華麗なる遍歴~アイドルグループのセンター~女子大生アイドル~ミスキャンパス~アイドル出身女子アナ~フリー転身~高学歴タレント~政治家!《短編バージョン》
私の名は白鳥妃羅梨。
私の家系は代々、女系一族であり、華麗なる遍歴があるの。
曾祖母は、戦前の貴族院議員をやっていた、曾祖父に嫁ぎ、政治活動を支えたの。
祖母は、我が国を代表する大企業となった、シラトリ物産㈱の創業者。
母は、その系列のシラトリ自動車㈱や、シラトリプロダクション㈱という芸能事務所を創設し、芸能界の方にも影響力を持っているの。
そして私は今、国民的アイドルグループ『私立乃木坂学園』のセンターをつとめているの。
ここまで聞いたところでは、ただの自慢話に聞こえてしまうかもしれないけど、実際、本当の話だから。
そして私が今目指すのは、慶○義塾大学に進学して、ミス慶○になることよ。
その先は、女子アナよ。
さらに先には、人も羨むような、華麗なる人生が待っているわ。
そもそも私が『私立乃木坂学園』に入ってきたのは、最初は親のコネもあったし、別に売れさえすれば、どこでもよかった。
親のコネのことで、いろいろと心ないことも言われたりしたわ。
だけどね、それから『私立乃木坂学園』は、まさに坂の上の雲をつかみ取るかのように、人気急上昇になって、そしてついに私は、その『私立乃木坂学園』のセンターの座を勝ち取ったのよ。
だけどその一方で『アンチ』とかいう、好きな芸能人を応援するよりも、
気に入らない芸能人の悪口、誹謗中傷を書いて、それに対する反応見てる方が、歌なんか聞いてるよりも楽しい、とか考えているような奴らとかも実際にいるから。
特に特定の芸能人やグループが嫌いだと思ってるような奴らは、
「こいつら以外なら誰でもいい」とでも言わんばかりに、
その特定の芸能人やグループを嫌っているっていうから。
まあ、私の個人的な意見、『アンチ』へのあてつけだけど。
それで、本当に殺人予告とか、本当に実行しようとか考えるようなバカどもも、実際にいるっていうからね。
ホント、そんなんじゃ、将来的にこの業界に入ってくる人、いなくなるよ。
あと、将来的には、実写の俳優や女優がいらなくなって、
ライトノベル原作のアニメをゴールデンタイムにやるようになって、
そのキャラクターの声を演じる声優だけいればいい、
このままいったら冗談抜きでそんなことにもなりかねないって、
うちの母、つまりシラトリプロダクション㈱の社長さんが言ってたよ。
私は将来は政治家とかも目指したいなって。
貴族院議員だった、写真でしか見たことがないけど、曾祖父みたいにね。
自分で言うのもなんだけど、私は極めて恵まれた環境の中で育ってきて、
幸せすぎて怖いと思うくらい、現状に満足してはいるし、幸せだとは思う。
だけど、世の中にはそうじゃない人たちの方が多いっていうから。
私のつまらない話に長々とつき合わせてしまって、ごめんね。
だけど本当は私のような立場になりたい、私のような華麗な人生を歩んでみたい、と思っている人たちって、たくさんいるんじゃないかしら。