薬品
「痛くするつもりは無いから安心しろ」
寝台の横につけられた机の上に小さな瓶が置かれる
無色透明、淡いピンク、淡い紫、横たわるルナからは正確に数えられないが5本ほど並んでいるのだろうか。
完全にそれを始める前の雰囲気に慌てて自分の姿を確認するとクロードの部屋を訪問する前に着替えたこちらの世界で仕立てられたワンピース姿ではなく元いた世界で着ていたユ◯クロのキャミソールと下着姿にされている。
前の世界とこの状況に逆に頭が冴え渡り始める。
元いた世界でも社畜すぎて文化的な最低限度の生活すら送れてなかったのにあたらしい世界でもこれか。神様に聞きたい、ねえ私たちの幸せの定義って一緒だと思ってます?
もしかしたら死ぬほど働いて奉仕してその身すら誰かに与えることを幸せとお考えなのかもしれない、早急に訂正しないと。
ああ、それよりも
「めんどくさあ」
クロードを拒否する言葉を言えない魔法なら抗うこともめんどくさい
私は元来面倒くさがりなのだ。神様と直談判なんて本当はしたくないしこの威圧的で魔王みたいな笑みを浮かべる男が処女が欲しいというなら減るけど減るもんじゃないしくれてやる、待ってけドロボー!
「めんどくさいなら寝てろ」
クロードはぷくっと頬を膨らませて天井を睨むルナに顔を近づけると唇を重ねた
「目ぐらい閉じろ」
ムードのかけらもない反応をされたクロードが舌打ちをしてルナの目元を手で覆う
視覚を奪われるとクロードの動きがわからず呼吸の合間に声が漏れ出てしまう
「鼻で呼吸するんだ」
「そう、上手だ」
褒めるようにクロードの舌がルナの口腔内をつつきじわりじわりと下腹部に熱がたまる
机の上の薬瓶に手をかけるとクロードは自分で含んでから無理やりルナの口の中に流し込む
「のちに効いてくるはずだ」
そういうとクロードは姿を消したのだった




