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3/3 未完成の美が語る未来への挑戦
内部に足を踏み入れると
空気が外とは全く異なる
そこには
冷たさと温もりが
共存しているようだった
外の空気よりもひんやりとしていて
鼻腔を通る空気が
清らかに感じられる
湿度はわずかに低下し
静かな湿気が
肌を優しく包み込む
光が差し込むステンドグラスから漂う淡い暖かさが
空間全体に穏やかな調和を与えている
柱の間を
ゆっくりと通り抜ける風が
微かな音を立てる
まるで建物そのものが
呼吸しているようだった
耳を澄ますと
どこからか微かな木の香りと花の香りが漂い
大聖堂の中に
自然の世界が溶け込んでいるように思える
空間に満ちるその静けさが
自分の心と身体を解き放ち
自分が
新しい世界に生まれ変わったかのような気分を
味わう
ここで感じる
空気感
光
風
匂い
全てが
魂を浄化し
新たな挑戦へと導く力を
持っているように思えた