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仲間入り~鎖乃said~

法魔学園……私の住む世界で一番大きな学校。といっても、この世界はあまり大きいとはいえないのだが、法魔学園の名を知らない者はいないくらい有名である。法魔学園は能力が高ければ大人から子供まで入学可能だ。


「……どうして実技ばかりなの。楽しくない。」


この学園では生徒は半分に分けられる。実技科と理論科の二つ。実技科は主に自分に宿る能力のレベル向上を、理論科は実技科のような能力がなくともそれを支えられるほどの頭脳の持ち主が能力について研究することが主な活動内容とされている。


私はそこまで能力がいいわけじゃないが、理論科なんていける頭脳も当然持ち合わせていない。ただ自分の能力を磨くことが今の私に必要なことなので諦めるけど。


「……卒業したいな……。」


卒業して私は宝魔石ほうませきを探しに行きたい。宝魔石は赤、青、黄と3つあり赤は能力を最大限まで引き出せて、青は身体の疲労をなくし、黄は新たな法を身に付けることが出来る使い手なら誰もが欲しがる宝のことだ。3つ合わせると本来なら不可能な命の再生が行える。つまり、生き返らせることが出来るということ。


私はどうしても生き返らせたい子がいる。もうずっと、その子に会いたい。会って言いたいことがあるんだ。


「あのさ……。」

「ん?……確か隣のクラスの……。」


小柄な少年に話しかけられた。いつも一人でいる私に話しかける度胸は認める。けど、私が心の使い手と知らないのだろうか。わざわざ人と距離を置くようにしているのに。


「もうすぐ卒業じゃんか。で、宝魔石探しに行くって聞いたんだけど俺も一緒に行ってもいい?」

「……私誰にも言ってないのに何で知ってるの?ていうか、私が心の使い手なのは知ってるでしょ?私は心が読める。私に全て知られてもいいの?」


言い方を少しきつくして言う。なのに、その少年は口角をちょっとだけあげて笑っていた。まるで心を読んでみろと言っているかのように。


「俺の心は絶対読めないよ。心を読まれないように守ってるんだ。」


確かにその少年の心は読めなかった。本気でやれば読めるだろうがそんなところで体力を使いたくはない。


「……仲間入りいいよ、そんな人初めてだから。私は鎖乃。」

「俺はしょう。霊の使い手。実は仲間に入れておきたい奴がもう一人いるんだ。仲間にしといて絶対損はないから。」


言われるがままに渉のクラスに引っ張られていく。教室の中を覗いてみると、森の妖精みたいに可愛い子が、読んでいた本から顔をあげてこちらをじっと見ていた。


雪月花せしる。」


渉が教室に入って行くのを私はドア前で見ていた。あんまり近づくと無意識に人の心を覗いてしまうかもしれない。……ふと妖精のような少女と目があった。その子はにっこり微笑んで私に手招きしている。私は首を横に振ったけど大丈夫と口の動きだけで伝えてくるのでおずおず教室に入った。

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