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データに眠る記憶

 誰もが寝静まったころに。


私は夜の月を眺めながら、充電を行なっていました。本来ならば、人工知能をシャットダウンさせるのですが、今日は仕事が残っていて。


 私は試作機に内蔵されていたICチップを読み取りました。マザーが、手渡してくれた試作機だったころの記憶。まだ、人型でなかったころの人工知能。


 ぶん、と縁側の先にある庭の空間にある映像が映る。青白い、光を放つその映像はアマネさんがあのお堂で消えてしまった後の記憶。


 マザーが、次に生まれ変わるアマネさんを探すために作った、試作機の記憶。


 私は知りたかった。


10年前からこの島に異常気象が起きて、そのときの水害はなぜ起こったのか。マザーはなぜそのときの記録を探していたのか。


 古い、ノイズの混じった映像。


 起動したデータには、一人の女の子が映っていた。浴衣姿が可愛らしくて、私は思わず微笑んでしまいました。私は役場から持ち出された、10年前の水害とそのデータを重ね合わせて解析を進める。


―――10年前にマザーに連れ去られて死んでしまった、一人の少女の記憶。



 いえ、これはマザーの記憶。





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