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泳げない僕の、楽しい水泳の授業

作者: 柳ミル
掲載日:2026/07/23

泳げない主人公(♂)×クールだけど可愛い委員長さん(♀)


ラブコメ。

やっぱり、僕は立ち上がってしまう。

そんな僕に対し、委員長さんは無表情で、

「また、浮くのやめた」

「ごめん」

「水、怖い?」

「やっぱり怖いよ、溺れたら嫌だし」

「もう1回練習できる?」

僕は微笑み、

「頑張るよ、泳げるようになりたいから」

と言い、うなずく。

委員長さんもうなずいて返してくれる。


中学校の、水泳の授業。

男子の僕と、女子の委員長さんは、他の生徒たちからは離れた所にいる。

クラスで唯一泳げない僕が、泳げるようになるために。


「もう1回、手を握ってもいいかな」

「いいよ」




昔から、僕は水泳の授業が嫌だった。

泳げない僕にとって、それは拷問でしかない。

水に慣れるためか、先生には授中、ずっと放り投げられたし、プールから上がり同級生たちから無言で拍手されたときは死にたくなった。


年齢が上がるにつれ、僕は見学するようになった。

泳げないから。放り投げられたりするのが嫌だったから。


泳げたらどんなに楽しかったろう。

けど、泳げる気がしなかった。

『溺れる夢』を幼稚園児だった頃に見たから、それでトラウマで、浮こうとすると思い出してまう。


そして、中学生になり。

中学生になっても見学しよう、でも、1回くらいはきちんと授業を受けた方がいいだろう、1回くらいは。

皆から離れた所で、ポツンと立つだけ。悲しいことに、クラスで泳げないのは僕だけだったらしい。中学校から一緒の人たちもいたから、期待していたのに。


泳ぐ練習しても恥ずかしいおもいをするだけだし。

早く授業終わらないかな、と考えながら立っていると、

「泳げないの?」

無表情で、中学校から一緒の委員長さんに聞かれた。水着姿の委員長さん。いつも冷たい感じだけど、可愛い。近寄りにくい雰囲気があるけど、可愛い。

「泳げないなら、私が付き合うよ」

ニコリともしないで、言ってきた。

僕は、拒否するのも悪かったし、うなずいて返した。


それから約2週間。やっぱりフラッシュバックし、なかなか上手くいかずにいる。




「時間だし、出ようか」

また、今日もダメだった。

練習に付き合ってもらっている、だから泳げるようになりたいんだけど。

「ありがとう、いつも付き合ってくれて」

申し訳なさそうに、僕は言う。

委員長さんは首を横に振り、

「いいよ、好きだから」

「すっ!?」

「頑張る人が、好きだから。

早く泳げるようになれたらいいね」

初めて見る、委員長さんの笑顔。

ドキリ、としてしまう。水着だということを意識してしまいそうになる。

慌てて、ブンブンと首を横に振って煩悩を追い出そうとする。

「大丈夫? 水が耳の中に入った?」

クスリ、と。


決めた。

まだ1年生だけど、夏休みに入るまでに泳げるようになろう。

そして、この人と夏休み、思いっきり泳いで楽しもう。


人生で初めて恋を知った。

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