【恋愛ネタ】起きたくない
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
朝目覚めた時に感じる甘い熱。起きるのが億劫になるほど、人肌に馴染んだ布団の中。昨夜の晩、布団に籠った時には、あれほど眠るのが嫌だったのに、今は逆。出たくない……。
私は慎ましやかに鳴り響く機械音を鎮めると、抱き枕よろしく添い寝相手に抱き着いた。
「うぅ……起きたくない……」
「はい。頑張って」
しがみつかれた方は眠りに誘う様な声音で頭を撫でる。羽織っているのが薄い布地だけの為、筋肉は延々と熱を発する。尚のこと居心地が良くて、私はまた眠りに落ちそうになる。それを振り切る様に被りを振って、無理矢理瞼を開いた。
「目覚めのチューしてくれたら頑張る」
「そんな事しなくとも出来る子でしょうに」
駄々をこねながらも、胸元に顔を擦り付け、何とかこの主の顔を拝んだ。
男にしては少し長く、サラサラした茶髪。色白で中性的な顔立ちが前にあった。幸せな目覚め。優しくて甘ったるくて、そのまま寝そうになる。
私は寝惚け眼を擦りながら、どうにか上体を起こす。体に当たる冷気。一瞬にして現実に引き戻すには十分過ぎるもので、思わず身震いをした。
添い寝相手のアレニエが聖母のような笑顔で小首を傾げた。
「おはよう御座います」
「アレニエ……」
「はい」
私は憂鬱そうな、はたまた泣きそうな顔で問い掛ける。こんな歳にもなってと、小言を言われるかも知れない。それでも。
「今日も添い寝してくれる?」
「ええ。勿論」
性根ダメ人間なので、ヒモみたいな言葉を吐きながら毎朝起きます。
恵まれた環境で何言ってやがる!!
と黒ニエにしばかれそうですね。
全くもって大変恵まれているので、本当その通り。
もっとちゃんとしないといけないですね。




