3話 推しとの会話
声優としてのお花ちゃんも知りたくてアニメを見ることにした。
「‥ということで何のアニメから見れば良い?」
夕食どきにましろに尋ねる。
ましろは茶碗を起き、顎に手を当て考える。
「私に聞かれてもな〜私みゆきちゃん推しだし。有名なのは‥だけどあれはアニメ初心者には厳しいか」
ましろならズバッと何か出してくれるとは思ったが意外とそうでもなかったようだ。担当外の声優の事は難しいか‥。
「そうだ、ネットの人に聞いて見たら?ツイッ◯ーとかで。まさかと思うけどツイッ◯ー知らなかったり‥しないよね」
どうやら時代に取り残されて哀れなお兄ちゃんというイメージがついてしまったようだ。
ここはひとつ安心させねば。
「大丈夫だ、流石に知ってるよ」
知ってるが登録はしていない‥。
この機会に初めてみるか。
部屋に戻ってからスマホを起動。ツイッ◯ーのアプリを入手し登録の手続きを始める。
「名前はかけるで良いか、アイコン‥フリー素材の木の写真にしよう。‥プロフィールか」
初心者です。よろしくお願いします。
ちなみに大咲花ちゃんが好きです。
センスは無いが、まぁこんなものだろう。
しかし俺の人生に置いて好きな人がプロフィールに書けるとは嬉しい事だ。
きっとお花ちゃんを知らなかったら何も無かっただろう。
さて、ここからが本題だ。
早速質問をツイー◯してみる。
「お花ちゃんが好きなんですが、アニメはなにがお勧めですか。因みに今まであまりアニメを見たことが無いです」
初心者のこんなツイー◯に誰か返信をしてくれるのだろうか。緊張しながら画面を見たまま少し待っていると。
『初めましてお花ちゃん好きなんですか?私も好きです。アニメは紺碧少女がお勧めです。内容も15分なので気軽に見れると思います』
有難いことにはやくも返信が来た。言葉遣いも丁寧で好感がもてる。紺碧少女か見て見よう。
お礼を言わないとな。
名前はおれんじさんか‥何処かで聞いた名前だな?‥握手会の時の?
『ありがとうございます。見てみます』
俺のそのツイートには返信は来なかった。
まぁ返信が来るようなものでも無いしな。
ツイッ◯ーか‥有名人も結構してるらしいがお花ちゃんもしてるのかな?
ツイッ◯ーの検索窓に大咲花と入力する
やはりやっていたらしく最新のツイートの一番上にヒットする。
『先日はトークショー&握手会ありがとうございます。次はFCの集会イベント。楽しみだな。みんな来てね‥』
そんな内容のツイートだった。
コメント数が1253もある。すごいな。そして更に驚いたのだがお花ちゃんはひとりひとりに返信していた。
おれんじさんもものすごく沢山やりとりしてるな。少しうらやましい‥。
「俺もなんか書いて見ようかな‥」
『初めまして。僕もイベント行きました。すごく楽しかったです。また行きたいです』
相変わらず俺の文章のセンスの無さ‥。
しかしどう書いて良いかわからないしこれで送信してみるか。
その日は返信は来なかったが‥。
翌朝スマホの通知で目が覚め寝ぼけながら
ツイッ◯ーにアクセスすると
『かけるさん!初めましての方ですよね。来てくれてありがとうございました。また来てくださいね』
「う〜ん‥‥うん!お花ちゃん!?返信来た」
「お兄ちゃん朝からどうしたの!」
やや大きめの声で叫んでしまいましろが勢いよく部屋の扉を開ける。
今なら扉が壊れそうなのも気にならない。
「いや‥お花ちゃんから返信来たから」
「えっ、マジ‥!お花ちゃんってそんなことしてんだ」
ましろはぴょんと俺のベッドに飛び乗りスマホの画面を見る。
「すごいよな。みゆきさんとかはこういう事しないのか?」
「しないよ〜。みゆきちゃん多忙だしさぁ。あ〜私もみゆきちゃんともっと会話したい!‥あっ私があげたお花ちゃんのブロマイド飾ってんの?」
机のパソコンの側の写真縦に飾られたお花ちゃんの写真を指差さすましろ。
「あぁまあな。大事にしてるよ。そうだましろ紺碧少女って知ってる。ツイッ◯ーでお勧め聞いたら紺碧少女って言われたんだが」
「知ってるよ、確か録画してあったかな?そういえばお花ちゃん出てたね〜。学校から帰ったら探して見るね」
「ありがとう」