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【第4話】僕と同じだけど、交わらない物語。

あれから数日後、森を抜けて、転移陣を使って王国近くの平原に出た僕達は、街道をのんびり歩いていた。



「それにしても…魔界から王国って近くない…?;」


「前に言っただろう、王国とは親交が深いと。

だからお互いに往き来しやすいように魔族/王国民用の秘密の通路が在るんだ。

実際には半年程かかるんだぞ。」


「因みに~これを設置してくれたのは~王国の最上級貴族の~『ハーレスト公爵家』で~す!」


「現当主は国王の腹心で前魔王様や姫様の親友、次期当主とその姉は姫様の親友だ。」


「名前は『ステラ=ハーレスト』と『リア=ハーレスト』です、クールな姉のステラさんはサクラやヴィー、ノエルさんとも仲が良いですよ♪」


「ああ、温厚な弟のリアの方はヴィーの妹である、『ルーシー』と仲が良いな。」


「へぇ…。」


「二人共~とっても良い子よ~♪」


「歳はユウキと一緒位だな、因みに跡を継げないステラは警察騎士をしているぞ。」


「わーお…;」



クールな警察騎士…;

そう言えば高校生の時の櫻子はクールな性格で警察官志望だったけど…最後に会った時にはIT系になってたし…まさか…ね…?;

ってかやっぱり貴族は男性社会なのかぁ…。

よくある中世設定っぽいけど、女性でも騎士になれるみたいだし、所々違うみたいだけど。

…ってそりゃあ地球じゃないんだから当たり前だけどさ…;



「…ん?」


「…?どうしましたか?サクラ。」



…と、サクラが立ち止まった…理由は僕にも分かる。

『悲鳴』だ。



「ああ…今…ルーシーの悲鳴が聞こえた気がする…。」


「僕にも聞こえた、女の子の悲鳴だ。」


「ゆぅちゃん耳が良いわね~?」


「この狐耳は飾りじゃないって事だね。」



僕は言い終わらない内に駆け出し―


「待った。」


「っわ!?;

なにするのさサクラッ!!;」



いきなり腕をつかんで引き寄せたサクラに困惑する僕。

そんな僕へ、サクラは冷静に、かつ言い聞かせる様に言う。



「迂闊に向かうなユウキ。

先ずは姫様の魔法で姿を消し、上空から奇襲を仕掛けよう。

相手が魔法使いや魔眼の持ち主でなければ奇襲・強襲で優位に立てる。戦いの基本だ。」


「あ…うん…でも、空…?;

このメンバーで飛べるのってサクラだけでしょ??;」



しかし、サクラは不敵に笑う。



「オイオイ、おれは曲がりなりにも龍人だぞ。

だから龍形態に変身可能だ。

異世界人は好きだろ?龍に変身とかそうゆうの。」


「Σサクラさんマジチート!?;」



いや確かに最初から『魔姫近衛騎士隊副長』が仲間な時点でロープレ的にはチートキャラなんだけどさ!?;



「では姫様、姿隠しや音消しの魔法をお願いします。」


「はい!っと完了です♪」


「サラッと無詠唱キターッ!!;」


「はぁっ!!」


「うわっ!!本当に龍になった!?;」



サクラが気合いを入れた声を上げると、サクラの姿が3m位の龍に変わった!!



『だからそう言っただろう?まぁ、これはまだ本気では無いがな。』


「さぁ~姫様~ゆぅちゃ~ん♪」


「ありがとうございますノエルさん。」


「ありがとうお姉ちゃん…;」



颯爽と乗ったお姉ちゃんに手を貸してもらいながらサクラの背中に乗った。

因みにサクラも皆が乗り易いように伏せ、尻尾を足場にしてくれている。



『では飛ぶぞ、姫様は定位置(背中の突起)に、ユウキはノエル様にしっかり掴まっておけ!』


「は~い!お姉ちゃんがしっかり支えますからね~♪」


「うん、お願い!」


「良いですよサクラ!」


『よしっ…!』



そう言ったサクラは一気に飛び上がった!!

すると、前方に見えたのは緑髪のメイドを庇う様に立つ銀髪の騎士と黒髪の騎士の姿と、それと対峙する黒髪の剣士風の男、茶髪の弓使い風の女、黒髪の魔道士風の女、黒髪の僧侶風の女、茶髪の戦士風の女がいた。

あれらは…傀儡勇者…?

剣士は『ユーゴ』、弓使いは『ミカ』、魔道士は『マフユ』、僧侶は『アキホ』、戦士は『ハルナ』…だったっけ…


…僕は魔眼で地上の8人を視た。



名前【赤坂アカサカ 優悟ユウゴ】【男】

年齢【17】

種族【人間(異世界人)】

┗道具効果強化

クラス【帝国勇者(一級フラグ建築士)

┗ソードマスター、体力強化(大)、戦闘力強化(大)、勇者の光

└ソードマスター…全剣術使用可能、剣術スキル与ダメージ増大

└勇者の光…自分を含めたパーティーメンバー全員を超強化、パーティーメンバー全員の与ダメージ150%上昇、全ダメージ50%カット



名前【緑川ミドリカワ 美夏ミカ】【女】

年齢【17】

種族【人間】

┗道具効果強化

クラス【宮廷弓使い(幼馴染み属性)

┗ハンティングマスター、命中強化(大)、俊敏強化(大)

└ハンティングマスター…全弓術使用可能、弓スキル与ダメージ増大、状態異常付加率強化、サバイバルスキル強化




名前【白雪シラユキ 真冬マフユ】【女】

年齢【17】

種族【人間】

┗道具効果強化

クラス【宮廷魔道士(合法ロリ属性)

┗マジックマスター、魔力の泉・極、魔法攻撃力強化(特大)

└マジックマスター…全攻撃魔術使用可能、攻撃魔術威力増大、詠唱破棄・無詠唱可能、無言/封魔無効

└魔力の泉…1秒毎に魔力100%回復。

└詠唱破棄…魔法名のみで魔法発動

└無詠唱…魔法を詠唱せず、かつ魔法名も唱えずに発動可能、但し威力は下がる




名前【赤坂アカサカ 秋穂アキホ】【女】

年齢【16】

種族【人間】

┗道具効果強化

クラス【宮廷僧侶(妹属性)

┗ヒーリングマスター、魔力の泉・極、守備力強化(特大)

└ヒーリングマスター…全医療魔法・光属性魔術使用可能、医療魔法効果増大、勇者パーティー内のメンバーのみ死者蘇生可能、状態異常・即死無効、詠唱破棄・無詠唱可能




名前【桜庭サクラバ 春菜ハルナ】【女】

年齢【18】

種族【人間】

┗道具効果強化

クラス【宮廷戦士(先輩属性)

┗ファイティングマスター、体力強化(特大)、戦闘力強化(特大)

└ファイティングマスター…全戦士スキル使用可能、戦士スキル威力増大、体力自動回復(3分につき100%)



うん…

敵 が 本 物 の 勇 者 パ ー テ ィ ー だ っ た !!;

ってかなに!?;この『ぼくのかんがえたさいきょーのゆーしゃ』みたいなステータスッ!!;

あ…でもショットガンや二刀流、男戦士は居ないみたいだ…と言うかハーレムパーティー…?;

うわぁ…露骨な女好き過ぎて嫌いだね、女の子に戦わせて恥ずかしくないのかっ―


ユウキ サクラ(♀) ティエサ(♀) ノエル(♀)


…;

やめよう…;

今のは思いきりブーメランだった…;



名前【ヴィクトル】【(女)】←(!)味方

年齢【???(見た目は幼女、だって好きだもの、この姿。)】

種族【ニャルラトホテプ】…有名な邪神だね…ブイ…。

無貌むぼう、性別不明、SAN値直葬耐性、闇属性無効、体力自動回復(1分で5%)、不死身、逆 探 知 。

クラス【魔姫近衛騎士隊隊長(最強の嫁)

┗戦闘力強化(大)、サクラが側に居ると与ダメージ増大100%、ティエサが側に居るとダメージカット50%

└無貌…ニャルラトホテプと言うか邪神の基本能力、今貴方に視えている顔ですら偽物であるかもよ…?

└性別不明…彼(彼女)には性別の概念が存在しない、従って、今貴方に視えている性別でさえも偽りかも知れないよ…?

└不死身…死なないだけ、所謂戦闘不能や瀕死状態にはな―あぁっ!!窓に!窓に!

※貴方の魔眼は、我から逆探知されている…

我が妻の味方で無ければSAN値直葬にしてやった…

※貴方のSAN値が減りました、SAN値チェックを推奨します。


【ヴィクトルのパーソナリティー】

1.『寡黙(クーデレ)

┗氷耐性、封魔/無言耐性。


2.『サクラ色の世界(百合気質)』…サクラは…我の嫁…

┗女性パーティーメンバー×5%ステータス上昇、サクラが居れば更に10%上昇、非戦闘員の女性も含む。


3.『真・魔眼(百合の嗅覚)

┗相手のステータスを、隠蔽いんぺい改竄かいざんを無視して視る事が出来る。

相手の性別を確実に看破する。


4.『桜火竜の嫁(永遠のバカップル)

┗火炎耐性、サクラが側に居ると自動回復力強化、サクラとステータス共有。


5.『姉(妹愛)(シスコン)

┗ルーシーが側に居るとクリティカル率上昇



名前【ルーシー】【女】←(!)味方

年齢【???(見た目は少女)】

種族【ショゴス】

┗ご奉仕精神、不定形、SAN値直葬耐性、火炎属性披ダメージ増大

クラス【魔姫近衛騎士(無口な妹メイド)

┗医療魔法使用可能、医療魔法使用時消費魔力減少

└ご奉仕精神…医療魔法効果増大、家事スキル・料理スキル強化

└不定形…この世界に存在するどんなものにでも変身可能


【ルーシーのパーソナリティー】

1.『無口(或いは口下手)

┗無言/封魔無効、詠唱破棄・『真・無詠唱』可能

└真・無詠唱…魔法を詠唱せず、魔法名も唱えずに発動可能、喋れなくても魔法が使え、威力も下がらない


2.『妹(姉愛)(シスコン)

┗ヴィクトルが側に居ると守備力強化(大)、サクラが側に居ると戦闘力強化(大)、二人共側に居ると体力自動回復(1秒毎に1%)、ヴィクトルやサクラに庇われる時それぞれにダメージカット50%付加


3.『姫愛(プリンセスアトラクト)

┗ティエサの側に居る時、ティエサに超加速付加可能、自身は魔力自動回復(1秒毎に1%)


4.『ご奉仕種族(メイドオブメイド)

┗ご奉仕精神のスキル効果を超強化、ノエルが側に居ると俊敏上昇




名前【ステラ=ハーレスト】【女】←(!)味方

年齢【23(前世を含めると39)】

種族【人間(転生者)】

┗道具効果増大、前世の記憶

クラス【特務警察騎士隊隊長(クールナイト)

┗戦闘力強化(中)、不意打ち無効、補助魔法効果増大

└前世の記憶…赤ん坊からやり直した者のみに発現、前世の記憶や知識が死ぬまで残る。

楽しい事も、苦しい事も含めて全部…


【ステラのパーソナリティー】

1.『冷静沈着(クールビューティー)

┗氷属性強化&耐性、混乱・錯乱無効、魅了無効


2.『ハーレスト公爵家(王族の守護者)

┗精神攻撃耐性、操り無効、ロイヤルガード

└ロイヤルガード…『王族』を庇う時のみ自身に超加速を付加。


3.『????と(????)共に運命を覆す者(限定百合属性)

┗????=?????の側に居るとダメージカット50%+火炎属性耐性、同人物を庇うと自身にブースト、同人物とステータス共有可能


5.『姉(弟愛)(ブラコン)

┗リア=ハーレストが側に居ると魔法力強化(大)


6.『勇者/主人公嫌いアンチ・デイドリーマー

┗『勇者/主人公』に対して『ステータス無効化』の精神攻撃を仕掛けられる。

特定の『勇者/主人公』の近くに居ると『激昂』状態になりやすくなる。


7.『未だに残るモノ(前世の親友)

┗一番の親友だった????を最期まで助けたかった…それだけが23年経った今も心から離れない…。

非戦闘中、睡眠阻害(悪夢状態)、集中力減少(物思いに耽る)、稀に幻覚状態(親友に攻められる幻視・幻聴)になる、????=?????の側に居る時に限りこのパーソナリティーは無効。????に出逢えた時にこのパーソナリティーは消失。



味 方 も チ ー ト だ っ た !!;

ってかえっ…?;なにこれ…?

もしかしなくても10面体2個か100面体のサイコロ振らなきゃダメ…?;

とにかくヴィクトルさんすいまっせんでした!!;


※いい…貴方は…****だから…許す…。


(!)ユウキのパーソナリティーに『邪神に認められし者(SAN値直葬耐性)』が付与された!!


えっ!?;なに普通にモノローグに入ってきてるの!?;

と言うか勝手にパーソナリティースキルを増やした!?;


※…我に…不可能は殆ど無い…。

それより…加勢…てんくす…勇者…様…。


…えっ…?僕の正体…知ってるの…??


※…狐耳…萌え…。


Σ答えになってなーい!?;


※嫁が来れば…我は無敵…。


ガン無視!?;



とっとにかく…味方のピンチ(?)だから何とか奇襲―



『『カオスラッシュ!!』』


『うわぁぁあっ!?』


『…雑魚…。』


『どうしたのよヴィクトル、急に強くなったわね?』


『…嫁が…来た…。』


『…姉様が…?』


『んっ…サクラが来た…。』


『なるほどね、じゃあ勇者様方には帰っていただきましょうかっ!』



―を仕掛けるまでも無く、銀髪の幼女騎士(ヴィクトル)黒髪の女騎士(ステラ)が連携技(?)を放って解決した…;

うそーん…チート同士だからってそりゃないでしょ…?;



『―ってんな訳あるかよっ!!』



…あ、帝国の勇者が立ち上がった。

どうやらいくらチートでも一筋縄では行かないみたい…

それを見たステラさんはあからさまなため息をついた。



『…はぁ…諦めの悪い…。

私程度を倒せずに王国を落とせると思っているのかしら??』


『うるさいッ!!お前こそ同じ転生者のくせに!何で王国に肩入れしてるんだよ!』


『あら、貴方がそれを訊くの?

帝国なんて最低な国の最低な皇帝何かに肩入れする道化師(勇者)が。』


『はぁっ!?魔王や魔界なんかと手を組む王国の方が人類の敵だろう!!

しかもお前の隣に立っている奴だって邪神だ!!

どう考えても正義は帝国にあるッ!!』


『…愚かね。

確かにそれは、貴方達の常識であり、地球での真理だったわ。

だけどね、ここは異世界よ。

しかも、私と貴方達には決定的な違いが沢山ある―


『(!)』



ステラとユーゴの姿がぶれたと思えば、複数の火花が飛び、再び現れた二人は…いや、ステラだけが肩で息をしていた…

それを見たユーゴが得意気な表情かおになる…ってムカつくなあの表情かお



『はっ!格好付けた様な事言っておいてこの様か!!

その程度で俺達勇者に楯突こう何て良いご身分だな!俺が遊んでやってた事も分からないのかハーレスト公爵家の長女様ッ!?』


『はぁ…はぁ…それよ…。

貴方達は…何の苦労も…努力もせず…漠然と手に入れた力で勇者を気取るッ!!』



ステラは再び斬り込み、ユーゴがあっさり弾き飛ばす、その上、復活したユーゴの仲間達から矢と魔法の雨が降り注ぐ…!



『させない…。』

『…守る。』


『ありがとう、ヴィー、ルゥ。』


『かまわない…。』

『…わたしは、メイドだから。』



その矢と魔法は、ヴィクトルとルーシーが作った壁に阻まれ、ステラに届く事は無かった…けど、サクラは何でまだ突撃しないの…?

ステラの話も気になると言えば気になるけどさ…


※…サクラには…我が…手を出すな、と言った…。


さいですか…;



『お前だって同じだろう!?

同じ転生者だ!!

…そこの空に居るアイツもナッ!!』



「「「「(!?)」」」」



気付かれた!?

いきなり光の剣が飛来、サクラがアクロバティックに回避、振り落とされた僕は頭から地面に向かって―



「ゆぅちゃんは死なせな~い!!」


「お姉ちゃん!?」



落ちなかった!?

お姉ちゃんに掴まれた僕は、一緒にゆっくり降下していた…

お姉ちゃんにそんな力、あったっけ…?

…!お姉ちゃんから貰ったチョーカーが光ってる!?

それに、僕らの周りに黒い霧みたいなのが…

地面に降り立った僕に、ヴィクトルさんが無表情でブイサインしてきたので、どうやらヴィクトルさんも何かしたらしい。



「…勇者…様…守れた…?」


「あ…うん、ありがとう…?;」


「『即死無効のチョーカー』、作っておいてよかったぁ~!ゆぅちゃん生きてたよ~!」


「うん…お姉ちゃんもありがとう。」


「まったく…心臓に悪いわね、会った瞬間には死体でした、何て洒落になら―ハッ!!」


「…まじっくうぉーる。」


「はぁ…喜ぶのは後ね。」



言ってる側からユーゴやハルナが斬り込み、矢と魔法が飛んでくる。

黒髪の騎士…ステラさんの顔はまだ見てないけど、声は聞き覚えがある…

やっぱり、彼女は―



「優悟。

同じ転生者であろうと、貴方達と私達は決して友達にはなれそうに無いわね。」


「そうだな!同じ日本人を殺すのは申し訳ないが、帝国の正義の為に死ねッ!!」


「…これだから…貴方達はゲーム感覚なのよ…。」



吐き捨てる様に言ったステラさんは、レイピアを構え直し、ユーゴに突撃する、それは、完全にヴィクトルさんやルーシーさんを信頼している動きで、ヴィクトルさん―


※我の事は…『ヴィー』で良い…、妹は…『ルゥ』と呼んで…。


いきなりそれは馴れ馴れしくない…?;


※嫁の仲間なら…ユウキも仲間…。

それと…ノエルの…義兄妹なら…信頼できる…

因みに…ステラとは…15年来の親友…

動きは合わせられる…


さいですか…;


こほん…

ともかく、ステラが斬り込みヴィーが大剣を振り回して追撃、ルゥがサポートの見事なチームプレーだった。

更にそこへ、空中からサクラが飛来し斬り結び、お姉ちゃんが舞う様に殴り、或いは蹴り飛ばし、ティエサちゃんも魔法で光の羽を創り、空中から魔法を放つ。

僕が入る隙は全く無い、完璧な連携波状攻撃だった。


※ユウキは…まだ何もしなくて…良い…。

言うならば…レベルが…足りない…絆も足りない…

何より―


はいストーップ!!;運営に消されるからッ!!;


※とにかく…ここは我等に…任せて…ユウキは…自衛に徹して…。


いっ…いえすまぁむ…;



僕は、最低限の自衛として警棒を構え、結界を張った。

結界は昨日、お姉ちゃんに聞いて練習したからまだまだ弱い…

だから練習を兼ねた結界だ。


…だって今の状況はいきなりラストバトルのPVを見てるようなモノだし…;

あ…僕もまだゲーム感覚じゃん…;


と言うか現地人(?)であるヴィーが一番ゲーム感覚っぽい…;



「優悟!!

「ばかやろー

「貴方には分からないの!?

「おきらくゆーしゃー

自分が道化師だと!!」

「すてられるのがオチー」


「黙れ外道!!

「貴女は可愛そうな人ですね!!

「お前こそ!!

「国王に身も心も洗脳されているのですよ!!

「魔王と手を組んで何をするつもりだ!!」

「早く気付きなさい!!」



そんな会話(?)をしながらも、ステラが突きを放ち、ユーゴが受け流し、

ヴィーが大剣を振り、ミカがそれを避けて弓を放つ、



「くっ…しつこいっ!!」

「さっさと倒れろなのですっ!」


「や~で~す~!」

「生憎だがおれ達は死ぬ訳にはいかないのでな。」



別の場所ではハルナが振り下ろした斧を避けて蹴るお姉ちゃんと、

マフユが放つ雷魔法を避けて斬りかかるサクラ…



「…。」


「フィジカルエンハンス!!」


「うぅ~!負けないよっ!!メディカル!!マジックオーラ!!」


「…。」

『…やるね…あーちゃん。』


「やりますねアキホさん。」


「ルゥちゃんやてぃーちゃんもね!!」


「…。」

『…できればたたかいたくない…。』


「こんな意味の無い戦い…虚しいだけですから…


「うん…わたし…実はてぃーちゃん達の魔界や、ステラさん達の王国って悪い人達じゃ無い気がするんだ…。」


「…。」

『うん…おうさまはいいひとだよ!!』


「お父様だって…世界の安泰を願っていました…。」



…うん…;

ティエサちゃんとルゥとアキホは良いや…;

何か仲良く回復合戦してるし…;

それより―




「―五月蝿いッ!!

お前等に帝国の何がわかる!?

貧困や物資の不足に喘ぎ!明日も分からない暮らしをしている帝国民の為に!

俺は負けられないんだッ!!」


「民の為…ねぇ…?


…あれ…?ステラさんの雰囲気が…;


「貴方、何様のつもりなのかしら?

平和な日本出身の学生の分際で、民を憂いる?

笑わせないで。

本当はただ、強大な力にほだされたのでしょう?

ただ称賛が欲しいだけなのでしょう?」


「なっ…お前も…お前も日本人じゃないかッ!!

お前こそ頭が沸い―


「黙れ三下。

私が、貴方と同じ?

昨日今日で力を手に入れた貴方と、赤ん坊から人生をやり直し、今までの23年間、この世界を学び、己を鍛えた私が?

なら、貴方はこの世界に『仲間以外の知り合い』が居るのかしら?

仲間以外の、『家族』が、『大切な友』が、『背中を預けられる戦友』が…

貴方には居るのかしら…?

確かに私は、貴方より幼い、16歳の時にこの世界へ転生した。

でもね、私は赤ん坊からやり直したのよ。

それは、とても重く、とても大変で、それでもとても楽しかった…。

沢山の出会いがあった…沢山の別れもあった…

目の前で友が殺された事も…大切な執事が別人みたいになったことも…

貴方には…それが分かる…?

仲間が一人として死なず、苦労も絶望も無くあっさり魔界を『 滅 ぼ し た 』貴方に。

ゲーム感覚で無抵抗な魔族まで『 惨 殺 し た 』貴方に…!!」


「な…に…?」


「貴方には分からないでしょうね、だって、貴方にとってこれは『只の遊び(ゲーム)』なのだから。」


「だ ま れ …!」



(!?)ユーゴの周りにオーラ(?)が…!?


「ぐぁぁぁぁっ!?」


僕はすぐにユーゴを魔眼で見た!!



名前【赤坂アカサカ 優悟ユウゴ】【ケダモノ

年齢【存在が18禁】

種族【勇者気取りな只のクソガキ】

┗行動不能、精神崩壊、勇者失格

クラス【自己満足の偽善者(憐れな道化師)

┗全ステータスにペナルティー



わーお…;

これがステラさんのパーソナリティー効果…?;

これ…もしかして僕も対象じゃないよね…?;



…これで、ユーゴとステラさんの決着はついた。





後のストーリーと矛盾が生じたのでステラのパーソナリティーを変更しました。

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