詰まらない話の止め方
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
ほんのり恋愛を思わせる。と、言いますか、女子ちゃんを甘やかしてる描写があります。
解釈違いなんだよ!!
という方、ご注意下さい。
「ロキ……? 貴方という方は……いいですか!?」
目の前には米神に青筋を浮かべたアレニエ。どうやらまた仕事をサボって放浪した事を怒っている様だ。もう聞き飽きた。何千何万と繰り返されるその有難〜いお言葉はもう耳にタコができる程聞かされたものだ。
ソファに凭れ掛かりながら、欠伸を一つ。気に入りの、信念を示す為の司祭服に皺が出来ない様に軽く叩く。
長いんだよねぇ、アレニエのお説教。力技で捩じ伏せた方が絶対に早いのに、生真面目でお優しい君は、御言葉で解決しようとする。そりゃまぁ美徳だけどさ。
俺は部屋の隅っこで一人慌てている彼女に目を向ける。喧嘩が嫌い。出来れば無理しない程度に仲良くして欲しい。そんな感情がありありと浮かんでいた。可愛いね。
暇ならば。と此方に向かって手招きする。やる事は決まっている。
「こっちへおいで」
「ロキ……?」
「まぁまぁまぁ。怒ってばかりじゃ血管切れるよ。」
目尻を釣り上げ、腕を組む相方に向かって、せせら笑いを浮かべる。まだ青筋を浮かべているが知ったこっちゃない。話が長い。言いたいことは簡潔に。何時も他の面子の前ではそれが出来るのに、何故説教になった途端、それが飛ぶのか。
気分転換も兼ねて、隣に座った彼女の髪を梳く。まだ緊張している様で、肩が強ばっている。その様を見て、テーブルに乗った包みを剥がす。剥き出しになったナッツチョコを指で摘んだまま、彼女の目の前で止めた。
「チョコあげる。ほら、上を向いて、口を開いて?」
「……もう良い大人何ですから、自分で食べられますでしょう?」
呆れた顔でアレニエも彼女の隣に座った。彼は指一本足りとも彼女に触れようとはせず、目の前に置いてある包みに手を伸ばして、口に入れた。
分かってないなぁ。知った上でやってるのさ。可愛い子は可愛がるもんでしょ? 骨をも溶かす程に可愛がって、照れた顔を褒めて……。あぁ、想像しただけで可愛いなぁ。
思わず口が綻んで、腰周りに手を回す。小さな悲鳴が聞こえたが、大人しい彼女は俺に言われた通りに上を向き、その小さな口を開けた。その小さく開かれた深淵にコロンと一粒、玉を落とした。
「ほら、も一つ」
お説教なんかより、もっと楽しい事しようよ。
本当は別のキャラにやらせようと思ったんですよ。餌付け。
詰まらない話を延々と聞いてて、退屈に思ったから、隣に居る子に『チョコ食べる?』って言って甘やかすの。
んでもって、『もう大丈夫です……』って言わせるまで餌付け続けるの。
口調が甘くて、物腰柔らかいロキなら、まー行けるっしょっとなってこうなりました。
女子ちゃん甘やかしてるロキが好きです。
後お説教して、胃に穴が開きそうなアレニエが好きです。
力技で捩じ伏せる。というのはそのまま。
ガチの戦闘狂なんで、言葉で話すより殴り合いたい奴です。
同列だからこそ、そうやって決着をつけたい。
まぁ、コイツらしい。




