【R15恋愛】奪い合い
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
お昼はこってりしたつけ麺だった。魚介ベースのスープに、縮れ麺。加えて三時のおやつにチーズケーキ。ほろ苦い珈琲も合わさって完璧だった。其れらをお腹一杯に溜め込めば、胃袋が寡黙にも幸せだと叫んでいる。
長髪の男はCDプレイヤーからクラシックを流し始めた。G線上のアリア。高音域の波長が鼓膜を撫でれば、睡魔はあっという間襲ってくる。それを察してか、彼は私の髪を人撫ですると、腰を引き寄せた。
「なぁに? お腹いっぱい? じゃあこのまま寝ちゃおうか。でもその前に……」
男、ロキは鎖骨の中心部に顔を埋めると、上目遣いで此方を見上げてきた。手が悪さをするように釦を外しにかかる。肩口を晒せる程に下ろすと、ちゅっと一つ口付けを落とした。
「俺もお腹いっぱいになりたい」
眠気が凄い。私は彼の言葉に促されるまま、こっくりと頷いた。
同棲中の少女の肩に顔を埋め、血を啜る。甘美な、蜜のような味が舌を撫でて、喉を下っていく。動けないよう上にのしかかって、皮を貼らせる。傍から見れば襲っているように見えるだろう。
「あぅ……ぅっ…………うっ」
うん。いい子いい子。拒絶もしないでされるがまま。もっと頂戴?
思わず喉が鳴りそうなのを堪え血を貪っていると、チッと短い舌打ちが聞こえて来た。その仕草一つでも、彼がどれ程理解出来た。一度めり込ませた犬歯を引き抜いて、半眼で声の主を見据える。小馬鹿にしたように髪を掻き上げて、舌なめずりを一つ。
「見るのが好きなんだ。結構すけべぇだよね。アレニエ」
「帰って来て早々イチャついてんのはテメェだろうが。部屋でやれっつの」
行儀の悪い口調、態度。何時もの優男は也を潜め、狼のような目をした男がいた。粗雑で乱暴な雰囲気はもう一つの人格とは似ても似つかない。
俺はくったりと力が抜けた少女の体を抱き締めると、煽るように上目でガンを飛ばす。互いに睨み合う。先に目を逸らしたのは俺だった。胸元に頬を擦り寄せて、手をひらつかせる。
「はいはいはい。ご機嫌下げないで〜。代わりに膝枕する役目、譲ってあげるから」
「あ゛っ?」
「アレニエ怖ぁい」
「気色悪い猫なで声止めろ」
彼女の唇に口付け一つ。そろそろ代わって上げないと、暴力に身を任せて髪切られちゃうからね。名残惜しいけど、これでお終い。彼女の華奢な体躯をアレニエに渡すと、今度は彼に甘える様に凭れかかった。甘えられた方は安堵の表情で、晒された胸元を閉ざしてゆく。全て元通りに直したあと、自分の膝を枕に髪を撫でる。
「あんまり無理させんなよ」
「気を付けてるよ? でも眠る時は気持ちが良い方がいいでしょ?」
湯船で眠る様に、眠る時は心地が良い方が良い。甘い快感に身を任せて、眠ってしまえ。
吸血鬼ネタが書きたくて。R15の恋愛ネタが書きたくて。
こうなりました。(禁断症状ですね)
お腹いっぱいになって、膝枕されながら、頭の撫で撫でされるのを見るのが好きです。ぽっくり寝ます。
あとロキの煽り口調。書いててめちゃ楽しいです。
また何かありましたら、此方から。




