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バーニング!!  作者: KEMURINEKO
7/7

第7話 レナの秘密。

お読み頂き有り難う御座います。


第7話です。

遺跡での魔族との遭遇から数日後、レン達はハウエルの隣町であるロストルに居た。


レン:『ハウエルまでどのくらいあるんだっけ?』


レナ:『あと1日半ってとこかしら?』


アン:『って事はこの先は盗賊とのバトルが延々続くのよねぇ・・・。』


セシル:『まぁ前から想定してた事だけどね。』


レン:『って言うか、殲滅しなきゃならないんだよな?となると、ハウエルに着く前に盗賊達のアジトを探る必要があるんじゃないか?』


アン:『どうやってよ?』


レン:『まずは片っ端から盗賊を捕まえて聞き出すしか無いだろ?あとは怪しい奴の後をつけるとかかな?』


アン:『問題は盗賊達がひとつの組織かどうかね。ハウエルって結構大きな町だって言うし。』


レナ:『盗賊は二つの組織が協定を組んでるって話よ。ひとつは西側もうひとつは東側って感じで縄張りを守ってるって噂だわ。』


セシル:『となると方法は二つね。私達も二手に分かれて同時に潰すか、もしくは全員で片方ずつ潰すか。』


レン:『相手の戦力も分からないのに分かれて叩くのはキツいだろ?レナの爆裂魔法は確かに強力だけど、最悪敵を分散しかねないしな。』


アン:『つまりひとつの組織を一気に叩く必要があるって事?さすがにそれは無理がない?』


レナ:『叩くなら一気に叩く方が良いわよ。残党が別の盗賊に情報を流す可能性もあるし。』


セシル:『私も賛成ね。出来れば私達の情報が広まらないうちに叩きたいわ。盗賊だって他にも協力者が居ないって保証も無い訳だし。』


レン:『となれば先ずは調査だな。盗賊達の規模がどのくらいを探ろうぜ。』



レン達はハウエルの盗賊に関する話をロストルで聞いて回る事にした。


少なからず情報は集まったが、どれも確信に迫るほどのものでは無かった。



アン:『ほとんどが噂程度の話ね。』


セシル:『妙ね。ハウエルから来た人も結構居るし、もっと情報が集まっても良さそうなんだけど・・・。』


レナ:『それだけ盗賊を恐れてる人が多いのかも知れないって事かな?』


レン:『いや、多分それは多分違うな。話した感じだと何となく口止めされてる様にも感じるんだ。』


アン:『確かに受け答えは普通だったけど、少し言いづらそうにしてた気もするわね。』


セシル:『もしかしたらハウエルの領主が悪評を広めらるのを恐れて無くて口止めしてるのかもね。盗賊が頻繁に出る様な町に来たがる人なんて居ないもの。』


レン:『それもあるんだろうけど、もしそんなに頻繁に盗賊が出るなら何故盗賊ハンターを雇わないんだ?』


レナ:『・・・盗賊ハンターに支払うお金が無いとか?』


セシル:『ハウエルほど大きな町の領主なのにそこまで財政難な訳無いわ。でも盗賊は町の周辺にしか出ないのよね?』


レナ:『聞いた話では町への入り口に砦があって、兵士が常駐してるから町への直接的な被害は無いらしいわ。』


アン:『もしそうなら、盗賊の戦力はそんなに高く無いって事なんじゃないの?』


レン:『いや、むしろその兵士達が何故盗賊退治をしないのかが俺は気になるな。町の周辺に盗賊が出るのは町にとっても不利益な筈だろ?それなら領主が兵士に盗賊退治を命じても良い筈だ。』


レナ:『それもそうね。盗賊が出始めたのも3年位前からだし、今まで何の対策もしなかったっていうのも不自然だわ。』


セシル:『・・・今、3年前って言った?』


レナ:『えぇ、3年前、ハウエル近郊の森で冒険者のパーティーが襲われてそのまま拐われたの。それからは毎日の様に旅人を襲う様になったのよ。』


レン:『へぇ・・・やけに詳しいんだな。レナってただの旅人じゃ無かったのか?それに盗賊が出始めたのはつい最近って言って無かったっけ?』


レナ:『っ!!そ、それは・・・。』


アン:『ねぇ、そろそろ本当の事を話してくれても良いんじゃない?アンタが一体何者で何を目的としているのか。』


セシル:『騙しててごめんなさいね。貴女が何か重要な事を隠しているのは会った時から分かってたのよ。』


レナ:『そっか・・・なんだ、バレてたのね・・・。わかったわ、全部話すわね。』


レナは行方不明になった兄を探して旅をしていた。


3年前、ハウエルを拠点に冒険者をしていたレナの兄は、突如現れた盗賊団達に拐われて行方不明になったらしい。


その情報を知ってからは盗賊団を倒す為に仲間を募っては何度もハウエルに行っていた様だ。


だが日に日に増えて行く盗賊に怯え仲間は離れて行き、最近では一人で協力して貰える人を探していたらしい。


レン:『って事は盗賊の勢力はある程度分かるって事か?』


レナ:『ハウエル近郊に居る盗賊は二つの組織で、東側の森に居るのは約50人の集団よ。西側の盗賊団はさらに多いみたいだわ。その二つの盗賊団を繋いでいるのは他ならぬハウエルの領主、レクニア男爵よ。』


アン:『あぁ、やっぱり領主が絡んでたのねぇ。それでその領主は盗賊なんかと組んで何をしようとしてんのかな?』


セシル:『単純よ、盗賊の活動を見逃す代わりに盗賊達から大金を受け取ってるんだわ。』


レン:『なぁ、だとしたらハウエルに行くより、王都の騎士団にこの事を伝えた方が良いんじゃないのか?貴族が絡むと後々面倒な事になるぜ?』


セシル:『そうね、下手をすれば私達がハウエルの兵士達に襲われかねないわ。』


レナ:『そんな!王都までどれだけあると思ってるのよ!?』


アン:『でもレナ、相手は男爵なのよ?アタシ達が盗賊を退治したとして、その後兵士に捕まったらどうするつもり?』


レナ:『でも、じゃあ兄さんはどうなるのよ!?』


セシル:『レナ、お兄さんが拐われたのって3年前なのよね?それから何かしらの連絡ってあったの?』


レナ:『・・・無いわ。兄さんが盗賊団に拐われたらしいと連絡が来てからは1度も。だからこそ急ぐ必要があるのよ。』


セシル:『・・・貴女のお兄さん、本当に盗賊に拐われたのかしら?』


レン:『俺も引っ掛かってたんだ。盗賊が3年もの間連れ去ったままにしているのはおかしい。女ならともかく、男を拐っても利用価値なんて大して無いだろ?普通なら奴隷商に売り飛ばすか、何等かの仕事をさせる筈だ。もしくは・・・。』


レナ:『まさか兄さんは殺されたって事!?』


アン:『そうじゃ無いわ、ギルドに登録した冒険者が殺されたんなら、家族に死亡通知ぐらい来るはずよ?盗賊はアンタのお兄さんが拐われた頃からハウエルの近くで旅人が襲い始めた。それ以来お兄さんからは連絡が来ない。普通に考えたら 、アンタのお兄さんが何等かの形で今も盗賊に関与している可能性が高いって事よ。』


レナ:『まさか・・・兄さんが・・・盗賊になったっていうの!?』


レン:『あくまでも可能性の話さ。もしかしたら拐われたのは本当で、その後他の何処かで解放された可能性だってあるんだ。』


セシル:『だからこそ領主を先に何とかしないといけないのよ。お兄さんがどんな状況であるにせよ、貴族が絡んでいるなら状況的にも私達だけで動くには限界があるわ。』


アン:『いずれにしても、私達が協力するなら先に王都に行くわ。どうするかはレナが決めなさい。』


レナ:『・・・少し・・・考えさせて・・・。』


その日はロストルに泊まり、翌日どうするかを決める事にした。



お読み頂き有り難う御座いました。

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