【第2話】僕にお姉ちゃんができました!?;
僕達は今、旅立ちの準備をする為に城から脱出しつつ食料や旅に必要な品を集めている…
まぁぶっちゃけ、異世界定番の収納魔法『ボックス』にサクラさんと姫様のは入っているから僕の準備なんだけどさ…;
だって僕のボックス(言われた通りに『ボックス』と念じたら使えた)には『警棒』と『警備員の服』、『財布(当然だけど中身の異世界のお金や身分証は使えない)』、『スマホ(何故か魔力で稼働してる)』『ハンカチ』しか入ってないし。
因みに今の僕の服装は執事服である。
(それを渡された時に僕が微妙な表情をしたのを見た二人は首を傾げた)
…っと。
次の部屋に着いたみたいだね。
「ユウキ殿、ここは『隠し武器庫』だ。」
「…もしかしなくても伝説の武器が…?」
「「…。」」
(えっ!?;地雷!?;)
何か二人が凄く寂しそうな表情に…;
「やはり…貴方も『伝説の武器』の方が好きですか…?」
「その…ここにあるのは全てA~AAAランクまでの『強力な魔武具』だけだ…。」
「隠し倉庫にあったSランク以上の『伝説の魔武具』は…全て帝国に奪われてしまいました…ので。」
「なんと言うか…『ネクロノミコン』とか『グングニル』とか『合体剣』とか…そうゆう『異世界人』が食い付くようなのが…
「伝説の武器大安売り!?;
帝国が超強化されちゃった!?;」
「すまない…我々が帝国なんぞに遅れをとったばかりに…
「いやいやいや!;気にしないでよ!!;」
と言うか警棒が伝説の武器と同等だし!!;
「あの…でしたらその代わり…でもないですが今から貴方を近衛騎士に任命します、宜しいですか??」
「あ、まだ僕は近衛騎士じゃなかったんだ?」
「ああ、近衛騎士は姫様に直接任命されないとなれないからな。」
「なるほど…。では…慎んでお受け致します、姫様。」
「ふふっ♪今更畏まらなくても良いですよ♪近衛騎士になっても貴方は貴方のままで居てください♪
後…出来れば普段は名前で呼んでください…その方が嬉しいです…///」
「…わかったよティエサちゃん。」
「私としてもこれからも仲間同士、上下関係は無しでお願いしたい。
私の事も呼び捨てで構わないぞ、ユウキ殿。」
「うん…ならサクラさんも『殿』は要らないよ!」
「…分かった、ユウキ。」
「改めてよろしく!ティエサちゃん!サクラ!!」
『クラスが『異世界人』から『魔姫近衛騎士』になりました』
相 変 わ ら ず ル ビ は 酷 い ね !?;
近衛騎士なのに対等な友人とか意味が分からないから!!;
いや…確かに今の僕達は対等な友人なんだろうけどさ…;
…って!
今度は壁を破壊して傀儡勇者が雪崩れ込んできた!?;
「ラッキィィッ!!敵が居たじゃねーかーっ!!」
「魔王軍の残党め!!覚悟しろ!!」
「極悪非道な魔王軍め…まだ残っていますか…!」
「くっ…!姫様!ユウキ!!行けるか!?」
「大丈夫!!」
「わたしはユウキに守ってもらうのでサクラは突撃を!!」
「任せろッ!!」
サクラさ…サクラが一閃すると、前方に居た傀儡が真っ二つにされながら凪ぎ払われた!!
僕達のところにも傀儡が来るけど、警棒が強いのか傀儡が弱いのか、簡単に壊れていく…でも数が多い…!;
姫様も魔法で凪ぎ払いながらも出来るだけランクの高い武器をボックスへ収納していっている…
けど…
「くうぅっ…!」
「ユウキ!?」
「来ないでティエサちゃんっ!」
「えっ!?」
「はぁぁっ…!!」
僕は覚えたての妖術、『焔』を放って焼き払い、 カウンターするも…
身体中傷だらけだし、耳も少し切られてしまった…
やっぱり僕は…まだ弱いのか…!?
「うぅ…僕は…こんな序盤で負けてらんないんだよーッ!!」
力任せに警棒をぶん回して傀儡を弾いた僕は、更に焔を放って傀儡を蹴散らす!!
だけど数は増すばかり…!;
(どうしよう…このままじゃジリ貧だ…。
どうにかしてここから逃げないと…!
そう思っていたら近くで間延びした声が聞こえた…
「ふぁぁ…もぅ…ここで暴れてるのはだぁれ~…?」
「…っ!マジックバリアッ!!」
声がした方を見ると、そこには見知らぬ女性が眠そうに目をこしこししながら立っていた…
っとティエサちゃんが魔力障壁を展開したみたいだね。
「…;」
「ん~…?」
やがて、僕とバッチリ目が合った女性は、にんまりと笑った…?;
「あら~可愛い執事さ~ん♪何かお困り~?」
「あ…うん…;
見ての通り敵に囲まれてます…;」
因みに今は女性が出てきたタイミングでティエサちゃんが張った魔力障壁で小休止中、ティエサちゃんの魔力は魔王だけにほぼ無尽蔵にあるみたいだけれど、だからと言って障壁が壊れない訳じゃ無い。
あまりゆっくりも出来ないけれど、サクラも態勢を整える為に退いてきた。
「おや…貴女は…!」
「あら~?サクラちゃんじゃな~い♪お久し振りね~?」
「はい、ご無沙汰しています。」
「あらあら~堅苦しいのはだ~め♪」
「…相変わらずですね、ノエル様。」
「えっ?二人は知り合いなの??」
「ああ、ちょっとな…。」
「うふふ~♪」
?
まぁ悪い人(?)では無さそうだね。
その『ノエル様』は再び僕に向き直ると、急に抱き締めてきた!?;
「ね~ぇ?
貴方、わたしと契約しな~い?」
「えっ!?;」
「…っ!?
是非そうしろユウキ、彼女が誰かを気に入るなんて珍しい。
それに、彼女は必ず君の力になる。」
「…?」
訳が分からない僕は、とりあえず『ノエル様』のステータスを見てみることにした。
名前【ノエル】【女】
年齢【見た目は20代後半(実年齢はサクラにちk…あっちょっ!;やめ(re...)】
種族【武具精霊】
クラス【ガントレットの大精霊】
┗体力強化(中)、防御力上昇(中)、素早さ上昇(大)、即死耐性
解説:ガントレットに宿る上位の精霊、気に入った装備者には様々な加護を与える。
武器名【ブレイジングノエル】
武器分類【ガントレット】
属性【光】
ランク…(AAA)
スキル…武具精霊のパーソナリティーに準ずる。
うん、なにこれ!;ご都合主義にも程があるでしょ!!;
まっまぁ…助かるならそれでいいか…?;
それに…この人に抱き締められると何故か安心するし…
あぅ~…尻尾が勝手に揺れるぅ~///
「ぅん…けいやく…する~…
「うふふ…♪じゃあ~♪」
「んむっ…?///」
「きゃっ♪///」
「…ダイタンデスネノエルサマ。」
いきなりノエル様が僕にキスを…!?///
あ…何か…吸い取られる様な…?
「ぷは…これで契約成立よ~♪
良かったらわたしの事は~ノエルお姉ちゃんって呼んでねぇ~♪」
「ふぇ…?はっ…はい…お姉ちゃん…///」
「うん!素直な子はお姉ちゃん好きだなぁ~♪」
そう言って頭を撫でてくるお姉ちゃん。
あぅ~…何か頭がふわふわするぅ~…///
そして気付けばもうお城を脱出して森を歩いていた…;
…後から聞いた話し、思考が鈍くなっていたらしい僕は、脱出するまでのあいだずっとノエルさんに甘えていたらしい…;
後その状態の時のノエルお姉ちゃんがとてもお強かった…とか。
ナニコレ…呪いの装備品…?;
あぁティエサちゃん…そんな慈愛のこもったあたたかい笑顔はやめて…;
サクラも母性が刺激されましたな優しい表情はやめてくださいおねがいします…///
ノエルさんは相変わらず僕を抱き締めたまま放さないし…;
と言うかアレ…何気に僕のファーストキス…だったんだけどなぁ…///
「うふふ~♪可愛いわね~ゆぅちゃ~ん♪」
「うぅ~///止めて下さいノエルさん…///」
「え~?聞こえな~い。」
「恥ずかしいですノエルさん…///」
「え~?何か言った~?」
あ…これ『お姉ちゃん』って呼ばないといけないパターンだ…;
あの~…僕もいい年した大人なんですけど…それ分かってます…?;
はぁ…;
それにしてもこのガントレット…装備しているって感覚が無い、抜群のフィット感だなぁ…
それと同じく(?)ノエルさんも抜群のフィット感なんだよなぁ…;
だから抱き付かれたままでも歩けるんだけどさ…;
そうそう、『パーソナリティー』ってのが気になったからサクラに訊いてみたら、どうやら『その人の気質に応じたスキル』の事…らしい。
だから、例えばノエルさんのパーソナリティーを意識して見ると…
【ノエルのパーソナリティー】
1.『お姉ちゃん気質』
┗装備者が『弟』か『妹』のパーソナリティーを持っていればノエルの能力が大幅に上昇する。
装備者が『あまえんぼ』状態になっていたら更に大幅に上昇し、ブレイジングノエルがSランク装備になる。
└因みに装備者がパーソナリティー『弟』『妹』を持っていない場合は、装備者に素質があれば上記パーソナリティーを付与可能。
2.『温厚』
┗戦闘中、ノエルが『怒り』状態で無ければノエルと装備者の防御力上昇(大)。
スキル『姉の優しさ』を使用可能。
└アクションスキル『姉の優しさ』…ノエルがこのスキルを発動中、装備者がパーソナリティー『弟』か『妹』を持っていたら『あまえんぼ』状態になる。
└『あまえんぼ』状態…特定の人物に対して愛嬌を振り撒く様になる状態。
あるスキルの発動条件になっている。
3.『お姉ちゃんの憤怒』
┗戦闘中、ノエルが『怒り』状態の時、ノエルと装備者に『光爆』のスキルを付加、防御力劣化(大)。
└パッシブスキル『光爆』…こちらの攻撃が掠りさえすれば相手の体内で光の爆発が起こり追加ダメージ、爆発の威力は武器攻撃ダメージ×2。
4.『家事万能』
┗非戦闘中、ノエルのあらゆる家事行動にプラス補正(大)がかかる。
5.『料理最高』
┗常時ノエルが行う調理行動にプラス補正(特大)が付く。
戦闘中でも簡単な調理なら可能。
パーソナリティー『弟』『妹』を持つ人物に限りノエルの料理を食べるとステータス上昇(中)
うん…色 々 チ ー ト だ っ た !!;
と言うかノエルさんはやっぱり弟・妹萌えだったのか…;
もしかしなくても…僕って『弟』扱い…?;
はぁ…何かフクザツな気分…;
「あの~…僕を放してくれると嬉しいなぁ~…なんて…?;」
「あら~…ゆぅちゃんは~、お姉ちゃんが嫌いなの~?」
泣きそうな顔で僕を見てくるノエルさん…
本人の気質なのか、あざとさとかは無いんだけど…;
因みに、ノエルさんの見た目は…
ハチミツ色のゆるふわロングヘアー、丸くてキリッとしたオレンジの瞳、高くてスッと通る鼻筋、肉厚のピンクの唇…そんな美人さんで、スタイルも出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいるモデル体型、健康的な白い肌な身体を包むのはフリルが控えめに付いたシトラス色の簡素なワンピースにライムグリーンのカーディガン…
見た目も中身もふわふわしてそーな御姉様デスネ…
抱き付かれていると背中に柔らかいのが当たるし…結構なお山をお持ちの様で…それと、とても温かい…
要するに既に僕はノエルお姉ちゃんにがっちりハートを捕まれてる訳で…
だってしょうがないじゃないか!!
僕だってずっと、こんな優しそうな『姉』が欲しかったんだから…!!///
まだ恥ずかしいけど…いつかは自然に『お姉ちゃん』って呼べるのかな…?
僕が見つめている事に気付いたノエルさんは、嬉しそうに目を細めて微笑んでくる…もぅっ…可愛すぎるよノエルさん…///
…と、僕が恥ずかしさから目を逸らしたタイミングでティエサちゃんが話し掛けてきた…
「良かったですね、ユウキ。
わたしとしても、とてもお強いノエル様が中々魔武具として働いてくれなかったので心配していたんですよ。」
「えっ…?じゃあ今までノエルさんは何をしていたの??これだけ綺麗なんだし、ただ武器庫で寝ていた訳じゃ無いんでしょ?」
ガントレットに目を向けると、まるで新品同様に綺麗だ。
銀色の本体にハチミツ色の幾何学的な装飾が施され、真ん中にはオレンジ色の宝石がはめ込まれている…そんな『これ本当に武具?』な見た目だけどさ…;
「えっ?メイド長ですけど。」
「魔 武 具 が メ イ ド 長 っ て 流 石 魔 界 っ !?;」
「は~い♪メイド長のノエルお姉ちゃんで~す♡」
ついメイド服姿のノエルさんを思い浮かべてしまった…///
あ…でもノエルさんは魔武具である前に精霊なんだし…家事能力だって(パーソナリティーになる位)高いみたいだし…って!;
い つ の 間 に か 本 当 に メ イ ド 服 に な っ て る し !!;
「こ~みえて~、魔界が壊滅するまで~魔王様にお食事を作っていたのよ~?」
「あぁ…うん…;
ノエルさんは料理も得意みたいだしね…?;」
「…。」(じと~っ)
「…おっ…お姉ちゃん…は…料理が上手だしね…?///」
「や~ん♪ゆぅちゃんに褒められた~♡」
「…ゴチソウサマ。
それにしても、普段はしっかり者のノエル様がこんなデレデレな状態になっているのは初めて見るな…;」
「そうですね…でも、ユウキが可愛いくて仕方無いんですよ。
わたしもユウキさんが好きですし。」
「…姫様。」
「…分かっています…。」
「…?;」
サクラとティエサちゃんは、微笑んでいる様に見えたけど…
何故だろう…まだまだ距離を感じた…
ってそりゃあまだ出会って数時間しか経ってないんだから当たり前だけどさ…;
むしろノエルさんが引っ付き過ぎなんだよなぁ…;
「ねぇノエルさ―
「・・・。」(ニッコリ)
「―ノエルお姉ちゃん…;」
「は~い♡」
「引っ付くの止めてくれない…?;」
「や~だ~♪お姉ちゃんは~可愛いゆぅちゃんと~ずっと一緒が良いの~♪」
「…はぁ…;」
僕いい加減殴―こほん…怒っても良いよね…?
いくら美人さんでふわふわしてても、お姉ちゃんが欲しかったって言っても…四六時中ベッタリなのはムカツク訳で…
えっ?女の子に手を上げるのはどうなのって…?
ははは…じゃあ姉か妹がいる人に聞きたいねぇ…
実 際 に 四 六 時 中 姉 や 妹 が ベ タ ベ タ し て き た ら 鬱 陶 し く な い ?
いや…もしかしたら僕は前世での兄弟がクソ兄貴しか居なかったからそんな感想が出ちゃったのかもだけどさ…
ま ぁ 僕 を 性 的 な 目 で 見 て 押 し 倒 す 様 な ク ソ 兄 貴 に 比 べ た ら か な り ま し な ん だ け ど ね ?
流石に優しい激甘姉っぽいから押し倒してはこないだろうけど…;
…押し倒してこないよね…?;
と に か く !
さっさと離れてもらわないと…
「ねぇノエルお姉ちゃん。」
「なぁに?ゆぅちゃん。」
「いい加減離れないと、僕、お姉ちゃんを嫌いになるよ?」(ニッコリ#)
「…はい…ごめんねゆぅちゃん…。」
こうかは ばつぐんだ!!
でも泣きそうなお姉ちゃんを見ていると罪悪感が…;
でもっ…ここでケジメをつけとかないと後が大変だからね…!
僕は心を鬼にしてお姉ちゃんを拒絶した!!
「ふうっ…///
いくら…ごにょごにょ…でも限度はあるからね…///」
「サクラちゃ~ん!ゆぅちゃんがいぢめるぅ~!」
「いや…ノエル様がベタベタし過ぎなだけでは…?;」
「ティエサちゃ~ん…
「今回はノエルさんが悪いかと…;」
「うわぁ~ん…だれも味方がいな~い…
うっ…涙目なお姉ちゃん可愛い…///
じゃなくてっ!!;ダメだダメだ…心を鬼に…心を鬼に…
ああっ!;でも耳が勝手にぺたんと倒れるしこれバレちゃう!?;
「いぃも~ん…お姉ちゃんいじけてやるぅ…
そう言ったノエルさんは消えてしまった…
バレなくて良かったけど、なんかすっごい罪悪感が…;
って言うかノエルさんって本当にメイド長だったの…?;
「はぁ…;
サクラ、1度僕に出会う前のノエルさんを見てみたいんだけど…?;」
「まぁ…その内落ち着くさ、多分な。ははは…はぁ…;」
それからしばらくして、そろそろ日が暮れそうだからキャンプをすることになった。
「…びっくりしたよ、まさか異世界人の君がキャンプ慣れしてるなんて。」
「はは…まぁね…。」
「ユウキが焼いたお肉、おいしいです♪」
おいしそうに僕が焼いた野うさぎ(?)型魔獣の肉を頬張るティエサちゃん…
まぁ僕がキャンプ…と言うかサバイバル慣れしてるのは当然だよ。
だ っ て ク ソ 兄 貴 か ら 逃 げ る 為 に 野 宿 し ま く っ て た し 。
まぁ…今にして思えば頭は良くても変態なクソ兄貴とその兄貴を溺愛する親の頭がおかしかったとしか言いようがないね…
でも親友の櫻子や雪華に迷惑をかけたくなかったし…
…あぁもうっ!!今はもうクソ兄貴に会わなくてすむし、どんなに願っても櫻子や雪華には会えないんだから忘れよう!!
ふと空を見上げれば、そこには満天の星と、綺麗な月が浮かんでいた…
「へぇ…月はこの世界でも1つだけで青白い光なんだ…。」
「むっ…?その言い方、ユウキは他の世界を知っているのか…??」
「あぁ…うん、物語としてね?
他の世界だと月が複数あったり色が紅かったりするんだ。
そうそう、月の模様が面白かったりする世界もあったなぁ…。」
「へぇ~!行ってみたいですねそんな異世界♪」
「そうだね…それより、さ。」
僕はガントレットを撫でながら話しかける。
「そろそろ出てきなよ、一緒に星空を見ようよノエルお姉ちゃん。」
「…。」
出てきたノエルさん…お姉ちゃんは余程泣いていたのかまだ涙目だった…
「お姉ちゃん…;」
「なによぅ…ゆぅちゃんは…お姉ちゃんが嫌いなんでしょ…?」
「はぁ…;」
もう…この精霊は全く…;
僕はお姉ちゃんの頭を胸元に寄せて、頭を撫でてみた。
更にお姉ちゃんの背中に尻尾を回してそれも一緒に撫でる。
「僕はお姉ちゃんが嫌いじゃない、ただ、ちょっと嫌な事を思い出してただけ。
僕だって(理想の姉みたいな)お姉ちゃんが大好きなんだから…
でも…出来ればこれからも必要以上にベタベタはしてほしくないなぁ…。」
「…。」
あ…なんか胸元が濡れてきた…まだ泣いてるのかな…?
「ゆぅちゃん…ごめんね…お姉ちゃん嬉しかったから…
「うん…分かってる…僕は怒ってないから…それに…お姉ちゃんに抱き付かれるのは嫌いじゃないし…///」
「あ…そうなの?
嬉しいなぁ…ならお姉ちゃん…もっとゆぅちゃんに好きになってもらえる様にがんばるからね。」
「うん。
でもお姉ちゃんだけじゃなくて僕もがんばるから。」
「うんっ…なら二人でがんばろうね…♪」
「…サクラさん…やはりユウキは…
「うむ…ヴィーとは違うベクトルのシスコンだな。」
君たち失礼じゃないかなぁッ!?;
僕はお姉ちゃんがノエルお姉ちゃんだから好きなだけだよっ!!
「あっ…!そうだ!ゆぅちゃんさっきからお姉ちゃんって…!」
「んっ…おっ…お姉ちゃん…は…お姉ちゃん…なんでしょ…?///」
「~っ!!ゆぅちゃぁ~ん!」
「うわっ!?;」
お姉ちゃんがいきなり抱き締め直してきたから勢いで倒れてしまった…
上に重なる様に一緒に倒れこんだお姉ちゃんは猫みたいに僕に頬を擦り寄せる…///
あ~…でも耳がぴこぴこ動いてるから僕が喜んでるのまる分かりだよね…///
「えへへ~♡ゆぅちゃぁ~ん♡」
「あはははは…;
ノエルお姉ちゃんのコレ…しばらく治まりそうに無いなぁ…;