乾き
台所にあるガラスコップに水を大量に入れ溢れんばかりの水分を俺は飲み干した。何故だ、乾きがなくならない。
絵里香「血を飲みたいだろ、がまんしても無駄なあがきだよ」
扉がしまる音がした。
誰かが来た?
絵里香は五階の窓から飛び降りてすたこらさっさと逃げてしまった。
神威「そこの死体はなんだ、君がやったのかな?僕は神威、ヴァンパイアハンターだよ」
「俺は吸血鬼じゃない!ほんとだ、本当に違うんだ!」
神威「じゃあそこに転がってる遺体はなんなのさ。あまりしらばっくれるなよ。罪が重くなるぞ」
俺はどたばたしながら逃げ惑う。嫌だ。無実なんだ。
神威はナイフを取り出した。
「絵里香だ!俺じゃない、すべて絵里香がやりました!罪深い吸血鬼なのはあいつ!あいつが悪いんだ」
最低な屑だな。この男は。
しかしわかるんだよ僕には。血生臭いひどい異臭に僅かに混ざり合う吸血鬼独特の匂いが。
でも僕に依頼が来るなんて珍しい。よっぽどの強敵と見てきたが肩すかしだったな。
神威「まずは君を殺す。妹さんは後々バラバラにしてヴァンパイアコレクターに高値で売りさばくよ」
「・・・やめてくれ、死にたくないんだ。でもなんだか嫌な予感が止まらないんだ」
神威は右目に違和感を感じた。埃でも入ったのだろうか。 なんだかぐらぐらする。なんだよ、せっかく吸血鬼を八つ裂きに出来るチャンスなのに。