↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

呪いのビデオレポート!!

作者: うぐいす
掲載日:2006/09/23

…著作権が少し心配だったりします

僕は今、一本のビデオテープを手にしている。


題名が書かれていないが別に何の変哲もないただのビデオ。



ただ一つ


井戸から髪の長黒い女性を召喚できるということ以外は…。




たまたま手に入れてしまった僕は今日、それを使って、とある実験を試みるのである。




準備に小一時間。



とうとう僕は、再生ボタンを押した。



……井戸だ。井戸が映っている。


どこにあるかは分からないがどっかの井戸だ。



そして、その隣では僕が用意しはハイビジョンテレビ薄型に映る、女子高生の格好が妙に似合うお笑い芸人が

「お前、そんなんじゃあお姫様起きるタイミングなくすだろうがぁ」

とツッコミをいれている。

どんなネタだろうか?



そう、今回僕がやる実験。


それは、絶対怖くない空気の中で召喚された貞子お姉さんはどんな反応を示すかだ!!


では実験を続けよう。


只今順調にホシは井戸から這い上がっている。


そして、少しずつ、少しずつこっちに近づいてくる。


BGM(バックグラウンドミュージック、日本語だと背景音楽?)である

「迷子の子猫ちゃん」

に合わせて動くホシの動きはとても生々しく、ただ這っているだけなのに恐怖を煽る。


ヤバい。怖くなってきた。このままじゃあ殺される。


僕は生まれて初めて死を意識する。

今までの思い出が走馬燈のように蘇る。

さようなら、母さん、父さん。今まで育ててくれてありがとう。


さようなら、席が隣りのあの子。結局一度も話さなかったけど、君のツンデレっぽい態度を遠目から見守るのが日課でした。




「タカシ〜ご飯だよ〜!!」


「ちょっと待って!今いいとこだから!!」


全く、気を使えよ。思春期の息子をなんだと思ってるんだ。


…ん?怖くない?怖くないぞ!!助かったんだぁ!


生きる喜びに浸る僕を後目にホシはテレビから指先を出した。


薄暗い部屋の中でぐわんぐわん回るミラーボールのカラフルな光を吸収する指の爪は黒か赤か分からない。


「ちくしょー!!」


ええいうるさいぞ白塗りの肥満体質が!!着物似合ってないし、忍〇まのしんべいみたいな声で歌ってんじゃねぇ!!




そしてとうとうテレビから頭が出た!!


今だ!!行け!!


残酷なトラップのスイッチが押されてしまった。


頭が出ると自動で発動するリーサルウエポン。


ねらい通りホシの頭上に、黒板消しが!!


たっぷりとチョークの粉が付いたそれは極微量な塩化カリウムを撒き散らしながらホシに迫る。


まだホシは気づいていない。


行け!!行くんだ光と闇と黄昏の魔境の王にして百戦百勝絶対無敵無敗の名将覇王、神殺しの癒やしの光の闇の漆黒の蒼き堕天使、黒板消し35世!!


ボス




……………………………………………………………気まずい沈黙。


貞子はチョークまみれの髪で顔をかくし、やはり恐怖をかきたてるような格好でテレビから半身出しているが、それ以上こっち(現世)に踏み込むブレイブはないようだ。




「粗茶ですが。」


そう言って僕はなみなみとお茶の入った湯呑みを差し出した。







「……帰っていいですか?」



以外と可愛い貞子の声は困った犬の泣き声とグラサンをかけたブルース野郎の

「じゆぅだぁぁぁ!!」

の叫びにかき消されそうになったがギリギリで僕の鼓膜を震わせた。



僕が貞子に、雰囲気が恐怖に勝った瞬間だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あの有名なホラー映画のイメージが一気に崩れました。 面白かったです。 貞子が可愛く見える!  今まで恐怖の対象でしかなかったのに!
2015/04/29 09:35 退会済み
管理
[一言] とても偉大な実験だと思います(笑 )
[一言] こういうチャレンジ的なお馬鹿作品好きです。 僕も貞子についてはよく考えてみました。もし貞子の見た目が『素』だったら! もし貞子が萌えっ娘だったら!いろいろ考えると楽しいですね。 じゃ、次はコ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。