依存と拒絶
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
静かなリビング。散乱してあるコップ、空になったペットボトル、それから大量の原稿、原稿、原稿。その中で女が一人、ひたすらに物を書いていた。私はそれを見ながら、出されたお茶に口を着ける。飲んだことがない味だった。烏龍とも、緑とも違う。
女も静かにそれに口を着けて、徐に目を開いた。、
「ねぇ、アレニエ。貴方の好敵手が、落ちぶれて、縋って来たらどうするかしら」
「とりあえず、あの長ったらしい髪を掴んで、『舐めてるんですか? 何時からそんなに弱くなったんです? 見損ないましたよ。ロキ』と言い放つだけですが」
思っていた以上に冷ややかな声が喉から出た。
普段、穏やかな口調、態度を心がけているが、今はきっと言葉に倣って冷たい目をしている事だろう。裁きを下して来た、罪人共を見る目。心の底から相手を蔑む目。
女はそれを受けて立ち上がった。それから私の真横に立ちはだかると、大層愉快な物を見るような目で、此方を見下ろしてくる。愉悦塗れの目だった。
「アレニエ〜!! 君のそう言うところが、殺したい程大好きだよ〜」
「そうですか。それは結構」
私の同僚達がするように、ぎゅっと腕を巻き付けて来た。それから頬を擦り寄せて、甘えてくる。うら若き乙女がそんな事を……等と今は小言を言うつもりはない。されるがままになる。暫くすると興奮が落ち着いたのか、巻き付いている力が弱まった。縋り付く、動作だった。
「なぁ、アレニエ。もし仮に私が慰めて欲しいと願ったら、君は慰めてくれるかい」
「えぇ。良いですよ。ホットミルクでも作って、日が暮れるまで愚痴を聞いてあげましょう。毛布で包んで子守唄でも歌ってあげましょう。だから臭い演技は辞めましょうね」
そう言って、彼女の髪を人撫でした。横目で一瞥すると、ケロッとした顔で目の前のお茶に手を伸ばす。女心は秋の空に例えられるが、まぁそんな所だろう。
彼女の振る舞いを見ていると、かつての上司を思い出す。子供の様にコロコロ表情が変わって、思いのままに行動する人だった。あんまり人の話を聞かない所も含めて、どうにも彼女を連想させる。
「シェーレとは偶に話すの?」
「如何せん、私は『引きこもり』なので、会っては居ないのですよ」
あの過去を乗り越えた上で、あの性格だ。どんな修羅場であっても乗り越えて見せるだろう。
「お邪魔するよ。お嬢さん」
「あ、ロキだー。今さ、シェーレの話してたんよ。るー君とは会った?」
「変わらずだよ。何方も」
女は黙って席を立つ。神嫌いの司祭に茶を振る舞う為。
大して読まなくても良い、作者の独白。
相変わらず、大好きな二人です。
何度も言うようですが、本当に好きです。
アレニエのこんな所がハチャメチャに好きです。
誰が縋ってきても優しいと思うんですよ。
でも相手がロキと罪人なら話は別です。
鎬を削る相手だからこそ、依存は決して許さない。
もし億が一でも依存しそうになったら、ロキ自身もそうやって喝を望むんじゃ無いかなと。
甘える事は許してますけど。精神年齢の高さ故ですね。
シェーレも、るー君も設定出来てます。
シェーレは此処に出て来た子の様な人です。
人の話し聞かねーし、アレニエの事を最初は女子ちゃんだと思って暴走するし。
でもしっかりアレニエの上司です。精神性はしっかりゴリラです。




