第1話 盗賊キラーの爆弾コンビ
お読み頂き有り難う御座います。
第1話です。
レン:『な~んかおもしれぇ事無ぇかなぁ?』
アン:『ちょっとレン!シャキッとしなさいよ!今日中に町に着かなかったら野宿なのよ!』
鬱蒼とした森の中を通る街道を歩く二人。
レン:『だってさっきからずっと同じ景色なんだぜぇ?町なんか一向に見えやしねぇじゃんかよ?』
アン:『仕方無いでしょ!もう、何であんな所で盗賊なんかに出会すかなぁ。』
レン:『結構楽しそうに魔法ぶちかましてたのはどちらさんでしたっけ?』
アン:『あんただってお金になるって喜んでたじゃない。』
その時二人の後方から行商人の荷馬車が近付いて来た。
レン:『襲うのか?』
アン:『馬鹿言わないでよ!お願いするに決まってるでしょ!』
アンが手を振ると荷馬車が停まってくれた。
アン:『すいませーん!次の宿場町まで乗せて貰えませんか?』
操馬主:『あぁ構わんよ。二人だけかい?』
アン:『えぇ、そうよ。ワタシはアンであっちがレン。』
レン:『すんません、お世話になります。』
二人を乗せた荷馬車は森を抜け、小さな町に差し掛かると突然停まった。
操馬主:『ちょいと待っててくれや。』
そう言い残して操馬主が目の前の家に入って行くと、反対の家から出て来た数人の盗賊が荷馬車を取り囲んだ。
レン:『はぁ、またこれか。』
アン:『レン、あんた呪われてんじゃないの?』
盗賊1:『お取り込み中悪いが嬢ちゃん達、身ぐるみ全部置いて行きな。』
レン:『ホレ、嬢ちゃん脱げってよ?』
アン:『あんたねぇ!』
盗賊2:『さっさとしろや!このクソガキ!』
アン:『仕方無いわねぇ。』
アンは立ち上がると、小声で呪文を唱え炎魔法を放った。
盗賊2:『うっ!うわぁぁぁ!』
炎は盗賊の身体を包み込み、盗賊はその場に倒れた。
盗賊1:『てめぇ!!』
1人が剣を振りかぶった瞬間、アンが盗賊の顔面に蹴りを入れる。
レンもしぶしぶ他の盗賊の相手を始めた。
アンに目掛けて吹き矢が飛んで来ると、すかさずレンが剣で払った。
アン:『サンキューレン!』
レンは息を吸い込むと大きく振りかぶり、目の前の3人を一太刀で切り払った。
アンは逃げ出した盗賊達目掛けて炎魔法を飛ばし『バーニング!!』と叫ぶと炎が炸裂して盗賊達はその場に崩れ落ちた。
レン:『あれまっ、えげつない事で。』
アン:『人の事言えないでしょ!』
周囲を確認すると誰も居ない様だった。
操馬主が入って行った家を覗くと、既に逃げた後だった。
レン:『なんだかなぁ、おっさん!この馬車貰ってっちまうぞ!』
アン:『ラッキー♪ねぇレン、馬車に食料乗ってるわよ!』
レン:『お前なぁ・・・そんでコイツらどうすんだよ?』
アン:『盗賊なんだから懸賞金ぐらい付いてるでしょ?カードさえ抜いたら用は無いわ、その内魔物あたりが食べに来るわよ。』
レン:『・・・さいですか。』
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