第10話【長い説明】
やっべー、言っちゃったよ。
信じて貰えるのか?
「......」
みんな口が空いたままの間抜けな顔で茫然としている。ただ1人村長を除いて。なんも喋んないけど。
無言は怖いなー。
でも、精神に異常があるから保護しよう的な展開になったりとか...
「貴様...見え透いた嘘を!!」
先に口を開いたのはジーク。
やっぱり信じて貰えないかー。じゃあ介護路線で...
「この村に魔族が出るわけ...」
「下がれ、ジーク!!」
「でも!!」
...なんか勝手に盛り上がってるけど、何、魔族って?
俺、ちょっと世界壊す可能性があるだけの普通の地球人ですけど。
「あのー...魔族って...」
口論の間に入ろうとする。
「お前...魔族も知らんのか!!」
ジークの標的が俺に変わった...
「すいません...知らないので教えていただけますか?」
うざいけど、ここは下手に出てやるか...
「魔族と言うのは...」
長かったので割愛しよう。
要するにあれだ。
この世界には、たまに突然人が現れるらしい。
どこに、いつ、どうしてか、何も分かっていないらしい。
そんな人達を魔族と言う。
魔族は言葉も、この世界の事も何も知らないから、みんな現れた瞬間にテンパるらしい。
昔は魔物と間違えられて殺されたらしいが、敵意が無いと分かると殺さなくなった。
しかし、得体の知れない者達であったため、差別の対象にされたと。
大体は、居た場所を追い出され、魔界に追いやられるらしい。
ひどい話だよな。
ジークは魔族に対する偏見があるらしく、様々な嫌みを付け加えながら長々と話してくれた。
今度は村長も黙っていた。
あれ?もしかして追放コース?
「ジーク、私もお前と魔族の間に何があったか知らん訳ではない。
しかし、こいつと奴は違う人物だ。
本当は分かっているだろう?」
「しかし...」
「こいつは言葉が分かる。どうしてこうなったかも知っているようだ。
もし、魔族と関わりがあったとしても、何か教えて貰えるなら、被害者も減らせるかもしれない。」
「...」
「だから、判断を任せて欲しい。」
「分かりました。」
これは...いい方向じゃないですか!!
「そして、お前の処分だが...」
「はい。」
「疑いが晴れるまで我々の観察下に置く。妙な行動をしたら即、追放。...わかったか?」
「はい!」
最悪の事態は防げたようだ。
村長の温厚さには感謝しなければ。ジークが村長ならこうは行かなかっただろう。
その後、俺は信じて貰えるまで村長の家で過ごすことになった。村長とアルフェールの住む家だ。
がんばって信頼して貰おう。
この村に住むんだから、能力なんてなくても出来るようでなきゃ。
〈海暦5130年 レンス村〉
【ジーク視点】
村長は何を考えているのかわからない。
あんなに不自然な奴が不審者ではないと?
絶対に不審者だ。
魔族でないのならそれしかあり得ない。
そう、魔族でないなら。
ジークは魔族に恨みがあった。死ぬまで忘れないような。
魔族と考えれば、ジークは涼介を殺すだろう。
だから、あえてその考えを捨てた。
恩人である村長のために。
「不審な行動をとったら俺が殺せばいいか...」
「何か言いましたか?」
ボソッと言った言葉を聞いて、よりいっそう気を付けなければと思う涼介であった。
やっと10話!!




