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◆魔剣名鑑◆#3


◆魔剣名鑑 #13【〈金管の豪剣群(ブルトリングス)〉】◆


人間の刀鍛冶シュトーダス製の魔剣。両手剣、片手剣、短剣などの混ざった数打ちの量産品。序列・測定不能。


錆びにくく、壊れにくいという特性を持った魔剣。それだけの能力。

しかしリアムが使用する場合に限り、シュトーダス製の魔剣はある特性を持つ。

互いの剣とリアムにのみ干渉する透明の弦のような力場を作り出し、そして“つがえて”――“射出”する。


二点の剣は弦の始点であり、その間に存在する剣を既に「つがえた矢」「引き絞られた弦」として能力は発現。この際、それぞれの距離に応じて破壊力を増す。

逆に、始点を矢に目掛けて引き寄せることも可能。

引き絞られた状態の弦が元に戻るまで――つまり透明の弦が始点の剣と剣を結んだ一直線に重なるまでは、どこまでも力を籠め続け、粉々になっても魔剣は射出をやめることはない。

事実上、この魔剣が射出に至るまでに巻き込まれたものは絶対に貫かれることとなる。この世に貫けぬものは存在しない魔剣である。


なお、余談であるがリアムが両手に常に手にするのは、養父の作った剣の内でも特に出来のよい二振りである。




◆人物名鑑 #9【リアム・ア・ボイエ】◆


深い藍色の長髪に金色の眼。二十歳前後。死霊術師/魔剣使い。

金管の豪剣群(ブルトリングス)〉の使い手。


元は死霊術師の生まれであり、死者の声を頼りに(罠や秘密を暴き)戦で荒廃した村から魔法の金庫や遺留物を奪う火事場泥棒的な盗賊をなりわいとしていた。

刀鍛冶である養父に拾われたのは七つの頃。それからしばらく、養父と共に暮らしていた。

養父の死後はその資源場だったダンジョンに籠もり、生前の養父の言いつけを己の指針として胸にし、ならず者の冒険者や盗賊を撃退することを続ける。

武器は養父の打った数打ち物(量産品)の魔剣である。


何故この剣に能力が宿ったのか。それはリアムが剣の錬磨に関わっていたからかもしれないし、剣の元に使われた材料――鉱石のある空間で暮らし続けたからかもしれない。

ただ、使い手は一人。魔剣のこの力を使えるのは、リアムただ一人である。


リアムという名は養父に名付けられた。

そこに篭められた意味は『決して折れぬ意思/揺るぎない守護』である。

なおリアムは、一度とて養父の霊の声だけは耳にしたことがない。

そして、この剣を使うようになってからの彼は二度と霊の声を聞くことはなかった。


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