩凛も美里も『また後で〜』と口々に言って席に戻る。『起立、気を付け、おはよーございます、着せーき』と挨拶をし、また席に着く。そして、衝撃の連絡。『えー今日は今から全員帰宅!補習も実習授業の振替もなしだ!』…?と全員の頭に謎マークが浮かんだが、すぐにワァーーっとクラスが湧き、他のクラスも喜びで騒いでいるところがあるようだった。『……い。おい!聞け!』と、とても通る声が響きびっくりして全員がビクッと跳ねた。『理由もなく帰らせるわけがないだろう?教師も学校くるのめんどくさいんだぞ!』あははは〜とクラスがまた和らいだ所に、少し暗めの声で『最近のニュースを見ていればわかると思うが、明らかに悪意を持った器物損壊事件が多発している。そこで人を狙って行われたものが数件、いずれも骨折などの大怪我だ。今回は器物損壊の方だったがここの近くで同じ犯人と思われる犯行があった。』さすがに柔らかかった空気が一気に張り詰めた。『だから道草なんか食ってないで即!家に帰れよ? 壁野(かべの)は1回頭を潰してもらってから帰る事、バカは死なんと治らんからなぁ』おそらくクラス1のバカが名指しで言われて反撃をしている。『はいもーうるさいよ。先にみんな帰ろう!起立!』と先生が言う。『きをつけ、さようなら』と、挨拶をし、そそくさとクラスを出る奴、さっきの話を心配する奴、グループで出て行く奴とら、俺たちのグループも4人ですぐに帰った。『なんで学校行ったんだよ!通学路の往復時間分まだ寝れたじゃん!!』とぶーぶー言ってる柊と美里。『別に今から帰って死ぬほど寝れるだろ?いっそ2人仲良く永眠しとけよ』『そーそー!柊君も美里も帰れる事に感謝して時間を有効に使いなさい!』彩凛さんまじリスペクトっす。『へーへーお熱いお二人さんありがとさーん』とだるっそうに美里が言ってやがる。彩凛を見習え!バカ美里め。『んじゃ俺たちはこの辺で、んじゃなーDQNヤロウー彩凛ちゃーん』DQNじゃねぇよ俺の名前なんか俺自身が良し悪し決めれるかい!俺はテキトーに片手をふり、『じゃーねー!』と彩凛も手を振りながら2人と別れる。『…でも怖いねぇ、学校の近くでモノを壊すなんて』2人きりだ、うれっし。『聞いてる⁈』『ん、ん?なに?』やば。全く聞いてなかった、、幸せ状況すぎて、『ねぇ?握手しない?』え、、なんでこんなに悪意のある笑みを?企み顔も可愛い…『別にいいけど…?なん、』なんで左?と聞けずに、ゆっくり出した手をすごい勢いで捕まれ、『あぁ〜〜、くぅ〜〜、しゅぅ〜〜!!!』とおそらくフルパワーで握り潰された。文字通り。グリグリする感じのやつではなく、純粋な力で、潰された。『いぃだだだだだ!!ごめん!聞いてなかった俺が悪かった!!から!離してください!!』『よろしい』そういえば彩凛は剣道の経験者だった。左手を基準(詳しい事はあんまりわからないが、)に使うらしく、力を常に込めているようなので相当な握力がつく。らしい。『学校の近くでモノ壊す人とか訳わかんないよねー?2人しかいないのに話を無視する人も訳わかんないけどさ』イヤハヤ、ほんと、すいません。頭をぽりぽりとかきながら、『でも、なにが目的なんだろうなぁ?』と、自分でもしまった、訳わからん事言ったと思ったのだが、『案外、ただのストレス発散、とかだったりしてね』と彩凛はあははと笑った。なぜだか、今日の朝といい、今といい、なにか変な"違和感”があるなぁ、と感じながらも俺の家の前まで来てしまっていた。『近くまで送っていこうか?』と結構勇気を出して聞いてみたのだが、彩凛は『ううん、だいじょぶ!すぐそこだからさ!』とぱたぱたと小走りで駆けて行ってしまった。フラれた訳じゃない、家が近いから問題ないんだ雷疾、と言い聞かせ、家のドアを開けた。そして、運命の夜が来る。

ようやっとプロローグ終わります

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